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第12話 確変
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ウゥゥゥゥ……!
サイレンの音が、安っぽいラブホテルの壁を震わせる。
窓の外には赤色灯の海。警察か、それとも組織の私兵か。普通ならここで「詰み」だ。
だが、俺の心臓は不思議と静かだった。
パチンコで大当たりを引く直前、周囲の雑音がふっと消えるあの感覚。
「ゾーン」に入った。
「……へっ、面白くなってきやがった」
俺は眠る女の頬を一度だけ撫で、部屋を出た。
廊下の突き当たり、非常階段のドアが蹴破られる。
現れたのは、黒いタクティカルベストを着込んだ特殊部隊員たち。先頭に立つのは、鋭い目つきの女隊長だ。
「発見! 408番だ! 撃つな、生け捕りにしろ!」
女隊長が指示を飛ばし、警棒を構えて突っ込んでくる。
速い。訓練された動きだ。
だが、今の俺には「止まって」見えた。
俺の体内では今、小鳩やミサ、そしてさっきの女から吸い上げた「情欲」と、極限状態の「アドレナリン」が化学反応を起こし、爆発的なエネルギーを生み出している。
俺は突っ込んできた女隊長の腕を、紙切れのように軽く払い除けた。
「なっ……!?」
体勢を崩した彼女の腰を抱き寄せ、壁にダンッ!と押し付ける。
いわゆる「壁ドン」の形だが、その威力は壁に亀裂が入るほどだ。
「離れろ! 貴様……!」
女隊長が抵抗しようと俺の胸を押し返す。
その瞬間、俺は彼女の耳元で、わざと濃厚なフェロモンを含んだ熱い息を吹きかけた。
「……ハァッ」
「ひっ……!?」
女隊長の身体が、電気ショックを受けたように跳ねた。
警棒がカランと床に落ちる。
至近距離で浴びる俺の体臭――「特級種馬」のフェロモンは、訓練された兵士の理性さえも一瞬で焼き切る猛毒だ。
「あ……が、力が……入らな……」
彼女の瞳が潤み、頬が瞬く間に紅潮していく。
俺の腕の中で、鋼鉄のように鍛えられた肢体が、メスの柔らかい肉へと変質していくのが分かった。
俺は彼女の太ももに膝を割り込ませ、股間をグリグリと押し付けた。
「おいおい、隊長さん。職務中にこんなに濡らしていいのか?」
「ち、違う……これは……あんたの匂いが……っ!」
「どけよ。今の俺は『確変(カクヘン)』中なんだ。誰にも止められねえよ」
俺は彼女の唇を強引に奪った。
抵抗などない。彼女は俺の背中に爪を立て、もっと深く求めてくるように舌を絡ませてきた。
数秒のディープキスで、彼女は完全に腰砕けになり、その場に崩れ落ちた。
「はぁ……はぁ……、いかないで……もっと……」
床で涎を垂らして懇願する女隊長を尻目に、俺は彼女のホルスターから拳銃と、腰のキーを抜き取った。
後ろに続いていた部下たちは、上官の醜態と、俺から放たれる圧倒的な「雄」のオーラに気圧され、動けずにいる。
「道を開けろ。……怪我したくなかったらな」
俺が低い声で威嚇すると、男たちは割れるように道を開けた。
動物的な本能が告げているのだ。今のこいつに関われば、喰われるか、犯されるかだと。
俺は悠々と非常階段を降り、裏口に停めてあった黒塗りの高級車――おそらく組織の幹部用の車だ――に乗り込んだ。
奪ったキーでエンジンを始動させる。
重低音が響き、シートの振動が俺の昂った股間に心地よく響く。
「ターゲットは飯塚市、高田義男の屋敷」
カーナビに目的地をセットする。
アクセルを踏み込むと、車は弾丸のように飛び出した。
パトカーの制止など意に介さず、俺はバリケードを強行突破する。
ガガガガッ!
