ネットで「過激な発言」ばかり目に入る根本理由

そうすると、社会に大多数いるであろう中庸な人――他人の意見に耳を傾けられる人・ある物事や人について弱く支持している人・ある物事や人について不快に感じたり反対に思ったりしたが直接攻撃しようとまでは思わない人など――は、ネットの言論空間にはほとんどいなくなってしまい、代わって少数であるはずの極端な意見の持ち主が、ネットのマジョリティを占めるようになる。

これを図にするとこのようになる。横軸は意見の違いを表しており、左に行くほど反対・不支持であり、右に行くほど賛成・支持である。つまり、真ん中は中庸的な意見で、両端は極端な意見となっている。また、縦軸は人数を表している。

一般的に、極端な意見の人より中庸の意見の人が多いので、社会における意見の分布は中央に集まる形になり、破線の分布がそれを表している。つまり、社会の意見分布はたいていの場合山型を形成する。

しかし、ネットではこうならない。①「極端な人」ほど発信する。②中庸な人ほど「極端な人」を恐れネットで発信しない。という2つの特徴から、ネットでは実線の谷型の意見分布となるのである。この谷型の意見分布こそが、今我々がまさに目の当たりにしており、「ネットは怖いところだ」と思っている言論空間そのものなのである。