『アンカー』3アップ。
そして、また夜がやってくる。
布団を一組だけ敷いて、広子はぼんやり立ち竦んだ。
夫は三日続きの出張に出ている。連絡先もきちんとカレンダーに書かれている。そ...
布団を一組だけ敷いて、広子はぼんやり立ち竦んだ。
夫は三日続きの出張に出ている。連絡先もきちんとカレンダーに書かれている。そ...
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登録日 2017.05.18 08:39
『ラズーン』第一部 16.鳥たちの森(9)(個...
ライノは手近の蔓を手に取り、たぐり寄せるように飛び上がった。白い薄衣が翻って視界を上昇したかと思うと、すぐにレスファートの鳥籠がするする降りて地面に着く。
「...
「...
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登録日 2017.05.17 22:25
『密約』14アップ。
「おい、近江、大丈夫か、おい!」
ゆさゆさと激しく揺さぶられて目が覚めた。
「ああ、大丈夫だ」
しわがれた村西の声に目を開いてぎょっとする。辺りが真っ暗だ。...
ゆさゆさと激しく揺さぶられて目が覚めた。
「ああ、大丈夫だ」
しわがれた村西の声に目を開いてぎょっとする。辺りが真っ暗だ。...
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登録日 2017.05.17 08:22
『アンカー』2アップ。
「では、どうぞ」
玄関に近い小部屋で、広子と向かい合った松井が促した。
「そうね。ええ、まあ、夢を見るのよ」
小部屋に人が隠れる余地はなく、何も怪しげなもの...
玄関に近い小部屋で、広子と向かい合った松井が促した。
「そうね。ええ、まあ、夢を見るのよ」
小部屋に人が隠れる余地はなく、何も怪しげなもの...
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登録日 2017.05.17 08:21
『アンカー』1アップ(連載開始)
ベルを鳴らしてしばらくすると、深緑のドアがそっと開いた。
小さく丸い輪郭の中、ふわりと開いたどこか眠たげな穏やかな両眼が、広子を認めてほほ笑む。
「松井さん...
小さく丸い輪郭の中、ふわりと開いたどこか眠たげな穏やかな両眼が、広子を認めてほほ笑む。
「松井さん...
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登録日 2017.05.16 10:07
『ハートレイト』17(最終話)アップ。
北野は相手を見た。大原は心なしか、不安そうに頼りなさそうに見えた。
「どうして?」
「…もし、私の言ったことが気になったのなら謝ります。さっきの話と食い違うか...
「どうして?」
「…もし、私の言ったことが気になったのなら謝ります。さっきの話と食い違うか...
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登録日 2017.05.16 10:01
『密約』13アップ。
昼時の食堂はいやというほど混み合っていた。
温かな濃いみそ汁の匂い、炊き上がったご飯や幾種類ものおかずの香りは、人間にとっては幸福の象徴かもしれない。
け...
温かな濃いみそ汁の匂い、炊き上がったご飯や幾種類ものおかずの香りは、人間にとっては幸福の象徴かもしれない。
け...
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登録日 2017.05.16 09:59
『ラズーン』第一部 16.鳥たちの森(8)(個...
「ライノ……ボクには仲間がいる」
考え考え、ユーノは提案した。
「その仲間が鍵の在処を知っているかもしれない。彼に鍵を見つけてきてもらおう。ただ、レスはもうへ...
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登録日 2017.05.16 09:58
『密約』12アップ。
大学に入ってまずは部室を、続いて、秋野さんの取りそうな講義のある校舎を見て回っていると、運悪く、この間から俺を追い回している新入生の一団に捕まった。
「近江さ...
「近江さ...
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登録日 2017.05.15 19:00
『ハートレイト』16アップ。
「…看護師、ですか…」
「……大原さん、私が看護師としては危なっかしいって言ってたでしょう? あれ、他の人にも言われたことがあるんだ。その人にはもう聞けなくなったか...
「……大原さん、私が看護師としては危なっかしいって言ってたでしょう? あれ、他の人にも言われたことがあるんだ。その人にはもう聞けなくなったか...
