焰

焰-En。 社会人7年目。 短編小説から中編小説。
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歴史・時代 完結 短編
時は江戸中期、最も華やかだった頃の吉原。 男たちの欲望と夢が交錯し、女たちは笑顔でそれを受け止める。 そのなかで、『笑い花魁』として人気を集める花魁・お春は、どんな客にも機嫌よく、誰にでも愛嬌を振りまき、吉原の花のような存在として咲いていた。 だがその笑顔の裏には、 決して癒えることのない過去と、心にぽっかり空いた空洞があった。 ある日、見習いとして入ってきた少女・ちよとの出会いが、お春の心に変化をもたらす。 ちよの笑顔に自分の過去を重ね、彼女を守ろうとするお春。 一方、常連客の清太郎や新造の梅吉も、それぞれの事情を隠して吉原を訪れていた。 笑いの中にこぼれる涙。 派手な着物の下に隠された傷。 咲き誇った花も、いつかは散る。 それでも、人は人に、情を通わせ、人生を咲かせるのだ。 やがて火事、別れ、身請け、再会……と、笑っていられない現実が訪れる中、 お春は「笑って見送るのが、粋ってもんさ」と最後まで花魁であろうとする。 これは、笑って、笑って、それでも涙が止まらない―― 咲くために生きた女たちの、粋で切ない人情噺である。
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文字数 9,660 最終更新日 2025.05.16 登録日 2025.05.16
戦乱の火が日本を包む戦国の末期。 若き武将・真田柊馬は、織田の命により戦の最前線を駆けていた。 ある日、負傷した兵を救うために立ち寄った城下町で、一人の町娘・椿と出会う。 彼女は市井の茶店で働きながらも、人を寄せ付けぬ静けさと、鋭い観察眼を持っていた。 やがて二人の間に芽生える想い。けれど椿には、人には言えぬ過去と使命があった。 椿はかつて、敵国に育てられた間者――敵将の命を受け、真田家に近づいていたのだ。 真実を知った柊馬は、武将としての誇りと、男としての愛との間で揺れる。 椿は彼に手をかけるべきか、それともこの想いに従うべきか――。 互いを想うほどに、戦は激しさを増し、宿命の刃はふたりに迫る。 それでもなお、椿は信じた。 「あなたのそばに咲く椿でありたい」と。 戦の果てに残るのは、勝利か、それとも――愛か。
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文字数 15,879 最終更新日 2025.05.15 登録日 2025.05.15
都に渦巻く闇は、人か妖か、あるいはその狭間か― 平安の世。華やかな貴族文化の影で、 人知れず“怪異”が蠢いていた。 ある夜、帝の元に届けられたのは、正体不明の怪死事件の報。 五日間で三人の貴族の子が消え、屋敷には血文字と不気味な足跡だけが残されていた。 呼び出されたのは、 若き陰陽師・綾塚烈正。 かつて“鬼子”と呼ばれた異能の家系に生まれながら、その才を怖れられ、表舞台から遠ざけられていた。 帝は彼に密命を下す― 「この都に蠢く“もののけ”を討て。正体を暴き、真を記せ」。 烈正は、護衛として付き従う女性・那智と共に、都とその周辺で起きる怪異事件に挑んでいく。 “赤衣の童子”、“髪を食らう女”、“鳴かぬ鶯”、“血涙の巫女”、“鬼の花嫁”―― 一見無関係に見えた怪異たちは、やがて一つの真実へと収束しはじめる。 陰陽とは何か。人と妖の境界とは何か。 帝の密命の裏に潜む“真の意図”とは―― それは、ただの怪異譚ではない。 記すべきは、平安という時代に封じられた「真実」そのもの。
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文字数 8,243 最終更新日 2025.05.15 登録日 2025.05.15
昭和十九年。鹿児島県・知覧。 特攻隊として出撃を待つ青年・藤堂聡と、家業の呉服商を継ぐ女性・岸本綾。 わずかな逢瀬の中で芽生える恋。 しかし、戦争という避けがたい現実が、二人の未来を引き裂いていく。 やがて聡は出撃の日を迎える。 絶望の果て、綾が見出す“生”の意味とは―― これは、命と愛が交錯する時代に、一輪の花のように咲いた恋の記録。
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文字数 4,656 最終更新日 2025.05.09 登録日 2025.05.09
凶悪殺人と猟奇殺人のみを扱う、国家公安直属の特別犯罪対策班「第八班」。 八人の隊員全員が、過去に類似事件で大切なものを失い、それぞれの“トラウマ”を抱えながら日々凶悪犯と向き合っている。 ある日、連続猟奇殺人事件が発生。手口は、八人のうち一人の過去の事件と酷似していた。 捜査が進むにつれ、次々と浮かび上がる各隊員の過去。そして、それをなぞるかのように続いていく犯行。 犯人はなぜ彼らの過去を知っているのか? そして、捜査の最中、少しずつ芽生えていく想い。 銃の扱いに長けた行動派の女性隊員と、無表情を装う冷静沈着な男性隊員―― 交差するのは、罪か、絆か、それとも――。
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小説 201,699 位 / 201,699件 ミステリー 4,618 位 / 4,618件
文字数 1,489 最終更新日 2025.05.09 登録日 2025.05.09
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