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第7話 ポケットの中には
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シオンと名乗った少年は、ペンダントを入れているポケットの方を指して言いました。華奈はその言葉にドキリとして、だまってしまいます。
「おかげで体はどんどん小さくなるし……姿を隠す力も使えなくなっちまったじゃないか!」
力の結晶とは、おそらく光って熱を発するこのペンダントのこと。それはなんと、華奈の考えたとおり、不思議な力で願いを叶えてくれていたのです。
「あの……」
華奈が、ごめんなさい、と伝えようとした時「おねーちゃーん!」と、とつぜん後ろの方から声をかけられました。
それは下の弟、幸樹の声でした。ビックリした華奈は、慌てて小さな少年、シオンをわしづかみにします。そして立ち上がり、ペンダントとは反対側の左ポケットに彼を、そうっと押し込みました。
「そんな所で何やってんだー?」
今度は京樹の声です。振り向いて見てみると、おばあちゃんを真ん中に手をつなぎ、両側で手をふる二人がいました。
「幸樹、京樹、おばあちゃん!」
三人はちょうど家に向かって歩いてきたところのようです。
「何かね……小さな猫ちゃんがいたみたいだったから、のぞいてたのよ」
華奈は三人の方へと歩いて行き、とっさに猫の話を作り出して、茂みの所で座っていた理由をごまかしました。
ポケットの中ではシオンが暴れているらしく、スカートがモゾモゾと動いています。華奈はみんなに気づかれたらいけないと思い、ポケットを軽く押えました。
少し固い笑顔で三人のところへいくと、華奈は自分の心臓の音がとても大きく感じることに気づきます。
それはたぶん、隠し事をしているから……。その内容も『ポケットに入れた小さな少年』という現実離れしたことと、華奈が誰かのペンダントを勝手に持って帰ってしまい、そのままであるという、できれば知られたくないことで──
「猫ちゃん見れた?」
「残念だけど、ちゃんとは見れなかったの……きっと逃げるのがとても上手な子だったのね」
「そっかぁ、ざんねんー」
首をふりながら答えた華奈に、幸樹は言いました。
おばあちゃんは、そんな子供たち三人のやりとりを聞きながら、笑顔で言います。
「華奈ちゃん、お疲れ様。一緒に帰りましょうか」
「ありがとう、おばあちゃん」
おばあちゃんと京樹が手を繋いで前を行き、その後ろを、華奈はシオンが入っていない方の右側で幸樹と手を繋ぎ、歩き始めます。
その時です、動いても無駄だと思ったのか、シオンが叫びだしました。
『出せー! このやろうー!』
華奈はあわててポケットの上からシオンを優しくつかみます。
(姿を隠せなくなったと言っていたから、きっと他の人に知られたらいけないのよね……? それにもしこの子が見つかったら、私が拾った物を返してないってわかっちゃう……)
ほんの少しでも、人の物を『ほしい』と思ってしまったことに罪悪感を感じていた華奈は、それでも知られたくないという気持ちもあって、必死にシオンの事を隠そうとしました。
幸い、その叫び声は体の大きさに比例してか、そこまで大きくはなかったけれど、隣で手を握る幸樹には聞こえてしまったようで、
「お姉ちゃん、今何か言った?」
と、聞かれました。
「え⁈ あぁ……。あのね、今日の宿題が沢山で嫌だなって。でもがんばってちゃんとやるわ」
華奈はポケットをそっとなでながら、幸樹の方を見て言いました。
「急いでやらないといけないから、おうちに帰ったら一人でお部屋に行ってやってくるね。
みんなはテレビとか見ていていいよ」
本当は沢山ではないけれど、宿題はあります。でも、もうこれ以上隠し事をしたくなかった華奈は、できる限りウソにならないよう、幸樹に説明しました。
「おかげで体はどんどん小さくなるし……姿を隠す力も使えなくなっちまったじゃないか!」
力の結晶とは、おそらく光って熱を発するこのペンダントのこと。それはなんと、華奈の考えたとおり、不思議な力で願いを叶えてくれていたのです。
「あの……」
華奈が、ごめんなさい、と伝えようとした時「おねーちゃーん!」と、とつぜん後ろの方から声をかけられました。
それは下の弟、幸樹の声でした。ビックリした華奈は、慌てて小さな少年、シオンをわしづかみにします。そして立ち上がり、ペンダントとは反対側の左ポケットに彼を、そうっと押し込みました。
「そんな所で何やってんだー?」
今度は京樹の声です。振り向いて見てみると、おばあちゃんを真ん中に手をつなぎ、両側で手をふる二人がいました。
「幸樹、京樹、おばあちゃん!」
三人はちょうど家に向かって歩いてきたところのようです。
「何かね……小さな猫ちゃんがいたみたいだったから、のぞいてたのよ」
華奈は三人の方へと歩いて行き、とっさに猫の話を作り出して、茂みの所で座っていた理由をごまかしました。
ポケットの中ではシオンが暴れているらしく、スカートがモゾモゾと動いています。華奈はみんなに気づかれたらいけないと思い、ポケットを軽く押えました。
少し固い笑顔で三人のところへいくと、華奈は自分の心臓の音がとても大きく感じることに気づきます。
それはたぶん、隠し事をしているから……。その内容も『ポケットに入れた小さな少年』という現実離れしたことと、華奈が誰かのペンダントを勝手に持って帰ってしまい、そのままであるという、できれば知られたくないことで──
「猫ちゃん見れた?」
「残念だけど、ちゃんとは見れなかったの……きっと逃げるのがとても上手な子だったのね」
「そっかぁ、ざんねんー」
首をふりながら答えた華奈に、幸樹は言いました。
おばあちゃんは、そんな子供たち三人のやりとりを聞きながら、笑顔で言います。
「華奈ちゃん、お疲れ様。一緒に帰りましょうか」
「ありがとう、おばあちゃん」
おばあちゃんと京樹が手を繋いで前を行き、その後ろを、華奈はシオンが入っていない方の右側で幸樹と手を繋ぎ、歩き始めます。
その時です、動いても無駄だと思ったのか、シオンが叫びだしました。
『出せー! このやろうー!』
華奈はあわててポケットの上からシオンを優しくつかみます。
(姿を隠せなくなったと言っていたから、きっと他の人に知られたらいけないのよね……? それにもしこの子が見つかったら、私が拾った物を返してないってわかっちゃう……)
ほんの少しでも、人の物を『ほしい』と思ってしまったことに罪悪感を感じていた華奈は、それでも知られたくないという気持ちもあって、必死にシオンの事を隠そうとしました。
幸い、その叫び声は体の大きさに比例してか、そこまで大きくはなかったけれど、隣で手を握る幸樹には聞こえてしまったようで、
「お姉ちゃん、今何か言った?」
と、聞かれました。
「え⁈ あぁ……。あのね、今日の宿題が沢山で嫌だなって。でもがんばってちゃんとやるわ」
華奈はポケットをそっとなでながら、幸樹の方を見て言いました。
「急いでやらないといけないから、おうちに帰ったら一人でお部屋に行ってやってくるね。
みんなはテレビとか見ていていいよ」
本当は沢山ではないけれど、宿題はあります。でも、もうこれ以上隠し事をしたくなかった華奈は、できる限りウソにならないよう、幸樹に説明しました。
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