職場の雑談なくなった人を襲うモヤモヤの正体

孤立感から気持ちが沈んでしまい、ささいなことが気になるようになり、最終的には、上司からの指示が責められているように感じられ、連絡が来るだけで動悸が激しくなるなどの症状が出て、休職に追い込まれる方もいました。

やり取りできる場を作り「孤立」の予防を

作業環境管理は、職場の安全配慮義務でもあります。直接やり取りのできる方法を取り入れることが早急の課題で、さらには、ご本人自身でもそのような場づくりをすることが望まれます。

人は、ちょっとした気持ちや考え、起こったことや気になることを人とやり取りすることで、自分の気持ちや考えを整理しやすくなります。

長い間誰とも直接話さないと、考えがまとまらなくなったり、気持ちのコントロールが難しくなったりするのです。ですから、実際に会話のできるツールを積極的に使うということも大切です。映像が見られなくても音声だけでも、効果的です。

また、普段のやり取りが減っていると、単なる冗談と捉えられることも真に受けられてしまう可能性も高くなり、配慮が必要です。疎外感や孤立感が強いと、ストレートにものを言われただけでパワハラと受け取るケースが後を絶ちません。ゆえに、よかれと思ったアドバイスが相手を傷つけたり、追い詰めたりすることにもつながります。

こうしたことを予防していくためにも、面倒がらずにこまめに話し言葉を介したコミュニケーションを取ることと、具体的な意思表示をすることが望まれます。

緩和ムードも出始めてはいますが、元に戻ったわけではありません。ソーシャルディスタンスを保ちつつも、孤立を防いでいくことが大切です。