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九、炎上
炎上2
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かなでは次の日、みいちゃんからあることを聞いた。
「あのね、想鳴者のことがネットに書かれて、炎上してるの。多分かなでちゃんの先生のことだと思う」
「律さんが?」
炎上についてはかなでも知っていた。言ったことや書いたことがきっかけで、いろんな人に非難されて、ぐちゃぐちゃになってしまうことだ。
「なんかね、私の町の不思議なことっていうハッシュタグがあって、そこに想鳴者のことが書いてあったの。それで『そんな嘘つきのこと許すな』『さぎ師だ』『場所特定しろ』とか言われて……。想鳴者のこと書いてたの、Ramiって人らしいんだけど、かなでちゃん、心当たりある?」
(Rami……らみ……もしかして、小田さん?)
かなではうなずいた。
「どうやったら炎上って収まるの?」
かなではらみに聞いた。らみは少し考えて答えた。
「よく芸能人とかは、書きこみを消したり、謝ったりしてるけど」
(小田さんはきっとどっちもしない)
かなではそれがなんとなくわかっていた。
(石戸さんなら、なにか知ってるかもしれない)
かなではそんな風に考えてその日を過ごした。
放課後になるとかなではあやめを呼びとめた。そしてみいちゃんから聞いた事情をすべて話した。あやめは信じられないといった様子で、しばらく声を出すことができなかった。
「ねえ石戸さん、小田さんのメールアドレスとか、新しい住所とかなにか知らない?」
あやめは首を横にふった。けれどそれだけで終わらなかった。
「あたし、ママに聞いてみる。ママならきっとらみちゃんのおばちゃんの連絡先はきっと知ってるから」
「あ、ありがとう」
「あたし……らみちゃんが苦しいのはいやだから」
そう言うとあやめは教室をあとにした。かなではぐっと拳をつくった。
「わたしには、なにができるだろう?」
修想館に行くことはできない。そんな状況の中、かなでは自分にできることを考えることにした。
次の日、「土居さん、ちょっといい?」とあやめが声をかけてきた。前のように階段の踊り場まで移動した。
「らみちゃんの住所わかったよ。となりの県だって。おばちゃんとメッセージアプリで連絡はとれるって」
「そっか。実は……」
かなではみいちゃんが教えてくれたネットの炎上をおさえる方法を話した。するとあやめは少し考えて言った。
「あたしがらみちゃんにネットで言ったこと消してくれないかたのみに行ってみる」
かなではそのとき思いついた。修想館に行かずにかなでが今できることを。
「ねえ石戸さん。わたしもいっしょに行かせて」
「え?」
かなでは言葉を続けた。
「このままじゃ律さんが思い出をこめることもできない。それに、律さんが言ってた。小田さんがもしこのまま憎しみやうらみにとらわれたら、ずっとずっと苦しんじゃうって」
かなでの言葉を聞いたあやめはこくんとうなずいた。次の日曜日にあやめの家に一度集まってから、いっしょに小田さんの新しい家に行かせてもらうことになった。あやめから家の場所も教えてもらって……かなでの家とは方角が反対だった……教室にもどることにした。
かなでは心臓がどきどきしているのがわかった。
日曜日。かなでは早めに家を出てあやめの家を目指した。自転車でむかう。何度か曲がるところをまちがえたが無事にたどり着いた。あやめの家に自転車を置かせてもらって、お母さんに持たされた菓子折りをあやめのお母さんに渡して車に乗った。あやめのお母さんが運転する車で小田さんの新しい家を目指した。
あやめのお母さんはスタイリストというだけあって、すらりとしていて短い髪が似合っていた。
「らみの相談にのってくれてありがとうね。あの子、毎朝服を選ぶの、前より楽しそうなの」
かなではその言葉を聞いて安心した。
小田さんは車で一時間半くらいのところに引っ越していた。しばらく車にゆられる。かなでもあやめも口を開かなかった。たがいに肩に力が入っているのがわかった。
(だいじょうぶ。わたしだけじゃない。石戸さんもいる。それにここにいないだけで、みいちゃんも心配してくれてる。わたしはひとりじゃない)
かなでは窓の外を見ながらそう思った。
