ビエネッタの認知度4%に衝撃受けた森永乳業が捨て身のキャンペーン決行

「幅広い価格のものも発売されており、シーンや気分に合わせて購入するアイスを選択するようになってきています。ビエネッタは特に家族や友人で集まって食べるというシーンに選ばれる商品という価値を大事にしています。そのため価格に見合った価格に見合った満足感が提供できるように、素材や製法にはこだわりを持ち、お客さまに喜んでいただけるような商品をお届してまいります」(同)

「最需要期の冬に向けて、情報発信を強化していきたいと考えています」

 では、ユニークな今回のプロジェクトについて聞いていこう。Z世代の認知度が約4%、全世代でも12.7%という衝撃の結果をどのように受け止めたのか。

「若年層への認知率の低さは課題感として持っていましたが、全世代でも12.7%というのは想定を下回る結果であったと捉えております。10~20代の方は、家族と一緒にビエネッタを食べる機会があっても、自身で購入していないので記憶に残っていないこと、またサイズや価格など購入面でのハードルも高く、自分での購入するシーンが少ないことから、認知度が低くなってしまったと考えています。ただし、この結果を決して悲観的にとらえるのではなく、まだまだビエネッタブランドをより多くの方に知ってもらえるチャンスがあると捉えています」(同)

 認知度調査は厳しい結果だったが、40代以上の回答者からは「誕生日など、特別な日に家族で食べて幸せな気持ちになった」(48歳女性)、「幼少期に、なぜか風邪をひくと、両親が買ってきてくれて食べていたので、風邪をひくとちょっと嬉しかった思い出があります」(44歳女性)、「テストで良い点数をとった際に、母親から全部食べてよしと言われたことが嬉しい思い出だった」(46歳男性)、「ボーナス支給日に妻が買ってきて自宅で食べた」(56歳男性)といった心温まる思い出エピソードも寄せられた。

 単なるスイーツでなく「思い出に残る」という意味では、特別なポジションを築いているといえそうだ。

「今回の調査結果や直近でのSNSでの反応をみて、お客様のビエネッタへの熱量の高さを改めて実感しました。これを踏まえて、ビエネッタの最需要期の冬に向けて、情報発信を強化していきたいと考えています。とくに今までアプローチできていなかったZ世代に向けての情報発信や商品を食べるきっかけづくりを進めております。今回の反響をうけて、SNSでの追加施策も検討しています。また、今回お客様からいただいた多くのご意見をもとに、今後の商品展開なども検討を開始しておりますので、ご期待いただければと思います」