東大・京大など難関大学合格者数も一定…東京・都立高校、人気復調の理由と注意点

 また受験生に共通してアドバイスしたいことは、通っている中学校での定期テストや授業態度、提出物等で、音楽、美術、保健体育、技術・家庭の科目も手を抜かず、きちんと好成績を狙うこと。これらの科目は国数英社理に比べ、軽んじられがちですが、都立高校の一般入試では内申点が3割の比率、推薦入試では5割以内となっていて、中学校の定期テストなどによる内申点の配点も低くはありません。いくら受験本番で高い得点がとれても、中学校での内申点が低いと不合格になってしまうというケースもあります。なるべく高い内申点を獲得して、受験本番の足を引っ張らないようにするべきです。

 そして都立高校入試全体の傾向ですが、近年では従来の学力検査ではあまり見られなかった、傾向が異なる出題も見られるようになっています。具体的には、知識だけを問うのではなく、自分の頭で考え、考察するタイプの設問が登場するようになってきました。2021年度から全面実施になった中学校の学習指導要領に基づいた出題です。そのため基礎となる1、2年生時の学習内容を早めの時期に固めておいてください。特に進学指導重点校では、受動的ではなく能動的に学ぶことが求められるため、入試段階からより自分で考え、論理立てて説明する力を要求されます。クリティカルシンキングの習慣を身に着け、それを使いこなせるかどうかがカギになってくるでしょう」(同)

――緩やかに減少傾向にあるとはいえ、トップクラスの都立高校の人気や進学実績は確かなもの。難関大学を目指す生徒は都立高校進学も選択肢として検討してもいいだろう。

(取材・文=文月/A4studio、協力=池田亨/教育アナリスト)