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瀬名の父が経営する町工場は、大手取引先である棚倉家の会社に長年技術面で支えられてきた。
その取引関係を維持するため、棚倉家の次期社長・棚倉と瀬名の「結婚」が両家の間でまとまってしまう。
本人たちの意思とは関係なく決まった話だったが、実は二人は7年前、瀬名が新入社員として
棚倉の部署に配属されていた時期に一度だけ一緒に働いたことがあった。当時はただの先輩後輩
だったはずなのに、棚倉は瀬名のことをずっと覚えていて、結婚が決まったと知った時、内心
かなり動揺していた。会社の事情と本人の気持ちがずれたまま始まった結婚生活の中で、
二人はゆっくりと距離を縮めていく。
文字数 10,356
最終更新日 2026.08.29
登録日 2026.08.27
高校卒業と同時にバラバラになった幼なじみ五人組。彼らが子供の頃入り浸っていた裏山には、
季節を無視して一年中花が咲く「時渡りの丘」があった。社会人になった主人公の前に、
五年前に消息を絶った紅葉(もみじ)が、あの頃のまま丘に立っている。記憶は曖昧で、
自分がなぜここにいるかもわからない。彼女の記憶は、疎遠になった仲間一人ひとりの中に
散らばっているらしい――丘の花が一輪、また一輪と静かに開くたびに、消えていく彼女の
時間が動き出す。
文字数 67,624
最終更新日 2026.08.28
登録日 2026.07.24
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