頑張ってるのに成果が出ない人はサ行が足りない

「頑張っているが成果が出ない人」の発言は、「ダ行」で始まることが多い!?(写真:USSIE/PIXTA)
「だけど」「でも」「ですが」「どうしても」といった言葉をつい使っていませんか?
AIを使い、会議を分析しました。すると、3年連続で目標を達成し続けて、かつ社内の営業成績が上位5%に入っている人「5%セールス」とそのほかの95%セールスでは、ポジティブ発言とネガティブ発言の比率にさほど変わりはありませんでした。ただ、「頑張っているが成果が出ない人」のよく使う言葉を調べてみると、「ダ行」で発言を始めることが多いことが分かったそうです。
3年半に及ぶ調査と行動実験から見えてきた、優秀な営業パーソンの「再現性の高い行動ルール」を紹介した越川慎司氏の著書『AI分析でわかった トップ5%セールスの習慣』を一部抜粋し再構成のうえ、5%セールスがやらない習慣についてお届けします。
■95%セールスは「ダ行」で会話を始める

最初から無駄だと思ってやっている人はいません。あとで振り返ってみて、やったことが無駄だったと気づくのです。

では、何が無駄だったのでしょうか。

2.1万人に実施した行動実験では、まずはじめに内省(リフレクション)をします。これまで実行してきたこと、そして成果につながったもの、つながらなかったものを仕分けしてもらうのです。良かれと思ってやっていたが、振り返ってみると成果から遠ざかる結果となっていた、95%セールスに「よくあるムダ」を紹介します。

「頑張っているが成果が出ない人」のよく使う言葉

私たちは5年以上にわたって、トップ5%セールスの言動を調査・分析しています。

5%セールスだけでなく、95%セールスもランダムに選出して調査を行うことで、5%セールスの特異性を明らかにしようとしています。

会議での発言は、AIを使って文字に変換することができます。さらにAIで単語を分析して、使用頻度が多い言葉やポジティブな発言が多いかどうかといったことを調査しました。

すると、5%セールスと95%セールスで、ポジティブ発言とネガティブ発言の比率はさほど変わりはありませんでした。ただ、「頑張っているが成果が出ない人」のよく使う言葉を調べてみると、「ダ行」で発言を始めることが多いことが分かりました。

「だけど」「でも」「ですが」「どうしても」といった言葉を使ってしまうのです。相手から提言されても「ですが」で返し、時間に遅れてくると「どうしても」と発言してしまう確率が、5%セールスよりも高かったのです。

95%セールスの調査で、顧客への謝罪訪問でも「ダ行」を使ってしまうセールスが多いことが分かりました。

システム障害や製品不具合で企業顧客に迷惑をかけた場合に、訪問して謝罪することがあります。私も前職マイクロソフトに所属した際に、最高品質責任者として500件以上の謝罪訪問を経験しました。確かに、謝罪訪問時に「ダ行」で話し始めるセールスは顧客対応が下手でした。

顧客が怒り心頭の際に、「ダ行」で話をすると相手の沸点が上がります。

とくに頭を下げることが目的であると勘違いしているセールスは、「だけど」「でも」「ですが」「どうしても」とダ行を使い、相手の感情を逆なでします。「だ」「で」「ど」などの濁音も、耳障りになるようです。

5%セールスは「サ行」で褒める

相手の状況を理解し、イカリ(怒り)をリカイ(理解)に変えることを目的に謝罪訪問する5%セールスは、言葉選びに慎重です。相手が気に障りそうなNGワードは使わず、言い訳に捉えられてしまう「ですが」「どうしても」といった言葉は使いません。