頭の良さより「好感度」で人生が決まる納得理由

ビジネスの成功には「有能さ」は大切のように思われますが、「実は『好感度』のほうが、よほど人生にとっては重要である」。といわれています。実際、海外にはこのことを裏付ける学術的調査が数多くあります。

2005年の『ハーバード・ビジネス・レビュー』に発表された行動心理学者らによる研究では、人を次の4つに分類しました。

① 好感度が高く、仕事もできる「愛されるスター」
② 好感度が低く、仕事もできない「無能で嫌な奴」
③ 好感度は高いが、仕事はできない「愛される愚か者」
④ 好感度は低いが、仕事はできる「できるが嫌な奴」

もちろん、両方そろった「スター」は愛され、どちらもない無能の人が嫌われるのは明らかだとして、③と④のどちらが好まれるでしょうか

実は「③愛される愚か者」のほうより、「④仕事はできても嫌な奴」のほうが選ばれるという結果だったのです。

「自分の実績」にばかりこだわる「④仕事はできても嫌な奴」は結果的に、組織としての成功を阻む一方で、人間関係構築力に優れる「③愛される愚か者」タイプは、「組織のコミュニケーションを活性化し、結束を固める役割を果たす」とされているからです。

出所:筆者作成

理想のリーダー像が「教官型」から「共感型」へ

「好感度のある人」がより愛され、成功をおさめやすい。これはとみに最近、顕著な傾向のように感じます。

今、とくにリーダーシップ人材に求められているのが「共感力」。どんなに仕事ができようと、強権的であろうと、「パワハラだ、セクハラだ」と訴えられれば一巻の終わりです。

水平的な情報流通と共感をベースとしたSNS時代には、「人々の気持ちを理解し、寄り添う力」が必要になります。

こうした時代背景もあって、求められるリーダー像が、上から一方的に支配・指示する「教官型」から、社員と同じ目線に立ち、その力を引き出す「共感型」へと変わってきているのです。世界のトップエリートを見ても、その流れは明らかです。

例えば、かつて、アメリカの超一流企業において、一世を風靡していたのは、強権的な「トップダウン型」のスティーブ・ジョブズやジャック・ウェルチ(GE)でした。

しかし今は、「アップルのティム・クック」「マイクロソフトのサチャ・ナデラ」「グーグルのサンダー・ピチャイ」などといった「共感型」のリーダーが台頭、成功を収めているのが、その象徴といえます。

彼らは、ことあるごとに、「ビジネスの支柱には共感力がある」といってはばかりません。一方的に決めつけるのではなく、対話を積み重ねながら、コンセンサスを作り上げていくタイプといわれています。

有能であることはもちろん重要ですが、そこを強調することに気を取られ、人間的な「魅力」や「温かみ」をアピールできていない人は多いように感じます。

でも、結局、本当の成功のカギとなるのは、「できる人」アピール力ではなく、何よりその「人たらし力」です。

「何を知っているのか」よりも「誰を知っているのか」が決め手になることは多々あります。「この人と一緒にいたい、働いてみたい、話してみたい」。そう思わせる力こそが「好感度」ということです。

では、この現代の最強の武器「好感度」はどのように手に入れることができるでしょうか。そのポイントは次の3つです。

【1】「ムッツリ」より「笑顔」

「できる人は不愛想でいい」という幻想を捨てることです。不機嫌はそれだけで、「不愉快菌」を相手にばらまく行為と心得ましょう。

【2】「自分主役」より「相手主役」

「俺スゴイ」より「あなたはスゴイ」と言える人が愛されます。自分アピールはそこそこにして、話すよりもじっくり聞くことが大切です。

【3】「ヒエラルキー」にとらわれない

上にへつらい、下に当たるのではなく、あくまでも誰に対しても分け隔てなく、フラットに接することです。相手から話しかけるのを待っているより、自分から挨拶することを心がけましょう。

今後のリーダー像は「人の気持ちを理解できる人」

「できる人」を演じ続けて、無駄にプライドだけを積み重ね、分厚い鎧を着こんでいった結果、リタイア後に、人間関係を構築できずに、孤独になっていく人たちは少なくありません。

ただの「いい人」「できる人」ではなく、「いい気分にさせてくれる人」「できた人」へ。自分の能力を振りかざし、強さを誇示することではなく、人の気持ちを理解し、時には自分の弱みを認める強さをもつ

これこそが、ポストコロナ時代に求められる「話し方」「コミュニケーション」の真髄であり、それができる人が結局、仕事も人生もうまくいくのです。