ITエンジニア、年収400万円の人と年収800万円の人の違いを生む要因

※ブログ「Publickey」の23年7月18日付記事『IT系上場企業の平均年収を業種別にみてみた 2023年版[前編] ~ ネットベンチャー、ゲーム、メディア系』『IT系上場企業の平均年収を業種別にみてみた 2023年版[後編] ~ パッケージソフトウェア系、SI/システム開発系、クラウド/キャリア系企業』より

年収をアップさせる方法

 ITエンジニアが年収をアップさせるには、どうすればよいのか。

「中小企業に勤務するエンジニアであれば、年収を上げるためには大企業に転職したりスキルアップする必要があるため、業務時間外にも継続的に勉強を行うことです。そして単に勉強するだけではなく、資格を取得したりハッカソンに参加したりして、自分の知識やスキルを目に見えるかたちで客観的に証明することが重要です」(田中氏)

 ITエンジニアのなかで、年収が高めの職種というのはあるのか。

「高めの領域としては、現在でいうとAI、データサイエンス、クラウド、セキュリティなどがあげられます。AI・データサイエンスのエンジニアとして転職する場合は、本格的にプログラミングができてデータ分析もできるといったレベルが求められます。また、大学レベルの数学の知識を求められることもあり、そうなると理系の学位が必要となってきます。クラウドは、たとえばAmazon Web Services(AWS)は無料で教材が公開されており各種資格試験もネットで受けられるため、手っ取り早く学ぶことができます。現在はニーズも高いので年収を上げるという面では、AWSの資格取得を目指すという方法は効率が良いといえるかもしれません」(田中氏)

 このほか、年収を左右する要因としては企業のIT投資意欲もあげられるという。

「企業などのIT投資意欲が盛んであれば自ずとエンジニアの給料は上がるので、景気や企業動向で変化してくる面もあります。IT業界では『2025年の崖』といわれていますが、日本では2000年にIT化の波に押されて多くのシステムがつくられ、2025年に向けてそれらが一斉に老朽化に伴いリニューアルを行う必要に迫られます。加えてDX化の波は今後も続くと予想され、エンジニアの給料が高めで推移する可能性はあるかもしれません」(田中氏)

(文=Business Journal編集部、協力=田中健太/データアナリスト、鶴見教育工学研究所)