貴方の事を愛していました

幼い頃から側に居る少し年上の彼が大好きだった。
家の繋がりの為だとしても、婚約した時は部屋に戻ってから一人で泣いてしまう程に嬉しかった。

彼は、婚約者として私を大切にしてくれた。

毎週のお茶会も
誕生日以外のプレゼントも
成人してからのパーティーのエスコートも

私をとても大切にしてくれている。


ーーけれど。

大切だからといって、愛しているとは限らない。


いつからだろう。
彼の視線の先に、一人の綺麗な女性の姿がある事に気が付いたのは。

誠実な彼は、この家同士の婚約の意味をきちんと理解している。だから、その女性と二人きりになる事も噂になる様な事は絶対にしなかった。
このままいけば、数ヶ月後には私達は結婚する。


ーーけれど、本当にそれでいいの?


だから私は決めたのだ。

「貴方の事を愛してました」

貴方を忘れる事を。







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