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文明進化(?)編
女神「回転式日付印(赤インク内蔵)送ったわ〜」→宰相「【血の盟約を刻みし時空の支配具】を手に入れた……!」
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「あー、ハンコ押すのめんどくさ。電子契約にしろよな~」
わたしは天界のデスクで、宅配便の受け取り伝票に印鑑を押し続けていた。 先日の「タイムレコーダー」で冒険者たちを社畜化させちゃった件、天界の労基署から大量の書類が届いてるんだよね。
「でもさ、この『ガチャン!』って押す感触、嫌いじゃないのよね」 「承認欲求が満たされるっていうか? 自分が偉くなった気がするじゃん?」
下界の役人たちも、毎日手書きのサインとか蝋封(ろうふう)とかやってて、効率悪すぎ。 もっとポンポン押して、スピーディに決裁を下すべきだと思うわけ。 意思決定の速さは、国の強さだからね!
そこでこれ!
【業務用・回転式日付印(インク内蔵型・テキスト「承認」)】
グリップを握って押し込むと、中で印面が回転してインクが付き、紙に押し付けられるハイテクスタンプ。 「ガチャン!」という重厚な音と、真ん中の日付、そして周りの「承認」という赤文字が威厳たっぷり。
「これで書類を次々と承認していけば、王国の政治も爆速化するっしょ!」 「スタンプラリー感覚で、国を動かしちゃって~!」
レッツ・承認! 転送ポチー!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
──王都・宰相執務室「決裁の間」──
「宰相閣下、まだ決裁は降りないのですか! 民が飢えています!」 「閣下! 隣国への親書に署名を!」
宰相ヴァルガスは、山積みの羊皮紙に埋もれて呻いていた。 王が病に伏せって以来、すべての政務が彼にのしかかっている。 だが、一枚一枚内容を確認し、羽ペンで署名し、溶かした蝋(ロウ)を垂らして封をする……。 この作業があまりにも遅い。
「無理だ……。手が動かん。このままでは国が滞る……」
その時である。 書類の山の頂点に、音もなく『黒き鉄の塔』のような器具が出現した。
「なんだ? 文鎮か?」
ヴァルガスはそれを手に取った。 ずしりと重い。 握りやすいグリップ。そして底面には、複雑な魔方陣(反転した文字)が刻まれている。
「……押せ、ということか?」
ヴァルガスは、試しに手元の「下水道工事の認可書」の上に、その器具を置いた。 そして、グリップを力強く押し込んだ。
ガチャンッ!!
機械的な、しかし心地よい金属音が響く。 器具を離すと、そこには鮮烈な**『赤き紋章』**が刻まれていた。
「!!」
中央には『202X.12.12』という謎の数字。 そしてそれを囲む円には、『承』『認』という、力強い異国のルーン文字。
「赤い……。まるで鮮血のような赤だ」
ヴァルガスは戦慄した。 インクの乾きは早い。滲みもない。 蝋封のように割れることもない。 これは、永遠に消えぬ**『血の盟約(ブラッド・パクト)』**ではないか?
「……読めるぞ。このルーンは『絶対許可』を意味している」 「そして中央の数字は……『時』を刻んでいるのか?」
部下が駆け寄る。 「閣下! その紋章は!」
「見たか。私が一瞬で『意思』を刻み込んだのを」 「これはただの署名ではない。対象を強制的に肯定し、時空を超えてその存在を確定させる**『王権の刻印』**だ!」
「おおお! なんと神々しい!」
ヴァルガスは震える手で、次の書類──「増税の布告」にスタンプを押した。
ガチャンッ!
「速い! 一瞬だ!」 「署名なら3分かかる作業が、わずか1秒で終わった!」
「これだ……! これさえあれば、私は神の速度で国を支配できる!」
ヴァルガスの目に、怪しい光が宿る。 彼は狂ったように、書類の山に向かってスタンプを連打し始めた。
ガチャン! ガチャン! ガチャン! ガチャン!
「許可! 許可! これも許可だ!」 「見ろ! 赤き紋章が次々と生まれていく! 私の意思が世界を埋め尽くしていくぞ!」
「閣下! 素晴らしい速度です! 一月分の仕事が数分で!」
しかし、勢い余ってヴァルガスは、部下の額にスタンプを押してしまった。
ガチャンッ!
