適職を「探してばかり」の人たちに欠けた要素

本当の意味で適職を手に入れるためには、次の3つのステップに分けて、つねに適職スコアを評価し、向上させるための改善アクションを取り続ける必要がある。

ステップ1:就活や転職活動において、求人ごとに適職スコアを付け、合計スコアの高い仕事を選んで就職する。
ステップ2:働きながら、各項目のスコアを高めるための改善アクションを考え、実行し続ける。
ステップ3:ライフステージや志向性の変化に合わせて、定期的にウェート付けをアップデートする。

ステップ1に関しては、前述の「適職スコア例」のように求人ごとに適職スコアを付け、比較すれば大丈夫だ。

ステップ2に関しては、次のように項目ごとにスコアを向上させるアクションを行う。具体的には、次のようなアクションとなる。

最後にステップ3に関しては、次のように年齢やライフステージの変化などによって配点が変わるため、その変化に合わせていく必要がある。

【例1】20代前半(独り身で出世欲が強い)

時間もお金も自由に使え、自分中心にキャリアを考えていることから優越度、自由度、成長度のウェイトが高い。プライベートよりも仕事を重視することで給料もステータスも上げたいと考えている。

【例2】30代前半(結婚し、家族ができたことでライフワークバランスを意識)

家族との時間を確保するためにも、独り身の頃のように長時間労働はできなくなる。プレーヤーとして周りと競い続けることにも疲弊してきており、後輩や部下にティーチングし、支えることにやりがいを感じるようになっている。20代前半の頃よりも適性度、多様度、貢献度のウェイトが高くなっている。

このように、実態に合わせて適職スコアのウェイト、スコアを常にアップデートし続けることが、適職を手に入れるためには重要だ。

大事なのは「見つける」ではなく「自分で作る」姿勢

新卒や20代の若い転職希望者と面談していると、「適職が見つからない」という声をよく耳にする。適職を手に入れるためには、まずは「自分にとっての適職の条件」を洗い出し、その評価軸を明確にすることが大事だ。

しかし、それ以上に大事なことは「いい仕事を探して終わり」ではなく「目の前の仕事をよりいいものにする」ためのアクションをし続けること、そして「自分にとっての適職の条件」を実状に合わせてアップデートし続けることが大事だと伝えたい。

ちょっと面倒くさいかもしれないが、長期的に自分にとっての適職を「自分で作る」という姿勢でキャリアを築いてもらいたいと思う。そのような姿勢でキャリアを歩んだ方が、きっとポジティブに働き続けられるはずだ。