GW明け「五月病になる人」「ならない人」を分ける差

毎年ゴールデンウィーク中から終了後に「五月病」の相談が増えるといいます(写真:TY/PIXTA)

長年、人間関係や生き方など、悩み相談のコンサルタントとして活動していますが、毎年ゴールデンウィーク中から終了後に増えるのが、「この症状は五月病ですか?」という問い合わせ。「頭や体が重い」「何もやる気が起きない」「仕事や学校に行きたくない」などと感じて、「どうしたらいいのか」「病院に行ったほうがいいのか」と悩む人々の声が寄せられるのです。

長引くと、うつ病や適応障害に進行するケースも

一般的に五月病とは、社会人の就職や部署異動、学生の入学やクラス替えなど、新たな環境での生活がはじまってから1カ月あまりが経過したゴールデンウィークの連休をきっかけに、心身に表れる症状のこと。

私の相談者さんも、「気分がすぐれない」「体がだるくて疲れやすい」「頭が痛い」「眠れない」「食欲がわかない」などの症状を訴えて、その理由を探ろうとしたり、会社や学校をやめたほうがいいのかを尋ねたりという傾向があります。

さらに、「自分は新しい部署やクラスでやっていけないのではないか」「行ったらこの症状が悪化するのではないか」などと不安を抱く人も少なくありません。また、最近では、4月に環境が変わった人だけでなく、数カ月前や数年前に変わった人、あるいは、環境が変わっていないにもかかわらず連休をきっかけに五月病の症状が表れる人もいます。

五月病は医学的な病名ではなく、これらの症状を指す言葉ですが、これが長引くことで、うつ病や適応障害に進行してしまうケースもあるため、軽くみないほうがいいでしょう。すでに症状をはっきり感じている人は、心療内科や精神科を受診したほうがいいかもしれません。

私は医師ではありませんが、五月病の人々から相談を受け続けてきたコンサルタントとしての経験と、医療関係者への取材を通して得た知見を踏まえて、連休で五月病になりやすい人のパターンと、自ら行えるリカバリーの例をあげていきます。

五月病の症状が出やすい「6タイプ」

まずゴールデンウィークなどの長期連休をきっかけに、五月病の症状が出やすい人の例をあげていきましょう。

五月病の症状が出やすい傾向があるのは、主に「良くも悪くも目の前のことに向き合おうとする人」「新しい環境への期待や理想が高かった人」「何でも白黒をはっきりつけたがる人」「ネガティブなことだけ積み重ねていく人」「以前から過重労働などで心身の緊張が続いていた人」「人や場の雰囲気の変化に敏感な人」の6タイプ。実際、五月病の症状がある相談者さんは、このどれかに当てはまる人が多かったのです。

1つ目の「良くも悪くも目の前のことに向き合おうとする人」は、きまじめ、誠実、一生懸命などの長所と、融通が利かない、頑固、視野が狭いなどの短所が表裏一体のタイプ。目の前のことに集中して頑張ろうとする人や、目の前の人と向き合おうとする人は、それがうまくいかないときに、五月病や適応障害のような症状が出やすいものです。

2つ目の「新しい環境への期待や理想が高かった人」は、現実とのギャップに苦しみやすいところがあります。さらにそのギャップを埋めようとするほど緊張やストレスを感じやすくなるのがつらいところ。理想をいったん手放して現実を受け止められたら楽になれることはわかっていても、それがなかなかできずモヤモヤを募らせていきます。

3つ目の「何でも白黒をはっきりつけたがる人」は、成功か失敗か、勝ちか負けか、正解か間違いかなどをはっきりさせたいタイプ。しかも、失敗、負け、間違いなど“黒”のときだけでなく、“グレー”の状態でもストレスを感じる分、他の人よりも症状が出る可能性が高くなります。成功、勝ち、正解など“白”を得るまでの過程を楽しめず、せっかちなのも特徴の1つでしょう。