「あ」
部下の額に、鮮やかな赤丸と日付が刻まれる。
「……おお……」
部下は恍惚の表情を浮かべた。
「力が……湧いてきます」 「私は今、閣下に……いや、神に『承認』されたのですね?」
「そ、そうだ! 貴様は選ばれし者だ!」
ヴァルガスは気づいてしまった。 この刻印は、紙だけではなく、人心をも支配するのだと。
「並べ! 家臣どもよ、全員並べ!」 「この『血の刻印』を受けた者のみが、真の忠臣となるのだ!」
「押してください! 私の額に!」 「私には胸に! 心臓に『絶対許可』を!」
執務室は、額や頬、手の甲に「承認印」を押された男たちで溢れかえった。 彼らは互いの刻印を見せ合い、優越感に浸る。
「見ろ、俺の日付は未来を指している(※日付設定を間違えただけ)」 「貴様は未来人か! なんと高貴な!」
「閣下、この『日付ダイヤル』を回せば、過去の書類も改竄できます!」 「過去すらも支配するのか! これぞ時空の支配具!」
宰相ヴァルガスは、全身に「承認」の印を押された部下たちを従え、自らの額にも押印した。
「我は肯定された! この世の全てを承認する!」 「ガチャン! ガチャン! 世界よ、我に従えぇぇぇ!」
王国の中枢は、顔中真っ赤なスタンプだらけの集団が、機械的な音と共に全てを肯定し続ける、異様なカルト教団と化していた。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「……うわぁ」
わたしは宅配便の段ボールを開けながら、ドン引きしていた。
「顔に押すなよ」
油性インクだよ? 落ちないよ? お風呂入っても、一週間くらい額に「承認」って残るよ?
「『時空の支配』って何?」 「ただの日付変更ダイヤルだから! 明日になれば手動で回すやつだから!」
しかも「未来の日付」にしちゃってる人いるけど。 それ、ただの事務ミスだから。 未来人じゃないから。
「意図としては、事務処理を早くして欲しかったのに……」 「なんか、全身にスタンプ押した『承認済み人間』が増殖してるんだけど……」
あれ、街中で流行ったらどうしよ。 「俺、承認済みだから」みたいなマウント合戦始まったら、治安悪化待ったなしじゃん。 消しゴム……いや、クレンジングオイル送ってあげた方がいい?
女神「ま、みんな自分に自信が持てたなら、それはそれで幸せ……なのか?」
わたしは天界のデスクで、宅配便の受け取り伝票に印鑑を押し続けていた。 先日の「タイムレコーダー」で冒険者たちを社畜化させちゃった件、天界の労基署から大量の書類が届いてるんだよね。
「でもさ、この『ガチャン!』って押す感触、嫌いじゃないのよね」 「承認欲求が満たされるっていうか? 自分が偉くなった気がするじゃん?」
下界の役人たちも、毎日手書きのサインとか蝋封(ろうふう)とかやってて、効率悪すぎ。 もっとポンポン押して、スピーディに決裁を下すべきだと思うわけ。 意思決定の速さは、国の強さだからね!
そこでこれ!
【業務用・回転式日付印(インク内蔵型・テキスト「承認」)】
グリップを握って押し込むと、中で印面が回転してインクが付き、紙に押し付けられるハイテクスタンプ。 「ガチャン!」という重厚な音と、真ん中の日付、そして周りの「承認」という赤文字が威厳たっぷり。
「これで書類を次々と承認していけば、王国の政治も爆速化するっしょ!」 「スタンプラリー感覚で、国を動かしちゃって~!」
レッツ・承認! 転送ポチー!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
──王都・宰相執務室「決裁の間」──
「宰相閣下、まだ決裁は降りないのですか! 民が飢えています!」 「閣下! 隣国への親書に署名を!」
宰相ヴァルガスは、山積みの羊皮紙に埋もれて呻いていた。 王が病に伏せって以来、すべての政務が彼にのしかかっている。 だが、一枚一枚内容を確認し、羽ペンで署名し、溶かした蝋(ロウ)を垂らして封をする……。 この作業があまりにも遅い。
「無理だ……。手が動かん。このままでは国が滞る……」
その時である。 書類の山の頂点に、音もなく『黒き鉄の塔』のような器具が出現した。
「なんだ? 文鎮か?」
ヴァルガスはそれを手に取った。 ずしりと重い。 握りやすいグリップ。そして底面には、複雑な魔方陣(反転した文字)が刻まれている。
「……押せ、ということか?」
ヴァルガスは、試しに手元の「下水道工事の認可書」の上に、その器具を置いた。 そして、グリップを力強く押し込んだ。
ガチャンッ!!
