"成功したい人"が「捨てるべき思考」はたった1つ

プロデューサーとしても名をはせるつんく♂さんが、バンドマン時代に売れるために捨てた考えとは(写真:eugenesergeev/PIXTA)
シャ乱Qとして「シングルベッド」「ズルい女」などのミリオンセラーを連発、「モーニング娘。」のプロデューサーとしても「LOVEマシーン」が176万枚以上のセールスを記録し、「歴代作曲家シングル総売上ランキング」(2020年オリコン調べ)でも歴代5位にランクインしているつんく♂氏。
 
「ハロー!プロジェクト」をはじめ数々のヒットやプロデュースの成功から「天才」と評されることもあるつんく♂氏だが、「僕は『天才』ではなく『凡人』。でも、『凡人』だからこそ『天才』を凌駕できる、そこに『人生の突破口』がある」という。
 
つんく♂氏が「自分の中に眠れる才能を見つけ、劇的に伸ばす方法」をまとめた新刊凡人が天才に勝つ方法が遂に発売された。
 
「国民的エンターテインメントプロデューサー」として今でも第一線で活躍するつんく♂氏が「成功したい人が『捨てるべき』たった1つの考え」について解説する。
 

大阪発「凡バンドマン」のデビュー作戦

こんにちは。つんく♂です。僕はこれまで、モーニング娘。をはじめとするヴォーカルユニットや数々のアーティストのプロデュースを務め、たくさんの作品を生み出してきました

喉の病気をしたので、いまでは歌えませんが、現在は日々の作品づくりと、次世代のスターやクリエイターの応援に注力しています。

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大阪でバンドを始めたアマチュア時代は、まだ学生でした。それから大阪で人気バンドになり、なんとかプロデビューできました。

今回は、そのとき僕らが、ただの地方バンドから、一歩抜け出して成功をつかむために実践したことについて、お話ししたいと思います。

アマチュア時代の僕らは、「自分たちはほかと違う、俺たちには才能がある」と思い込んでいました。

実際は、楽器やバンド練習もそこそこの、どこにでもいるような「凡バンドマン」だったんです。いま思えば、そんなヤツらが突然売れるわけがありません。

僕らがどんなにツッパっても、全国的に見ればファンも少ないし、技術もない。ライブハウスにも、テクニックあり系のバンドマンにも、見下されていました。

どうすれば、そんな状況を打破できるのか。僕らは考え抜いて、ある「ひとつの答え」にたどり着きました

大阪でのアマチュア時代に僕らが考え抜いてたどり着いた答えは、「バンド活動は結局、ビジネスだよね」ということ。

「僕らレベルのバンドでも、ファンがたくさんいて、ライブハウスの動員力があれば、誰も文句は言わんだろう!」と開き直ったんです。

「一発逆転を妄想する」のをやめた

そこからはとにかく「動員力を上げること」を最優先しようと決めました。

大阪のアマチュア界でいちばんの動員力を目指すこと」を目標にしました。そして「動員力が大阪でいちばんになるまで、コンテストやオーディションは受けないことにしよう」と決めたんです。

そうしないと、どこかで「一発逆転」を考えて努力しなくなるからです。「人気がなくても、コンテストで上位に入ってレコード会社から声がかかって即デビュー!」みたいな、甘いことを夢見てしまうからです。

そこで実行したのが、次のようなことです。

【どこにでもいるようなバンドがやった「売れるため」の努力】

①バンドの宣伝チラシを自分たちでデザインして配りまくる(いまで言う「SNSでの告知」