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誇り高き純血一族の末裔、ロメオ・ドラキュロル伯爵。
毎年華やかな誕生日パーティを開き、気ままに血を吸って暮らしていた──はずだった。
だがある日突然、人間アレルギーを発症!?
血を吸おうとすればくしゃみ、飲めば喉がかゆい。
誇りはズタズタ、永遠の命は餓死の危機にさらされる。
そんな伯爵のもとに現れたのは、かつての因縁相手にして “半端者” の吸血鬼、アルバート・バラバリー卿。
冷静沈着な皮肉屋は、伯爵の秘密をあっさり見抜き、囁く。
──「命が惜しいなら、私の血を飲むしかないでしょう」
「お前の血など、欲しくはない!!」
そう叫ぶ伯爵だが、命には代えられず……。
プライドと飢餓の狭間で揺れる、純血伯爵の運命は──。
文字数 55,585
最終更新日 2025.11.22
登録日 2025.10.03
俺、田中善人の前に現れたのは、フランスからやってきた留学生──シャルロット・S・ベラミー。
絵画から抜け出してきたような姿に、クラスが浮ついた。
なのに、彼が流暢なフランス語で話しかけた相手は、クラスでも孤立気味の“大柄な熊”こと東雲梓真。
初対面とは思えない距離感で近づくシャルロットと、あからさまに面倒そうに返す東雲。
同じクラスで過ごすうち、二人の間には何か過去があるのでは……と俺は感じ始める。
笑顔の裏に隠された来日の理由。
触れられたくない東雲の過去。
そして、たった一つの旋律が二人を再び引き寄せていく──。
文字数 83,444
最終更新日 2025.08.29
登録日 2025.08.10
商店街でくじ引きで、特賞として当たったのは——
まさかの「人魚」だった。
ぬいぐるみのように小さくて、言葉も話せない。
ただ「キュ」と鳴くだけの、人魚。
名前は「ラブー」。
癒しの歌も歌えない、ちょっと不思議な“落ちこぼれ”。
最初は戸惑いばかりだったけど、
ふよふよと泳ぐ姿に、少しずつ心がほどけていく——。
孤高で美しい存在だと言われる“人魚”の中で、
ただ人間に興味を持って、ただ「カジュ」とだけ鳴けるラブー。
これは、人魚を飼うことになった疲れた大人の和樹と、
不器用に寄り添ってくる小さな命との、少し変わった同居のはじまり。
「可愛いな」——その言葉が、すべての始まりだった。
文字数 15,108
最終更新日 2025.07.20
登録日 2025.06.29
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