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登録日 2017.05.15 18:58
『ラズーン』第一部 16.鳥たちの森(7)(個...
「れ、レス…」
「そんなのきまってるじゃないか、そりゃおばさん達だってきれいだけど、ぼくのユーノにかなうわけないじゃないか!」
「まああ!」
「また言った!」...
「そんなのきまってるじゃないか、そりゃおばさん達だってきれいだけど、ぼくのユーノにかなうわけないじゃないか!」
「まああ!」
「また言った!」...
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登録日 2017.05.15 18:57
『密約』11アップ。
秋野さんを、始業時間ぎりぎりまで部屋で待っていた。
時計の音がとろとろと流れて行く夜の時間を刻んでいく。その中で一人座ったままでずっとドアの方を見つめていた...
時計の音がとろとろと流れて行く夜の時間を刻んでいく。その中で一人座ったままでずっとドアの方を見つめていた...
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登録日 2017.05.14 11:17
『ハートレイト』15アップ。
勤務後、待ち合わせて、北野と大原は小さなフランス料理店で食事をした。簡単なコースメニューがあり、ワインもある。そのくせ、値段は意外に手ごろで、ささやかな骨休め...
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登録日 2017.05.14 11:16
『ラズーン』第一部 16.鳥たちの森(6)(個...
「あそこよ」
ユーノを連れて来たライノが正面で激しく揺れている鳥籠を指差す。
「ユーノ! ユーノっ!」
中から叫び声がして、小さな白い手が必死に鳥籠の隙間か...
ユーノを連れて来たライノが正面で激しく揺れている鳥籠を指差す。
「ユーノ! ユーノっ!」
中から叫び声がして、小さな白い手が必死に鳥籠の隙間か...
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登録日 2017.05.14 11:16
『密約』10アップ。
久しぶりに事故の夢を見た。
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン。
私を月に連れていって。
こんなことになるんなら、あのときあそこで死んだ方がよかった。父母と...
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン。
私を月に連れていって。
こんなことになるんなら、あのときあそこで死んだ方がよかった。父母と...
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登録日 2017.05.13 22:49
『ハートレイト』14アップ。
岩見は、北野の勤務時間内に、一瞬も意識を取り戻すことなく夫人に看取られて死んでいった。
「お疲れさま」
「ああ、北野さん」
岩見と夫人が病院から去り、北野が...
「お疲れさま」
「ああ、北野さん」
岩見と夫人が病院から去り、北野が...
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登録日 2017.05.13 22:48
『ラズーン』第一部 16.鳥たちの森(1)
「愚かで綺麗な子は私達の慰みものになるのよ」
「く」
思わず殴りつけたくなったが、視界の端に他のとは違ってどす黒いツタの巻きついた鳥籠を見つけて思い留まる。...
「く」
思わず殴りつけたくなったが、視界の端に他のとは違ってどす黒いツタの巻きついた鳥籠を見つけて思い留まる。...
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登録日 2017.05.13 22:48
『ハートレイト』13アップ。
運命は皮肉なものなのだろうか。それとも、皮肉なものだから運命と呼ぶのだろうか。
翌日の北野の勤務は日勤、それも岩見の担当だった。
岩見の状態は素人にもわか...
翌日の北野の勤務は日勤、それも岩見の担当だった。
岩見の状態は素人にもわか...
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登録日 2017.05.12 08:57
『密約』9アップ。
(出て行くか?)
手紙を封筒に戻しながら、胸の中で自分に尋ねてみる。
(出て行って、それで、どこへ行くんだ?)
『近江潤』が死体になっている、あの湖とか?...
手紙を封筒に戻しながら、胸の中で自分に尋ねてみる。
(出て行って、それで、どこへ行くんだ?)
『近江潤』が死体になっている、あの湖とか?...
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登録日 2017.05.12 08:55
『ラズーン』第一部 16.鳥たちの森(4)(個...
小さく声を上げるユーノの目の前で、枝へ顔を突っ込むように体を仰け反らせたかと思うと、いきなり黄金の髪をまきつかせながら白くて長い脚が零れてきた。そのままふわり...
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登録日 2017.05.12 08:55