「65歳以降に家賃・ローンがかからない住居を確保する」ためのケース別の作戦

・作戦(3)住み替えるなら退職前後に

 今は親のために同居しているけど、親が亡くなったら引っ越したいという人もいるだろう。健全だ。ひとりなら、郊外の一戸建てより、交通の便の良いマンション住まいが安心だ。ただし、現役時代と退職後は、住まいに求める条件が変わってくる。慌てずに60歳を過ぎてから、ゆっくり物件探しを始めるといいだろう。売った値段より安い物件を買えば、差額は老後資金に充てられる。親に感謝しよう。

 次回は、持ち家組の考え方をお話しする。今は賃貸でも、これから家を買う予定のある人、親の家を相続する可能性がある人は必読。リバースモーゲージについても説明するので、「シングルだから家を買うのはもったいない」と考えている人には、ぜひ読んでほしい。

(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)

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●中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FPの会(現WAFP関東)の設立者のひとり、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。

主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『三日でわかる聖書』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。