世界的な異常気象、中国の気候改変プログラムが影響か…中国全土に豪雨災害、「気象兵器」レベル

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中国の三峡ダム(「gettyimages」より)

 世界規模で異常気象が発生している。北米地域の熱波襲来、欧州地域での壊滅的な洪水、さらには中国を襲った「1000年に1度の大雨」など枚挙のいとまがない。

 異常気象を引き起こしている共通の原因は偏西風の蛇行である。北米地域では偏西風が通常よりも極端に北上したことで南からの熱い空気が入り込んで異常な高温状態になり、欧州地域や中国では偏西風が南下したことで寒気がなだれ込み豪雨に見舞われた。偏西風とは、北半球の上空を西から東へ吹くジェット気流のことである。高気圧や低気圧の移動に大きな影響を与える偏西風が、このところ大きく蛇行するようになったのである。地球温暖化が原因との説があるが、そのメカニズムは不明である。

 筆者は気象学の専門家ではないが、気になることがある。それは中国が人工的に雨を降らせるなどの気候改変プログラムを大々的に実施していることである。中国では7月1日、北京の天安門広場で中国共産党100周年記念式典が開かれたが、事前の予報で「雨が降る」ことが指摘されたため、前夜と当日早朝に上空の積乱雲に向けて数百発以上の降雨ロケット弾を発射、早めに雨を降らせたとされている。2008年の北京五輪でも競技中の降雨を避けるために人工的に雨を降らせていた。

 人工降雨に用いられる技術は「クラウド・シーデイング(雲の種まき)」と呼ばれる。湿度の高い雲の中に氷と似た結晶構造のヨウ化銀などを航空機やロケット弾などで注入すると、水分がヨウ化銀などの粒の周りに集まり、重くなって雨として落下するという仕組みである。1946年に米国のゼネラル・エレクトリックの化学者によって発見された。クラウド・シーデイングに使用されるヨウ化銀は毒性を有するが、中国当局は「使用量はわずかであり人体に害はない」としている。

世界で群を抜く中国のクラウド・シーデイング研究

 気候改変の技術が一躍有名になったのはベトナム戦争のときである。米軍が北ベトナム軍の動きを封じるため戦場に人工的に雨を降らせる作戦を極秘に展開していたが、この作戦が1972年に米国のメデイアによって明らかにされたからである。これを契機に米国内外でその使用に対する懸念が高まったことから、1978年に「軍事的又はその他の敵対的な気候改変技術の使用禁止に関する国際条約」が締結・発効した。

 中国もこの条約を2005年に批准したが、1960年代から気候改変の技術の習得・改善に熱心に取り組んできたとされている。北西部の広大な乾燥地帯に気候改変の技術で雨を降らせ、耕作地を拡大させることが狙いだった。

 米国などでもクラウド・シーデイングの研究が継続されているが、中国の活動が群を抜いている。2012年から17年にかけて13億4000万ドル超の資金を投入した。中国政府は昨年12月、「2025年までに気象改変プログラムの対象地域をこれまでの5倍の550万平方キロメートル超に拡大する」方針を明らかにした。550万平方キロメートルという規模は中国の国土面積の5割以上であり、隣国インドの国土面積の1.5倍以上に相当する。

 中国で気候改変プログラムに従事するスタッフは約3万5000人と世界最大である(2020年12月14日付ビジネスインサイダー)。今年1月に大型の気象制御無人機の初飛行が成功したことで、有人飛行では不可能だった厳しい気象条件でも人工降雨剤の散布が可能になったといわれている。

 中国の前代未聞の動きについて懸念の声が上がり始めているが、中国政府は「天候に影響を与えるのは短時間で非常に限定的である。世界の気候に影響を与えるというのは誤解だ」と反論している。しかし中国側の言い分を鵜呑みにはできない。気象の世界では「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こす」とする「バタフライ効果」が指摘されている。