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―屋上にて―
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「――まぁ、うん。俺らもいつかモテるよ。人生にモテ期って3回あるらしいじゃん?これから3回も来るんだぜ!嬉しい事じゃねぇか!」
相澤のこういうポジティブ思考には素直に尊敬するが、なんと言うか…虚しいな。
そう考えながら鞄の中をゴソゴソと漁る。
「あれ、僕弁当忘れてきちゃったみたい。買ってこようかな。」
入れたはずなんだけどなー。姉ちゃんが持ってっちゃったのかな?
「結構時間経ったから売り切れたんじゃねぇか?...と言っても10分程度だけど。ほら、野球部足速ぇしな。」
「えぇ、10分そこらで売り切れるのか?」
「だってこの間ダッシュで向かっても人いっぱいだったじゃねーか笑」
「確かに。あー今日昼なしだよ、お腹空いちゃう。」
昼ご飯が無いことに落胆していると、教室の外が少しガヤガヤしてきた。特に女の子達の声が聞こえる。
「なんだ?なんかあったのか?」
相澤と僕は2人で廊下へ向かう。
僕がドアに手を掛けようとした時、ガラッと扉が開いた。咄嗟のことにびっくりして後ずさってしまった。
「あぁ居た。はる、一緒にお昼食べよ。」
そこに居たのは瀬川先輩だった。びっくりしたせいで顔も赤くなってしまった。
「瀬川先輩...あっ、はい!是非!...そうだ、ごめんなさい僕今日お昼持ってくるの忘れちゃって...。」
「本当?良かった、一緒にお昼食べたくて一応はるの分も購買で買ってきたからさ。」
よしよし、と言いながら先輩は僕の頭を撫でてくる。ちょっと嬉しいけどやっぱり恥ずかしい。
「良いんですか?ありがとうございます!」
瀬川先輩めっちゃ優しい。この人神だ。僕は心の中で合掌した。
何かを発見したらしい相澤が話しかけに行く。
「あれ?深澤先輩じゃないすかー!僕も一緒にお昼食べたいっす!」
背の高い相澤は人だかりをよけ、深澤先輩をこっちに連れて来る。
「...あっ、相澤じゃんか!勿論、お前の事誘いに行くつもりだったんだぞ。...でも酷くない?瀬川が瀬川ファンの中に俺の事置き去りにしてったんだよ?」
「悪かったな。後でラーメン奢るから許せ。」
教室の外が騒がしかった原因は瀬川先輩だったみたいだ。
4人で世間話をしつつ屋上へ向かう。瀬川ファンを何とか巻き、たどり着くことができた。
屋上の唯一の日陰がある場所に行き、腰を下ろす4人。
「いやー、イケメンっていうのも中々大変なんだな。」
深澤先輩は日野の話も聞き、関心していた。
それぞれの買ってきた物や弁当を置き、それを囲むようにして座った。
僕は瀬川先輩からおにぎりを貰い、さっき買ってきたお茶を出した。
各々でお昼ご飯を食べ始める。
「――あっ、はるー。俺もそれ食べたい。あー」
瀬川先輩が口を開けて来たのでおにぎりを差し出す。ばくっと3分の1くらい食われた。
「あ゙っ!ちょ、先輩!食べ過ぎです。もうあげません。」
「えぇー、美味しかったし。また買ってくるから許して、な、な?」
その一連の流れを見ていた深澤先輩が笑いながら言った。
「うぇはははっ笑笑。食いすぎだろー。2人とももう仲良くなったんだね。てかノリがカップル笑笑」
カップルと言う言葉を聞いてハッとした。さっきの、関節キス?えぇ、どうしよう、やばいなんかドキドキして来た。...別に男同士だし気にすることないよね。うん。
まだ笑い転げていた深澤先輩の食べていたカレーパンに相澤がかぶり着いた。
「あ゙あ゙ぁー!待って俺のカレーパン!」
「んー!これおいひぃっふね。」
相澤がモグモグとカレーパンを食べながら何か言っている。
「お前らの方がカップルじゃねぇか笑笑」
瀬川先輩と僕は顔を見合わせ思わず笑ってしまった。
相澤のこういうポジティブ思考には素直に尊敬するが、なんと言うか…虚しいな。
そう考えながら鞄の中をゴソゴソと漁る。
「あれ、僕弁当忘れてきちゃったみたい。買ってこようかな。」
入れたはずなんだけどなー。姉ちゃんが持ってっちゃったのかな?
