東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2025

新外国人の奮闘、山田哲人の復調――
「開幕3連敗から粘り強く戦えている」

「チームスワローズ」で泥臭く戦っていく

――さらに、5日の中日戦ではランバート投手が初登板初先発初勝利と結果を残しました。着々と先発投手陣の厚みが増しているように思います。

髙津 ランバートは6回を無失点に抑える上々のスタートを切りました。期待通りのピッチングを見せてくれたので、今後にも期待したいですね。まだ開幕したばかりで何とも言えないけれど、現在までのところはランバートだけでなく投手陣がよく頑張ってくれていると思います。まだまだペナントレースは長いので、慎重に調子を見極めながら、起用を続けていくつもりです。

――開幕時点では山田哲人、村上宗隆両選手に加え、塩見泰隆選手も欠く状態でのスタートとなりました。幸いにも山田選手は戦列復帰を果たしていますが、当初の計画とは異なる打線を組むことになったことと思います。

髙津 さすがに痛いですよ。何しろキャプテンと副キャプテンがいないわけですから。塩見も今年は一緒に野球ができる!と楽しみにしていたので非常に残念です。打線の軸となる3人がいないということは、なかなか長打が出ない打線となるので、みんなで繋いでいくしかない。なかなか連打、連打というのも厳しいので、非常に点を取るのは難しい状況でした。さらに、この3人がこれまでチームを引っ張ってきたのも間違いないわけですから。戦い方が明らかに変わってくるので、何がベストな布陣なのかをずっと模索していました。その中で赤羽由紘は本当によく頑張っていると思います。

――今年キャンプ、オープン戦を通じて手応えを感じている選手、「伸びてきたな」という選手は誰ですか?

髙津 そうですねぇ、難しいな。「少しずつ野球を理解してきたな」と思える選手は何人かいますかね。自分の立ち位置や、チームの中で自分がなすべき役割を理解してきた選手は何人かいますね。具体的にはまさに赤羽もそうだし、(長岡)秀樹は明らかに成長していますね。その点については手応えのようなものは感じています。

――監督がいつも言っているように、「チームスワローズ」で、足りない戦力を補いながら、みんなで力を合わせて戦っていくこととなります。最後にこの連載の読者、ファンの方に向けてメッセージをお願いします。

髙津 まだまだシーズンは始まったばかりですけれど、これからも必死に1点を奪いにいく、1点を守り抜く野球を続けていき、何とか上位に食らいつきながら戦っていこうと考えています。神宮球場でのファンのみなさんからの「声燕」は本当に大きな力となります。ぜひ引き続き、「応燕」をよろしくお願いします!

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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