静かな恋愛 小説一覧

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「帰ってきてくださいね」と言えなかった受付嬢が、五年越しに泣くまでの話

 王都の冒険者ギルドで働く受付嬢リズは、いつも泥だらけのブーツで帰ってくる冒険者カイルが少し苦手だった。  北の凍土帰り特有の灰色の泥。  無愛想なくせに、怪我ばかり増やして戻ってくる男。 「汚れるんですけど」 「貸しにしてくれ」  そんな他愛ないやり取りを繰り返すうち、リズの日常にはいつの間にか彼がいた。    だが、大規模討伐の遠征後、カイルは行方不明になる。  泣けなかった。  だって、またふらりと帰ってくる気がしていたから。  ――五年後。  雪解けの崖から見つかったのは、泥のこびりついた片方のブーツだけだった。  これは、長い間泣けなかった受付嬢が、ようやくひとつの恋を失うまでの話。
恋愛 完結 短編 R15
感想数 0 文字数 2,249 最終更新日 2026.06.02 登録日 2026.06.02
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告白はしない、まだ早い  ~ノートにそう書いた人が、震える声で誘ってきた~

告白はしない、まだ早い  ~ノートにそう書いた人が、震える声で誘ってきた~
「今日が楽しみで、早く起きすぎてしまって」 その一言が、耳に残った。 偶然見てしまったノートに、細かい字でびっしりと書いてあった。 今日の話題。歩く速度。失敗しないために。嫌われないために。 そして最後の一行。  ※告白はしない(まだ早い) ちゃんと向き合おうとする人だった。 不器用で、準備しすぎて、それでも震える声で誘ってきた人だった。 白石澪、二十四歳。 静かな毎日が、少しずつ変わっていく。 気づけば、コーヒーを選ぶ時間が長くなっていた。 告白は、まだ早い。 ——でも、その言葉が、頭から離れない。
恋愛 連載中 長編
感想数 0 文字数 36,611 最終更新日 2026.05.25 登録日 2026.05.15
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『青になる夜』

『青になる夜』
手が,透明になった朝があった。 メガバンクの法人営業職,27歳。 数字も評価も,悪くなかった。 「女性活躍推進」のモデルケースとして,期待されていた。 それなのに,得意先への訪問準備をしながら,名刺を持つ自分の手が,そこにない気がした。 辞めると言ったとき,上司は「もったいない」と言った。 先輩女性社員は「あなたが辞めたら,後輩が困る」と言った。 誰も,わたしのことを,聞かなかった。 向かった先は,川沿いの藍染工房だった。 言葉より手が雄弁な68歳の師匠。 7年で指先まで青く染まった,距離の縮まらない先輩職人。 核心を無自覚に突く,19歳の農家の青年。 今もメガバンクにいる,東京の友人。 藍は,急かさない。 甕は,答えを出さない。 発酵は,見ていない夜にも,続いている。 浸して,酸化して,洗い流して,また浸す。 何度繰り返しても,色が定まるまでの時間は,省けない。 停滞は,敗北ではない。 前進も,義務ではない。 変化を望みながら変化できない身体が,それでも藍の匂いの中で,今夜も息をしている。 痛みを知る人が,明日を急がずにいられる物語。
ライト文芸 連載中 長編
感想数 0 文字数 48,853 最終更新日 2026.05.11 登録日 2026.04.12
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王子の影武者と婚約した令嬢、“フラれた女”として王都で噂されているけど気にしません!

王子の影武者と婚約した令嬢、“フラれた女”として王都で噂されているけど気にしません!
王子と見紛う青年の正体は、極秘に育てられた影武者だった。 任務、それは王子として振る舞い、誰にも正体を悟られないこと。 だが彼の前に現れたのは、王子が婚約者にと選ぶことになる、宰相の令嬢。 (惹かれてはいけないのに、惹かれる) 気持ちを抑えてクールに振る舞う彼に、彼女はこう言った。 「殿下が、殿下ではない……そんな気がしたのです」 聡くて大胆な彼女と、正体を隠す影武者。 これは、海辺の別荘でふたりが静かに幸せを育むまでのヒミツのお話。
恋愛 完結 短編
感想数 0 文字数 5,974 最終更新日 2025.11.27 登録日 2025.11.27
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ロミオもジュリエットも一人が好き

ロミオもジュリエットも一人が好き
顔合わせの日、ロミオとジュリエットは宣言した。 「結婚します。そして――別々に暮らします。」 愛しているのに、一緒にいると息苦しい。 静けさと自分の時間を大切にするふたり。 (ジュリエットはHSP、ロミオはHSS型HSP) 親たちは反対し、「同居お試し作戦」を強行。 理想の“新婚生活”を体験した結果、ふたりが出した答えは――。 恋愛のかたちはひとつじゃない。 「離れてるのに、いちばん近い」 現代のロミオとジュリエットの物語。
ライト文芸 完結 短編
感想数 0 文字数 5,415 最終更新日 2025.10.23 登録日 2025.10.23
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竜の空に抱かれて

世界は、ゆっくりと滅びつつあった。 瘴気に侵された大地で生きる術は、ただひとつ……人が、竜になること。 王女エリシアは、民を救うため、竜と交渉する使命を負い、彼らの住む森へと向かう。 ぶっきらぼうな竜ヒュードと出会い、日々交流を重ねていくなか、 彼の不器用な優しさにふれ、エリシアの心にも少しずつ変化が訪れていく……。 滅びゆく世界の、竜×王女の物語。
恋愛 完結 短編
文字数 3,824 最終更新日 2025.08.09 登録日 2025.08.09
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