「結構時間経ったから売り切れたんじゃねぇか?...と言っても10分程度だけど。ほら、野球部足速ぇしな。」
「えぇ、10分そこらで売り切れるのか?」
「だってこの間ダッシュで向かっても人いっぱいだったじゃねーか笑」
「確かに。あー今日昼なしだよ、お腹空いちゃう。」
昼ご飯が無いことに落胆していると、教室の外が少しガヤガヤしてきた。特に女の子達の声が聞こえる。
「なんだ?なんかあったのか?」
相澤と僕は2人で廊下へ向かう。
僕がドアに手を掛けようとした時、ガラッと扉が開いた。咄嗟のことにびっくりして後ずさってしまった。
「あぁ居た。はる、一緒にお昼食べよ。」
そこに居たのは瀬川先輩だった。びっくりしたせいで顔も赤くなってしまった。
「瀬川先輩...あっ、はい!是非!...そうだ、ごめんなさい僕今日お昼持ってくるの忘れちゃって...。」
「本当?良かった、一緒にお昼食べたくて一応はるの分も購買で買ってきたからさ。」
よしよし、と言いながら先輩は僕の頭を撫でてくる。ちょっと嬉しいけどやっぱり恥ずかしい。
「良いんですか?ありがとうございます!」
瀬川先輩めっちゃ優しい。この人神だ。僕は心の中で合掌した。
何かを発見したらしい相澤が話しかけに行く。
「あれ?深澤先輩じゃないすかー!僕も一緒にお昼食べたいっす!」
背の高い相澤は人だかりをよけ、深澤先輩をこっちに連れて来る。
「...あっ、相澤じゃんか!勿論、お前の事誘いに行くつもりだったんだぞ。...でも酷くない?瀬川が瀬川ファンの中に俺の事置き去りにしてったんだよ?」
「悪かったな。後でラーメン奢るから許せ。」
教室の外が騒がしかった原因は瀬川先輩だったみたいだ。
4人で世間話をしつつ屋上へ向かう。瀬川ファンを何とか巻き、たどり着くことができた。
屋上の唯一の日陰がある場所に行き、腰を下ろす4人。
「いやー、イケメンっていうのも中々大変なんだな。」
深澤先輩は日野の話も聞き、関心していた。
それぞれの買ってきた物や弁当を置き、それを囲むようにして座った。
僕は瀬川先輩からおにぎりを貰い、さっき買ってきたお茶を出した。
各々でお昼ご飯を食べ始める。
「――あっ、はるー。俺もそれ食べたい。あー」
瀬川先輩が口を開けて来たのでおにぎりを差し出す。ばくっと3分の1くらい食われた。
「あ゙っ!ちょ、先輩!食べ過ぎです。もうあげません。」
「えぇー、美味しかったし。また買ってくるから許して、な、な?」
その一連の流れを見ていた深澤先輩が笑いながら言った。
「うぇはははっ笑笑。食いすぎだろー。2人とももう仲良くなったんだね。てかノリがカップル笑笑」
カップルと言う言葉を聞いてハッとした。さっきの、関節キス?えぇ、どうしよう、やばいなんかドキドキして来た。...別に男同士だし気にすることないよね。うん。
まだ笑い転げていた深澤先輩の食べていたカレーパンに相澤がかぶり着いた。
「あ゙あ゙ぁー!待って俺のカレーパン!」
「んー!これおいひぃっふね。」
相澤がモグモグとカレーパンを食べながら何か言っている。
「お前らの方がカップルじゃねぇか笑笑」
瀬川先輩と僕は顔を見合わせ思わず笑ってしまった。
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