小田さんの家は新築らしく壁によごれもなく、真っ白で太陽の光を力強く反射していた。あやめのお母さんがチャイムを鳴らすと、小田さんのお母さんらしき女性が出てきた。くりくりのパーマがかかっていて、髪は肩くらいまでの長さだ。三人は家の中にとおされた。リビングに通されてしばらくすると、あやめが口を開いた。
「あの、らみちゃんに会いたいんですけど、今どこにいますか?」
「あの子なら部屋に。階段上がって奥から二番目、右側の部屋よ」
かなでとあやめは、小田さんの部屋にむかった。背中で「あの子、最近様子がおかしくて……。どうしたらいいのかしら」という言葉が聞こえた。
部屋の前に着いてあやめがドアをノックした。
「らみちゃん、あたし。あやめ。話があるの。ねえ、中に入れて」
ドアのむこうはしばらく反応がなかった。あやめがもう一度ノックをしようとしたが、かなでがとめた。
「小田さん。修想館にいた、土居かなでって言います。おねがいします、小田さん。ネットで書いた想鳴者への文句を消してください」
そのとき中から声がした。
「なんでそんなことしなくちゃいけないの」
「なんでって……そのせいで修想館にいやがらせする人がいるんです。このままじゃ思い出がこめられません」
かなでがそう言うとがちゃっとドアが開いた。
「なんでアタシがこめてもらえなかったのに、ほかの人はこめてもらえるのよ。なんでそのためにアタシの気持ちを消さないといけないの」
らみの目元にはくまができていた。どことなく疲れているようにも見える。
「らみちゃん、どうしたの?」
あやめが心配そうに尋ねた。すると小田さんは「別に。ただ夜通しネットしたり動画見てたりしただけ」と答えた。かなでは説得を続けた。
「律さんは小田さんに笑顔になってもらいたかったんです。思い出は苦しいものじゃないんです。心の支えになって、いつでもそばにいてくれる最高のものなんです。だから苦しい思いをこめる必要もないし、こめちゃいけないんだと思います。小田さん、石戸さんがあなたのお母さんに渡したものを見てくれましたか?」
「母さんに? なにを渡したっていうの」
「……ブレスレット。昔、大きくってきらきらしたビーズでつくったでしょ? それで……いっぱい遊んだ思い出こめてもらったの。昔のことも、最近のことも。だから思い出して、らみちゃん。じょうだんも言い合ったこと、……いっぱい笑ったことをっ」
小田さんは鼻で笑った。
「そんなこと思い出したからってなにになるの」
小田さんの言葉にかなでは言葉を失った。あやめの声もふるえていた。
「あたしはらみちゃんの心が少しでも楽になってほしいの」
「それならアタシにしょうもないことしてきたやつらに仕返ししてきてよ」
「小田さん」
かなでは小田さんに語りかけた。
「……小田さんは、ただ相手の人たちに謝ってほしかったんじゃないですか? 小田さんがつらいってことをわかってほしかったんじゃないんですか?」
小田さんは目を丸くした。
「もしもわたしが小田さんと同じことをされたら、心の底から謝ってほしいって思います。それから、苦しかったってわかってもらいたいし、もう二度としないってことも約束してもらいたい。それが……仕返しをしたい理由なんじゃないんですか?」
小田さんはぽろり、と大きななみだを一粒こぼした。
「苦しかった……くやしかった……。どうしてアタシなのって……ずっと思ってた」
小田さんはなみだを流した。そんな小田さんをあやめがだきしめた。
「らみちゃん……。だいじょうぶ、もうらみちゃんを苦しめる人なんて、いないから。もうつらい思いなんてしなくていいから」
小田さんもあやめの体を抱きしめた。
「わかってる。あの子たちは謝ったりしないって。アタシの気持ちもわかってもらえないって」
あやめはらみを抱きしめて、背中をずっとさすっていた。
気がつけば、かなでもうっすらとなみだを浮かべていた。
(どうか、小田さんの心が少しでも早く治りますように)
かなではそう祈らずにはいられなかった。
「あのね、想鳴者のことがネットに書かれて、炎上してるの。多分かなでちゃんの先生のことだと思う」
「律さんが?」
炎上についてはかなでも知っていた。言ったことや書いたことがきっかけで、いろんな人に非難されて、ぐちゃぐちゃになってしまうことだ。
「なんかね、私の町の不思議なことっていうハッシュタグがあって、そこに想鳴者のことが書いてあったの。それで『そんな嘘つきのこと許すな』『さぎ師だ』『場所特定しろ』とか言われて……。想鳴者のこと書いてたの、Ramiって人らしいんだけど、かなでちゃん、心当たりある?」
(Rami……らみ……もしかして、小田さん?)
