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辺境伯の娘、ヴァルカ。
魔獣を狩り、肉を食べ、寒ければ毛皮を着る。
辺境では当たり前だった生活を、彼女は何ひとつ疑っていない。
そして王都に来て三日目。
父親の名代で夜会(肉祭り)に主席。
「姫。くれぐれも、獣を夜会に連れて入らないでください」
「わかっている。セイラは獣ではなく護衛だ」
白虎を連れ、戦士にしか見えない侍女と大斧を背負った従僕を従えて、初めての夜会へ。
ズボン姿で肉を頬張り、王都の令嬢に「野蛮」と言われても、本人はどこ吹く風。
しかも、夜会の礼として渡した「そこいらで獲れるもの」が、王都では伝説級の宝だった――。
「……辺境伯家は、一体何を考えているんだ」
何も考えていない。
少なくとも、本人はそう思っている。
辺境の常識は、王都では非常識。
本人だけは、最後まで気づかない。
これは、そんな辺境伯令嬢が王都の常識を次々と塗り替えていく物語。
文字数 11,652
最終更新日 2026.09.04
登録日 2026.08.25
「お父さん、浮気しているよ」
娘から突然そう告げられた。
優しい夫だった。
だから、誰にでも優しかった。
夫の裏切りを知った私は、証拠を集め、静かに家を出ることを決める。
けれど――娘は、なぜか笑っていた。
これは、夫の浮気から始まった、私と娘の物語。
※かなり黒いので要注意です
文字数 1,959
最終更新日 2026.09.01
登録日 2026.09.01
「それ、佐藤さんの仕事でしょ?」
そう言われ続けてきた、ただのOL。
今日も雑用をこなし、帰宅して、一人反省会。
そんな私のもとに届いていたのは、取引先やライバル会社からの転職の誘いだった。
――もしかして私、思っていたより価値がある?
文字数 1,411
最終更新日 2026.08.31
登録日 2026.08.31
婚約破棄を告げられた伯爵令嬢エレノア。
けれど彼女は、相手の顔を見ても首をかしげるだけだった。
「失礼ですが……どちら様でしょう?」
重度の近眼ゆえに、婚約者の顔すら判別できなかったのである。
社交より研究が大好きな彼女は、婚約解消をあっさり受け入れ、魔導工学の研究へ没頭する日々を送ることに。そんなある日、王立図書館で出会った謎の青年リヒトの何気ない一言から、世界を変える大発明への道が開かれていく。
やがて誕生するのは、人々の人生を一変させる「魔導レンズ」。
見た目や噂だけで彼女を切り捨てた者たちが後悔する頃、エレノアの隣には、最初から彼女の価値を見抜いていた人物がいた――。
天然研究者令嬢が恋も夢もつかみ取る、ほのぼのラブコメファンタジーです。
文字数 13,022
最終更新日 2026.08.29
登録日 2026.06.24
人と話すことが苦手なヒルデは、父から受け継いだ店を潰してしまった。
誰にも相談できないまま、土地も店も失い、逃げるように身を寄せたのは町外れの修道院。
そこでも人付き合いが苦手な彼女は、納屋掃除や家畜の世話を任される。
けれど、ヒルデには一つだけ、人より少し得意なことがあった。
――人の話を聞くこと。
懺悔室で黙って人々の話を聞き、写本を続けるうち、司祭から子供向けの聖典を書いてほしいと頼まれる。
そこで彼女が書いたのは、歌えない鳥、売れないパン屋、失敗ばかりの魔法使い。
どれも、特別ではない者たちの物語だった。
そしていつしか、彼女の物語は人々の心を救い始める。
人と話せなかった女性が見つけた、自分だけの「誰かを救う方法」。
これは、そんな彼女が「無口な聖女」と呼ばれるまでの小さな物語。
文字数 2,767
最終更新日 2026.08.13
登録日 2026.08.13
「仕事が遅い」「のろま」「要領が悪い」
そう言われ続け、部署をたらい回しにされた男爵令嬢リア。
最後に送られたのは、王立文書院の窓際部署だった。
与えられた仕事は、古文書や設計図の複写。
一枚に三日。
けれどリアが写したものには、一つの間違いもなかった。
そんなある日、失われた古代文明の魔法陣を複写したリア。
最後の線を描いた瞬間――
動くはずのないアーティファクトが起動した。
「君は遅いんじゃない。正確すぎるんだ」
そう告げたのは、古代文明を研究する第三王子エリック。
失われた冷暖房、冷蔵庫、照明――古代の技術が、リアの手で次々と蘇っていく。
そして彼女が願ったのは、自分と同じ「のろま」と呼ばれている人たちを集めること。
これは、のろまと笑われた令嬢が、誰よりも正確な才能で王国を変えていく物語。
文字数 3,586
最終更新日 2026.08.11
登録日 2026.08.11
夜会の楽しみ方は、人それぞれ。
私は豪華な料理を片手に、バルコニーの下へ潜り込みます。
なぜなら、そこは婚約破棄や貴族同士の修羅場が一番よく聞こえる、私だけの特等席だから!