火花を散らしながら夜の街を疾走する。
俺はもう、逃げ回るネズミじゃない。
俺の「種」を求めて群がってくる連中も、俺を利用しようとした黒幕も、全員まとめて俺の「養分」にしてやる。
「待ってろよ、高田。……お前の築き上げた地位も名誉も、俺の『一発』で全部ひっくり返してやる」
ハンドルを握る手に力がこもる。
かつてパチンコ台のハンドルを握っていた時と同じ、いや、それ以上の全能感が全身を駆け巡っていた。
今の俺なら、神様だって妊娠させられる気がする。
夜風が熱い。
俺の反撃の狼煙は、最高にエロくて暴力的な、確変大当たり(ジャックポット)のファンファーレだ。
サイレンの音が、安っぽいラブホテルの壁を震わせる。
窓の外には赤色灯の海。警察か、それとも組織の私兵か。普通ならここで「詰み」だ。
だが、俺の心臓は不思議と静かだった。
パチンコで大当たりを引く直前、周囲の雑音がふっと消えるあの感覚。
「ゾーン」に入った。
「……へっ、面白くなってきやがった」
俺は眠る女の頬を一度だけ撫で、部屋を出た。
廊下の突き当たり、非常階段のドアが蹴破られる。
現れたのは、黒いタクティカルベストを着込んだ特殊部隊員たち。先頭に立つのは、鋭い目つきの女隊長だ。
「発見! 408番だ! 撃つな、生け捕りにしろ!」
女隊長が指示を飛ばし、警棒を構えて突っ込んでくる。
速い。訓練された動きだ。
だが、今の俺には「止まって」見えた。
俺の体内では今、小鳩やミサ、そしてさっきの女から吸い上げた「情欲」と、極限状態の「アドレナリン」が化学反応を起こし、爆発的なエネルギーを生み出している。
俺は突っ込んできた女隊長の腕を、紙切れのように軽く払い除けた。
「なっ……!?」
体勢を崩した彼女の腰を抱き寄せ、壁にダンッ!と押し付ける。
いわゆる「壁ドン」の形だが、その威力は壁に亀裂が入るほどだ。
「離れろ! 貴様……!」
女隊長が抵抗しようと俺の胸を押し返す。
その瞬間、俺は彼女の耳元で、わざと濃厚なフェロモンを含んだ熱い息を吹きかけた。
「……ハァッ」
「ひっ……!?」
女隊長の身体が、電気ショックを受けたように跳ねた。
警棒がカランと床に落ちる。
至近距離で浴びる俺の体臭――「特級種馬」のフェロモンは、訓練された兵士の理性さえも一瞬で焼き切る猛毒だ。
「あ……が、力が……入らな……」
彼女の瞳が潤み、頬が瞬く間に紅潮していく。
俺の腕の中で、鋼鉄のように鍛えられた肢体が、メスの柔らかい肉へと変質していくのが分かった。
俺は彼女の太ももに膝を割り込ませ、股間をグリグリと押し付けた。
「おいおい、隊長さん。職務中にこんなに濡らしていいのか?」
「ち、違う……これは……あんたの匂いが……っ!」
「どけよ。今の俺は『確変(カクヘン)』中なんだ。誰にも止められねえよ」
俺は彼女の唇を強引に奪った。
抵抗などない。彼女は俺の背中に爪を立て、もっと深く求めてくるように舌を絡ませてきた。
数秒のディープキスで、彼女は完全に腰砕けになり、その場に崩れ落ちた。
「はぁ……はぁ……、いかないで……もっと……」
床で涎を垂らして懇願する女隊長を尻目に、俺は彼女のホルスターから拳銃と、腰のキーを抜き取った。
後ろに続いていた部下たちは、上官の醜態と、俺から放たれる圧倒的な「雄」のオーラに気圧され、動けずにいる。
「道を開けろ。……怪我したくなかったらな」
俺が低い声で威嚇すると、男たちは割れるように道を開けた。
動物的な本能が告げているのだ。今のこいつに関われば、喰われるか、犯されるかだと。
俺は悠々と非常階段を降り、裏口に停めてあった黒塗りの高級車――おそらく組織の幹部用の車だ――に乗り込んだ。
奪ったキーでエンジンを始動させる。
重低音が響き、シートの振動が俺の昂った股間に心地よく響く。
「ターゲットは飯塚市、高田義男の屋敷」
カーナビに目的地をセットする。
アクセルを踏み込むと、車は弾丸のように飛び出した。
パトカーの制止など意に介さず、俺はバリケードを強行突破する。
ガガガガッ!
火花を散らしながら夜の街を疾走する。
俺はもう、逃げ回るネズミじゃない。
俺の「種」を求めて群がってくる連中も、俺を利用しようとした黒幕も、全員まとめて俺の「養分」にしてやる。
「待ってろよ、高田。……お前の築き上げた地位も名誉も、俺の『一発』で全部ひっくり返してやる」
ハンドルを握る手に力がこもる。
かつてパチンコ台のハンドルを握っていた時と同じ、いや、それ以上の全能感が全身を駆け巡っていた。
今の俺なら、神様だって妊娠させられる気がする。
夜風が熱い。
俺の反撃の狼煙は、最高にエロくて暴力的な、確変大当たり(ジャックポット)のファンファーレだ。
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