共通テスト問題文量がセンター試験時の4倍に…大学入試、20年前と様変わりの実態

 そのため、大学側が受験性に求めるレベルは高くなっています。従来のAO入試や推薦入試では『受賞歴や資格の取得状況』、部活動などで培った『リーダーシップ』などをアピールして合格する生徒も少なくありませんでした。ですが、ベネッセの受験生に求める力に関する調査によれば、『受賞歴や資格の取得状況』が同調査で最下位となる13位、『リーダーシップ』が10位となっており、大学側がそこまで求めていないことがわかります。

 現在の総合型・学校推薦型選抜では、高校までの体験に加え、大学で深めたい学びや卒業後の社会との関わり合い方が問われるようになりました。たとえば、志望大学・学部に関する基礎知識がどれだけあるのか、学びたい学部の入門書は何を読んでいるのか、という踏み込んだ質問までされるぐらい、熱意だけではなく学部で学びたいという根拠が必要になってきているのです」(同)

 昔ならば「推薦・AOは邪道でセンター試験・一般入試が王道」という見方も強かったと思われるが、時代は変わりつつあるのかもしれない。

「これからの大学入試は、暗記のみならず、得た知識が日常でどのように使われるのか、そうした発想を持ちながら勉強しなければいけない時代に突入しています。いわゆる批判的・創造的思考をいかに説明できるかがカギとなっているんです。センター試験時代のセオリーが通じなくなっていますし、また覚えるべき内容も増えますから、日々の勉強でいかに早く文章を読めるか、それを論理的、創造的に解釈できるかが問われるようになってきています。

 総合型・学校推薦型選抜も高校時代の自分のアピールよりも、自分がなぜその学部を目指すのか、またそのためにどんな準備、勉強をしているのか、出願書や面接で説明することが大事。やはり志望学部に関連する入門書ぐらいは読んでおいて、臨むほうがいいでしょう」(同)

 親世代の頃の大学入試とはガラリと変わっており、現代の子の受験はもはや別ものと考えておくぐらいがちょうどいいのかもしれない。

(取材・文=文月/A4studio、協力=石渡嶺司/大学ジャーナリスト)