学びを「活かせる人」「そうでもない人」の大きな差

社会人にとっての究極のアウトプットは何でしょう。それは、「学んだスキルを実務で使うこと」です。実務で使うとなれば、インプットした学習を頭の中で自分の仕事に合うように変換して、なおかつ実際に使うという高度なアウトプットプロセスをたどることになります。結果的にそのプロセスを通じて学んだことが、あなたの血肉になっていくのです。もう少し具体的に、実務で使うイメージのままで説明してみましょう。頭の中でシミュレーションをしてみてください。

ビジネススクールで学ぶ最も基礎的な環境分析の手法に「3C分析」があります。

3CとはCustomer(市場や顧客)、Competitor(競合)、そしてCompany(自社)の頭文字です。

この3つの視点で分析をします。Customerは、どんな人が顧客なのか、顧客のニーズは何か。Competitorは競合他社の市場シェアはどうなっているのか、各社の強みや弱みは何か。Companyは社の強みや弱みは何か、強みを活かして競合に勝てるのか。

この3C分析を学んだら、自分の会社に当てはめて考え、そして、仲間と議論してみるのです。そうすることで、学んだことが徐々に実務に活かされている実感が湧くと思います。そこまでやれば、勉強が自分の仕事にひもづけられたことになります。

スキルは繰り返しで伸ばす

『読めば3年後の未来に先回りができる 入社1年目からの「働き方」』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「スキルは繰り返しでしか伸びない」ということも忘れてはいけません。

あなたがスポーツジムに通ったとします。1日目はマシンの使い方を学びます。ですが、マシンの使い方を覚えても筋肉はつきません。2日目、3日目には自分で使うことになりますが、それでもまだ筋肉はつきません。筋肉がつく人は、筋肉がつくまでマシンを使い続けた人です。繰り返し鍛えることで強くなるのです。ですから一度身につけたスキルも、本当に使いこなせるようになるまで繰り返し学ぶ必要があるのです。

実務においては、先輩や上司から適切なフィードバックをたくさん受けるように心がけてください。先輩や上司は、あなたの取り組む仕事を何百回、何千回、それ以上に繰り返し、スキルを磨き成果を上げてきた方々です。そのフィードバックをきっちりと受け取り、そしてそれを活用して、自ら工夫してビジネスの実務に向かい続けることが、スキルを身につけ実力を上げるためにはとても大切になります。