日本人が知らない「リモートワーク」不都合な真実

コロナ禍で急速に普及したリモートワーク。たくさんのメリットを見いだせた分、デメリットも見えてきた……(写真:プラナ/PIXTA)
日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。
たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。
その岡本氏が、全メソッドを初公開した『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』は発売後、たちまち14万部を突破するベストセラーになっている。
コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「この先、リモートワークはどうなるのか」と「日本人が知らない不都合な真実」について解説する。

「緊急事態宣言解除」で私たちの働き方は変わるか!?

感染者数も急減、緊急事態宣言も解除され、街がにぎわいを取り戻しています。「第6波」が到来し、再び感染が拡大するリスクも高いわけですが、ワクチンの普及や治療薬の開発で、長い長いトンネルの先に、薄日は差し始めているかのように見えます

『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

そこで気になるのが、この先の「私たちの働き方」です。はじめはどうなるかと思った「リモートワーク」ですが、通勤もなく、楽で、快適。仕事もしやすい。そう感じている人も少なくないようです。

実際に「生産性」という観点では、「リモートは出勤と同じ、もしくはそれを上回る生産性が維持できる」という結果が数々の調査から明らかになっています。

すっかりリモートに慣れ、このままでいいという人も多い一方で、「業務への支障」「孤独感」など問題点も浮き彫りになっています。

「リモートワークの未来」はどうなっていくのか。その生産性や問題点などについて、海外の最先端の研究や調査をもとに紐解いていきましょう。

では、まず、「以前のように出勤し、リアルで顔を合わせながらの勤務」と「リモートでの勤務」、果たしてどちらのほうが「生産性が高い」のでしょうか

私の友人であるAIG損保の執行役員の林原麻里子さんは、コロナで会社がフルリモートになったのをきっかけに、昨年7月佐賀県唐津市に移住し、広報の責任者としての仕事を遠隔で問題なくこなしています。

通勤時間がない分、仕事に集中でき、労働時間も増え、「生産性は上がった」と実感しているそうです。

エクゼクティブに話し方を教えている私もコロナ禍当初、対面機会が減ってどうなるかと思っていましたが、オンラインでも問題なくコーチングできることがわかり、「対面とリモートのハイブリッド」が最も効果が高いことを発見しました。

スタンフォード大学のニコラス・ブルーム教授が、ある中国の旅行会社を対象に行った調査では、「リモートでは生産性が13%上がった」という結論でした。

同教授とシカゴ大学の教授らが3万人以上のアメリカ人を対象に行った今年4月の調査では、「リモートワークによって生産性が5%向上し、パンデミック後は全労働時間の2割はリモートで行われるだろう」と予測しています。

まだまだ課題が多い「リモートワーク」

「従業員は通勤のストレスから解放され、生産性も上がるとなれば、いいことずくめではないか」となりそうですが、リモートワークにはまだまだ「解決すべき多くの課題」が残されています。