機械的な、しかし心地よい金属音が響く。 器具を離すと、そこには鮮烈な**『赤き紋章』**が刻まれていた。
「!!」
中央には『202X.12.12』という謎の数字。 そしてそれを囲む円には、『承』『認』という、力強い異国のルーン文字。
「赤い……。まるで鮮血のような赤だ」
ヴァルガスは戦慄した。 インクの乾きは早い。滲みもない。 蝋封のように割れることもない。 これは、永遠に消えぬ**『血の盟約(ブラッド・パクト)』**ではないか?
「……読めるぞ。このルーンは『絶対許可』を意味している」 「そして中央の数字は……『時』を刻んでいるのか?」
部下が駆け寄る。 「閣下! その紋章は!」
「見たか。私が一瞬で『意思』を刻み込んだのを」 「これはただの署名ではない。対象を強制的に肯定し、時空を超えてその存在を確定させる**『王権の刻印』**だ!」
「おおお! なんと神々しい!」
ヴァルガスは震える手で、次の書類──「増税の布告」にスタンプを押した。
ガチャンッ!
「速い! 一瞬だ!」 「署名なら3分かかる作業が、わずか1秒で終わった!」
「これだ……! これさえあれば、私は神の速度で国を支配できる!」
ヴァルガスの目に、怪しい光が宿る。 彼は狂ったように、書類の山に向かってスタンプを連打し始めた。
ガチャン! ガチャン! ガチャン! ガチャン!
「許可! 許可! これも許可だ!」 「見ろ! 赤き紋章が次々と生まれていく! 私の意思が世界を埋め尽くしていくぞ!」
「閣下! 素晴らしい速度です! 一月分の仕事が数分で!」
しかし、勢い余ってヴァルガスは、部下の額にスタンプを押してしまった。
ガチャンッ!
「あ」
部下の額に、鮮やかな赤丸と日付が刻まれる。
「……おお……」
部下は恍惚の表情を浮かべた。
「力が……湧いてきます」 「私は今、閣下に……いや、神に『承認』されたのですね?」
「そ、そうだ! 貴様は選ばれし者だ!」
ヴァルガスは気づいてしまった。 この刻印は、紙だけではなく、人心をも支配するのだと。
「並べ! 家臣どもよ、全員並べ!」 「この『血の刻印』を受けた者のみが、真の忠臣となるのだ!」
「押してください! 私の額に!」 「私には胸に! 心臓に『絶対許可』を!」
執務室は、額や頬、手の甲に「承認印」を押された男たちで溢れかえった。 彼らは互いの刻印を見せ合い、優越感に浸る。
「見ろ、俺の日付は未来を指している(※日付設定を間違えただけ)」 「貴様は未来人か! なんと高貴な!」
「閣下、この『日付ダイヤル』を回せば、過去の書類も改竄できます!」 「過去すらも支配するのか! これぞ時空の支配具!」
宰相ヴァルガスは、全身に「承認」の印を押された部下たちを従え、自らの額にも押印した。
「我は肯定された! この世の全てを承認する!」 「ガチャン! ガチャン! 世界よ、我に従えぇぇぇ!」
王国の中枢は、顔中真っ赤なスタンプだらけの集団が、機械的な音と共に全てを肯定し続ける、異様なカルト教団と化していた。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「……うわぁ」
わたしは宅配便の段ボールを開けながら、ドン引きしていた。
「顔に押すなよ」
油性インクだよ? 落ちないよ? お風呂入っても、一週間くらい額に「承認」って残るよ?
「『時空の支配』って何?」 「ただの日付変更ダイヤルだから! 明日になれば手動で回すやつだから!」
しかも「未来の日付」にしちゃってる人いるけど。 それ、ただの事務ミスだから。 未来人じゃないから。
「意図としては、事務処理を早くして欲しかったのに……」 「なんか、全身にスタンプ押した『承認済み人間』が増殖してるんだけど……」
あれ、街中で流行ったらどうしよ。 「俺、承認済みだから」みたいなマウント合戦始まったら、治安悪化待ったなしじゃん。 消しゴム……いや、クレンジングオイル送ってあげた方がいい?
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