かなではうなずいた。
「どうやったら炎上って収まるの?」
かなではらみに聞いた。らみは少し考えて答えた。
「よく芸能人とかは、書きこみを消したり、謝ったりしてるけど」
(小田さんはきっとどっちもしない)
かなではそれがなんとなくわかっていた。
(石戸さんなら、なにか知ってるかもしれない)
かなではそんな風に考えてその日を過ごした。
放課後になるとかなではあやめを呼びとめた。そしてみいちゃんから聞いた事情をすべて話した。あやめは信じられないといった様子で、しばらく声を出すことができなかった。
「ねえ石戸さん、小田さんのメールアドレスとか、新しい住所とかなにか知らない?」
あやめは首を横にふった。けれどそれだけで終わらなかった。
「あたし、ママに聞いてみる。ママならきっとらみちゃんのおばちゃんの連絡先はきっと知ってるから」
「あ、ありがとう」
「あたし……らみちゃんが苦しいのはいやだから」
そう言うとあやめは教室をあとにした。かなではぐっと拳をつくった。
「わたしには、なにができるだろう?」
修想館に行くことはできない。そんな状況の中、かなでは自分にできることを考えることにした。
次の日、「土居さん、ちょっといい?」とあやめが声をかけてきた。前のように階段の踊り場まで移動した。
「らみちゃんの住所わかったよ。となりの県だって。おばちゃんとメッセージアプリで連絡はとれるって」
「そっか。実は……」
かなではみいちゃんが教えてくれたネットの炎上をおさえる方法を話した。するとあやめは少し考えて言った。
「あたしがらみちゃんにネットで言ったこと消してくれないかたのみに行ってみる」
かなではそのとき思いついた。修想館に行かずにかなでが今できることを。
「ねえ石戸さん。わたしもいっしょに行かせて」
「え?」
かなでは言葉を続けた。
「このままじゃ律さんが思い出をこめることもできない。それに、律さんが言ってた。小田さんがもしこのまま憎しみやうらみにとらわれたら、ずっとずっと苦しんじゃうって」
かなでの言葉を聞いたあやめはこくんとうなずいた。次の日曜日にあやめの家に一度集まってから、いっしょに小田さんの新しい家に行かせてもらうことになった。あやめから家の場所も教えてもらって……かなでの家とは方角が反対だった……教室にもどることにした。
かなでは心臓がどきどきしているのがわかった。
日曜日。かなでは早めに家を出てあやめの家を目指した。自転車でむかう。何度か曲がるところをまちがえたが無事にたどり着いた。あやめの家に自転車を置かせてもらって、お母さんに持たされた菓子折りをあやめのお母さんに渡して車に乗った。あやめのお母さんが運転する車で小田さんの新しい家を目指した。
あやめのお母さんはスタイリストというだけあって、すらりとしていて短い髪が似合っていた。
「らみの相談にのってくれてありがとうね。あの子、毎朝服を選ぶの、前より楽しそうなの」
かなではその言葉を聞いて安心した。
小田さんは車で一時間半くらいのところに引っ越していた。しばらく車にゆられる。かなでもあやめも口を開かなかった。たがいに肩に力が入っているのがわかった。
(だいじょうぶ。わたしだけじゃない。石戸さんもいる。それにここにいないだけで、みいちゃんも心配してくれてる。わたしはひとりじゃない)
かなでは窓の外を見ながらそう思った。
小田さんの家は新築らしく壁によごれもなく、真っ白で太陽の光を力強く反射していた。あやめのお母さんがチャイムを鳴らすと、小田さんのお母さんらしき女性が出てきた。くりくりのパーマがかかっていて、髪は肩くらいまでの長さだ。三人は家の中にとおされた。リビングに通されてしばらくすると、あやめが口を開いた。
