「今日が楽しみで、早く起きすぎてしまって」
その一言が、耳に残った。
白石澪、二十四歳。
静かな本屋と、落ち着くカフェ。ちゃんと整えた生活。ひとりでも平気だった。
会社の先輩は、不器用で、少し変わっていて、でもちゃんと向き合おうとする人だった。
「また行きましょう」
何気ない言葉を、帰り道で思い出す。
気づけば、コーヒーを選ぶ時間が長くなった。
会えない日が、少し長い。
静かだった毎日が、少しずつ変わっていく。
告白は、まだ早い。
文字数 27,251
最終更新日 2026.05.23
登録日 2026.05.15