「来たっ。本日のメインディッシュ!」
ローストビーフを頬張りながら婚約破棄劇を観賞していたら、隣にはなぜか同じ趣味を持つ隣国の総司令官が!?
「その王子、期待を裏切りませんね」
「……常連なんですか?」
夜会をサボる聞き耳令嬢と、戦場より修羅場観賞が好き(?)な総司令官。
婚約破棄、ざまぁ、恋愛騒動、貴族の秘密――今日も二人は料理片手に最高の特等席へ。
これは、社交界の表では決して語られない「バルコニー下の観客席」から始まる、恋とゴシップと飯テロのラブコメディです。
文字数 1,637
最終更新日 2026.08.07
登録日 2026.08.07
愛する人を失った二人が、政略結婚から始めた夫婦生活。
「無理に私を愛さなくていい」
そう言った侯爵は、妻の連れ子を我が子として育てた。
夫婦として過ごした十五年。
いつしか、かけがえのない存在になっていたことに、二人は気付いていなかった。
――失いかけた時、初めて分かる。
この人がいない人生など、考えられない。
これは、時間をかけて育った夫婦の愛の物語。
文字数 2,610
最終更新日 2026.08.02
登録日 2026.08.02
婚約破棄の夜会。
「私は婚約者ではなくなっても、応援している。友よ」
シンシア・アークエット子爵令嬢は、男気溢れる熱血漢。
婚約者である侯爵令息バグストンを本気で励ましていました。
「過ちは誰にでもある! 一緒に国庫へ行こう!」
「君の隠し子も、私が育てる覚悟だ!」
――本人は善意100%。
しかし、そのド直球すぎる本音は、婚約者が隠していた脱税や不貞疑惑まで次々と暴き、夜会は大混乱!
「婚約は破棄だ!」
結局、婚約は予定どおり破棄されてしまう。
けれど、王都で本当に失ったのはシンシアではなく、婚約者の信用でした。
これは、空気を読まず、嘘もつけず、悪人まで全力で励ましてしまう天然熱血令嬢が、持ち前の正義感で悪事を次々と暴いてしまう、勘違いコメディです。
文字数 1,326
最終更新日 2026.08.02
登録日 2026.08.02
王都の冒険者ギルドで働く受付嬢リズは、いつも泥だらけのブーツで帰ってくる冒険者カイルが少し苦手だった。
北の凍土帰り特有の灰色の泥。
無愛想なくせに、怪我ばかり増やして戻ってくる男。
「汚れるんですけど」
「貸しにしてくれ」
そんな他愛ないやり取りを繰り返すうち、リズの日常にはいつの間にか彼がいた。
だが、大規模討伐の遠征後、カイルは行方不明になる。
泣けなかった。
だって、またふらりと帰ってくる気がしていたから。
――五年後。
雪解けの崖から見つかったのは、泥のこびりついた片方のブーツだけだった。
これは、長い間泣けなかった受付嬢が、ようやくひとつの恋を失うまでの話。
文字数 2,249
最終更新日 2026.06.02
登録日 2026.06.02
若くして未亡人となった公爵夫人リラには、誰にも知られてはいけない秘密がある。
それは、“本音しか書かない黒手帳”。
『夜会は嫌い。全員うっすら目が死んでる』
『優しい男ほど信用ならない』
『第二王子殿下は大型犬みたい』
そんな危険すぎる手帳を、ある日うっかり紛失。
しかも拾った相手は、書かれていた本人――第二王子ヘンリーだった。
「返していただけます?」
「嫌だ」
黒歴史を握られた未亡人公爵夫人と、彼女の“本音”に妙に執着する年下王子。
これは、建前ばかりの社交界で、本音を拾ってしまった二人の話。
文字数 2,130
最終更新日 2026.05.30
登録日 2026.05.30
王都のパン屋〈麦の鈴〉には、毎朝ちょっと変な常連客が来る。
パンを一個買うだけなのに、やたら礼儀正しい。
しかも本人は平民のふりをしているつもりらしいのだが、どう見ても隠しきれていない。
そんな謎の男に、パン屋の娘リナも父親も半分呆れ、半分気になっていた。
不器用すぎる最強騎士と、町娘のゆるい身分差ラブコメ短編。
文字数 2,636
最終更新日 2026.05.29
登録日 2026.05.29
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