「悩みと真正面から向き合う」の罠…解決できないという事実を受け入れるのが重要

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『弱音をはく練習 悩みをため込まない生き方のすすめ』(沼田和也著、ベストセラーズ刊)

 人間関係や仕事などで疲れてしまったとき、その悩みを自分の中にため込んでしまうことはないだろうか。そういった悩みは親しい人にもなかなか言えないもの。だが、悩みをため込まないために、ときには人に弱音をはくことも必要だ。また、自分自身に意識が集中してばかりいても、考えは堂々巡りするばかり。そんなときはどうしたらいいのか。そこで、『弱音をはく練習 悩みをため込まない生き方のすすめ』(沼田和也著、ベストセラーズ刊)では、悩み事をため込まずに弱音をはく方法を紹介している。

悩んでしまったときは自分自身から視線を外す

 人間関係に悩み、疲れきってしまったときはどうすればいいのか。本書を見てみよう。悩んでいる人は、悩める自己へと集中している。この悩みをどうやって解決したらいいのか。また、解決できないとわかっている悩みなら、「解決できない」という事実をどうやって受け入れ、引き受けたらいいのか。悩んでいる人はそういうことを考え続け、考えが堂々巡りしている。

 不安定な自己は、何をやっても集中できず、喜びを感じない。そういうときは、自分自身に向けた視線を外して一呼吸置き、周りを見渡すきっかけ、気分転換ならぬ「視線転換」をすることが必要だ。

 本書の著者の沼田氏は牧師だ。悩みを抱えて教会にやってくる人は、人間関係に疲れきってしまった人も多いという。なので、沼田氏は相手にコーヒーかお茶をいれ、自分もそばに座ってぼんやりコーヒーをすする。

 悩みを抱える人は、ぐるぐる巡る自分自身から目をそらしたいもの。悩みと真正面から向き合うことだけが、おのれを内観する方法の全てではない。うまく話せない、話すことがないなら、ただ黙って教会のベンチに座り、ぼんやり正面の十字架を見つめていればいい。職場でも家でもない場所で、他人だが他人すぎない誰かと、ほんの少しのんびり立ち止まる時間も大切だ。

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 弱音をはくことは、実は難しい。どうしたら悩みをため込まずに、生きていけるのか。本書からそのヒントをもらってみてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。