「本嫌いの子が読書に夢中」京大首席が教えるコツ

さらに音読の場合、読めなかったら読めないままにできず、調べたりしなければならない、というポイントもあると思います。

普通、本を読んでいても、読めない漢字や意味のわからない言葉などはスルーして読み進めてしまいがちです。「気が気ではない」という言葉がわからなくても、黙読の場合はそのまま読み進めてしまうのです。

でも、音読の場合、声に出して読まなければならない関係上、「気が気ではない、ってなんだ?どこで切るんだ?」と考えながら読む必要が出てきます。きちんと音読するためには、「どこで切るか」などの理解が必要なので、いちいち検索して勉強する習慣がつくわけです。

すぐ実践できる3つのSTEP

さて、ここまでで「何をすればいいのか」は大体わかってもらえたと思いますので、ここからは実践的なステージに行きたいと思います。

STEP1 まずは親御さんが簡単な本を読み聞かせる(小学校低学年以下)

最初は、親御さんが子供に簡単な本の音読をしてあげましょう。絵本で大丈夫です!

STEP2 親御さんが読んであげた本を渡し、子供が親に読み聞かせてみる(小学3~4年生程度)

次に、今まで読み聞かせていた本の中から、好きな本を子供に読み聞かせしてもらいましょう。親御さんは、それを聞いて、変なテンポになっているところなどを指摘してあげましょう。

ただ、アレンジに対して文句を言うのはNGです。お芝居のセリフっぽく登場人物のアテレコをする子などもいますが、そういうのは個性として褒めてあげるべきだと僕は感じます。

STEP3 お互いに好きな本を読み聞かせる(小学5年生以上)

慣れてきたら、お互いに好きな本を読み聞かせしましょう。親御さんは難しい本で大丈夫ですし、お子さんも今までの本ではないものにも挑戦してもらってもいいと思います。

ちなみにこの時、難しい言葉があってわからない、とお子さんから言われたら、ただ教えるのではなく、「自分で調べてみよう」とアドバイスしましょう。自分で調べる習慣がつくと、どんどん自分で本を読めるようになります。

そして、もう1つポイントとしておすすめなのは、「本の感想を言い合うこと」です。読み終わった本について、お互いがお互いで意見を言い合うのです。「マッチ売りの少女、かわいそう!」「でも、幸せだったと考えることもできるよね?」「でも~」なんて感じで、読んだ本についての忌憚のない意見をぶつけ合って、本に関するアウトプットをしましょう。

感想を言い合うことで、読書の楽しさを知る

結局、読書でいちばん楽しいのは感想を言い合うことです。ここで親御さんと一緒に本の感想を言い合えれば、子供はどんどん読書好きになっていくと思います。

いかがでしょうか? 親御さんの努力によって、お子さんの読解力は大きく上下します。

特に小学校~中学校の間に本を読む習慣がついていないと、高校生になってから苦労してしまう場合も多いです。ぜひ親御さんは参考にしてみていただければと思います。

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