「緊張する場面」で不安を和らげる7つのポイント

誰しも緊張する場面はあるもの。緊張を和らげるための7つのポイントを紹介します(写真:perfecta/PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

この連載の記事一覧はこちら

昨今、人と直接会う機会が減り、話すこと自体も減っている方も多く、いざ言葉を交わそうとする際に「思うように声が出ない」「言葉が出てこない」というご相談も増えています。そんな中、人前で話す、プレゼンするという場面では、必要以上の緊張を強いられます。朝のミーティングでのひと言さえもプレッシャーに感じる人もいます。そのようなときに少しでも緊張を和らげる方法をお伝えしたいと思います。

緊張のサイクルに陥らないために

緊張には、自律神経の働きが深く関わっています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、通常は、この2つがバランスよく働いています。しかし、不安を感じたりプレッシャーやストレスがかかったりすると交感神経の活動が優位になります。すると、「筋肉が緊張して震える」「顔が赤くなる」「心臓がドキドキして脈が早くなる」「急激に汗をかく」といった身体反応として現れます。

そして、緊張しやすいという自覚がある方は、過去の経験から「また緊張するのでは」と、緊張を恐れ、以下のような負のサイクルに陥ってしまう傾向があります。

1)「緊張して失敗したらどうしよう」「恥をかいたら嫌だ」と強く感じる

2)緊張を隠すために、無理に平静を装ったり愛想笑いをしたりなど、安全行動を取ろうとする

3)緊張を隠せているのか不安になり、よけいに自分に意識が向く

4)さらに不安になって、手汗や震え・顔が赤くなるなどの身体の反応が強く出る

5)1に戻る

このような緊張のサイクルに陥らないために意識するポイントを7つ挙げたいと思います。

1)「緊張は必ずしも悪いことではない」

まずは緊張を「悪」と捉えないことが大切です。完全にリラックスしているよりも、適度な緊張感がパフォーマンスの向上につながります。「緊張している、不安」ではなく、「よい緊張感を持てている」という意識に変えてみましょう。

2)「誰でも緊張する」

人前で話したり注目を集めたりするときは、誰でも緊張するもの。堂々と聴衆の前で話しているようにみえる人も内心は緊張しているものです。中には平常心でいられる人もいるとは思いますが、それはごく少数派です。そのことを理解しておくと、少し気が楽になると思います。

3)「緊張を隠さなくていい」

「緊張してもよい」と開き直ってしまうのも1つの手です。緊張を無理に隠そうとせずに、「人前で話すのは、とても緊張します」と相手に素直に伝えることで楽になることもあります。場合によっては場が和んで緊張した空気がとけたり、真面目な人という好印象を得られ、プラスの効果につながることも多いです。

意識を自分からそらす

4)「緊張しやすい場面では自分以外に注意を向ける」

緊張すると、つい自分にばかり意識が向きがちです。普段以上に自分の心音が大きく聞こえたり、手の震えや顔のこわばりが気になってしまうかと思います。そんなときは、自分自身から意識をそらして、景色や目の前にある物、視界に入るほかの人に意識を向けるようにしてみましょう。ただ見るだけでなく、絵を描くつもりで細部をじっくり観察します。音に敏感な方は、周囲の音、例えば「風の音」「車の音」などに意識を向けるのもよいと思います。意識を自分からそらすことで緊張が和らぎやすくなります。

5)「深呼吸」

緊張しているときは、呼吸が浅くなっています。深い呼吸をすることで、副交感神経の働きが高まり、過剰になった交感神経が落ち着きます。深呼吸を何度か繰り返すことで、心臓のドキドキや汗、手の震えといった緊張による身体反応を和らげる効果が期待できます。