「あの、らみちゃんに会いたいんですけど、今どこにいますか?」
「あの子なら部屋に。階段上がって奥から二番目、右側の部屋よ」
かなでとあやめは、小田さんの部屋にむかった。背中で「あの子、最近様子がおかしくて……。どうしたらいいのかしら」という言葉が聞こえた。
部屋の前に着いてあやめがドアをノックした。
「らみちゃん、あたし。あやめ。話があるの。ねえ、中に入れて」
ドアのむこうはしばらく反応がなかった。あやめがもう一度ノックをしようとしたが、かなでがとめた。
「小田さん。修想館にいた、土居かなでって言います。おねがいします、小田さん。ネットで書いた想鳴者への文句を消してください」
そのとき中から声がした。
「なんでそんなことしなくちゃいけないの」
「なんでって……そのせいで修想館にいやがらせする人がいるんです。このままじゃ思い出がこめられません」
かなでがそう言うとがちゃっとドアが開いた。
「なんでアタシがこめてもらえなかったのに、ほかの人はこめてもらえるのよ。なんでそのためにアタシの気持ちを消さないといけないの」
らみの目元にはくまができていた。どことなく疲れているようにも見える。
「らみちゃん、どうしたの?」
あやめが心配そうに尋ねた。すると小田さんは「別に。ただ夜通しネットしたり動画見てたりしただけ」と答えた。かなでは説得を続けた。
「律さんは小田さんに笑顔になってもらいたかったんです。思い出は苦しいものじゃないんです。心の支えになって、いつでもそばにいてくれる最高のものなんです。だから苦しい思いをこめる必要もないし、こめちゃいけないんだと思います。小田さん、石戸さんがあなたのお母さんに渡したものを見てくれましたか?」
「母さんに? なにを渡したっていうの」
「……ブレスレット。昔、大きくってきらきらしたビーズでつくったでしょ? それで……いっぱい遊んだ思い出こめてもらったの。昔のことも、最近のことも。だから思い出して、らみちゃん。じょうだんも言い合ったこと、……いっぱい笑ったことをっ」
小田さんは鼻で笑った。
「そんなこと思い出したからってなにになるの」
小田さんの言葉にかなでは言葉を失った。あやめの声もふるえていた。
「あたしはらみちゃんの心が少しでも楽になってほしいの」
「それならアタシにしょうもないことしてきたやつらに仕返ししてきてよ」
「小田さん」
かなでは小田さんに語りかけた。
「……小田さんは、ただ相手の人たちに謝ってほしかったんじゃないですか? 小田さんがつらいってことをわかってほしかったんじゃないんですか?」
小田さんは目を丸くした。
「もしもわたしが小田さんと同じことをされたら、心の底から謝ってほしいって思います。それから、苦しかったってわかってもらいたいし、もう二度としないってことも約束してもらいたい。それが……仕返しをしたい理由なんじゃないんですか?」
小田さんはぽろり、と大きななみだを一粒こぼした。
「苦しかった……くやしかった……。どうしてアタシなのって……ずっと思ってた」
小田さんはなみだを流した。そんな小田さんをあやめがだきしめた。
「らみちゃん……。だいじょうぶ、もうらみちゃんを苦しめる人なんて、いないから。もうつらい思いなんてしなくていいから」
小田さんもあやめの体を抱きしめた。
「わかってる。あの子たちは謝ったりしないって。アタシの気持ちもわかってもらえないって」
あやめはらみを抱きしめて、背中をずっとさすっていた。
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