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第13話 蹂躙
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高台に鎮座する、要塞のような豪邸。
この街の権力者、高田義男の屋敷は、富と虚飾の臭いで塗り固められていた。
ガシャアアアン!!
俺が運転する高級車は、鋳鉄製の正門を紙細工のように突き破り、綺麗に手入れされた庭の噴水に突っ込んで停止した。プシューッという蒸気音と共に、ひしゃげたボンネットから煙が上がる。
「……到着だ。派手な入場だろ?」
俺はエアバッグをナイフで切り裂き、ふらつく足取りで車外へ降り立った。額から流れる血が興奮剤となって、全身の細胞をさらに活性化させている。
「な、なんだ!? テロか!?」
屋敷の中から、警備員たちが飛び出してきた。だが、俺の姿を見た瞬間、彼らは足を止めた。
血と泥、そして俺の体から放たれる圧倒的な「雄」の圧。改造された肉体が発する濃厚なフェロモンを浴び、彼らは本能的な恐怖で身をすくませた。
「どけ。雑魚に構ってる暇はねえ」
俺が一歩踏み出すと、警備員たちは腰を抜かしたように後ずさり、道を開けた。俺は悠々と玄関を蹴破り、大理石のホールへと足を踏み入れた。
「ひっ、き、貴様は……!」
階段の上に、一人の初老の男が立っていた。高田義男。スーパーのオーナーであり、俺の人生を裏で操っていた黒幕の一人だ。その横には、若く美しい愛人のエリカが震えながら寄り添っている。
「よお、高田センセイ。……『商品』が自ら納品されに来てやったぞ」
「バ、バカな……! 施設は鉄壁のはずだ! なぜここが……!」
高田は顔面蒼白で手すりにしがみついている。俺はニヤリと笑い、階段をゆっくりと登り始めた。一段、また一段と近づくたびに、俺から放たれる熱気が彼らを包み込んでいく。
「ひっ……! 来ないで!」
エリカが、俺の前に立ちはだかった。だが、俺の胸元から漂う匂いを嗅いだ瞬間、彼女の瞳はとろんと濁り、膝の力が抜けたようにその場にへたり込んだ。俺から放たれる「特級」のフェロモンは、抗いようのない催淫効果を周囲に撒き散らしていた。
「見ての通りだ。あんたが金を積んで囲った女も、俺の前じゃただの雌(メス)に成り下がる」
「や、やめろ……! 汚らわしい!」
「汚らわしいのはどっちだ。俺の種を欲しがって、借金漬けにしてまで牧場に送り込んだのはあんただろ」
俺は高田の胸ぐらを掴み、手すりに押し付けた。逃げ場を失った高田の顔に、俺の荒い吐息がかかる。それだけで、彼は失禁せんばかりの恐怖に震え上がった。
「さあ、答えろ。……『ユダ』ってのは誰だ? 俺をハメて、小鳩を殺したのはどいつだ?」
「い、言えない……! 言ったら私が消される……!」
「言わなきゃ、今ここでお前の大事な屋敷を、俺の欲望でめちゃくちゃにしてやるぞ。……お前の娘も、同じ目に遭わせてやろうか?」
「なっ……!? 娘には手を出すな!」
高田は涙目で叫んだ。俺の冷徹な眼光に、彼はついに折れた。
「……『評議会』だ。この国の頂点に立つ数人の支援者が、小鳩主任の研究を独占しようとした。彼女が君を逃がそうとしていることに気づき、始末したんだ」
高田の口から語られる真実は、俺の予想を遥かに超えるものだった。
小鳩は、俺を守ろうとして死んだ。
その事実に、俺の胸の奥でどす黒い感情が弾けた。
「評議会の居場所は?」
「……港の倉庫街だ。今夜、そこで会合がある」
俺は高田をゴミのように放り捨てると、彼の懐から車のキーと札束を奪い取った。
「決着をつけに行ってくる。……高田、あんたの罪は後でゆっくり清算してやるよ」
俺は混乱する屋敷を後にし、夜の闇へと車を走らせた。
小鳩を殺した真犯人、そしてこの「奴隷システム」の頂点。
全員、俺の種に溺れさせて、絶望の中で果てさせてやる。
確変(カクヘン)は、まだ終わっちゃいねえ。
この街の権力者、高田義男の屋敷は、富と虚飾の臭いで塗り固められていた。
ガシャアアアン!!
俺が運転する高級車は、鋳鉄製の正門を紙細工のように突き破り、綺麗に手入れされた庭の噴水に突っ込んで停止した。プシューッという蒸気音と共に、ひしゃげたボンネットから煙が上がる。
「……到着だ。派手な入場だろ?」
俺はエアバッグをナイフで切り裂き、ふらつく足取りで車外へ降り立った。額から流れる血が興奮剤となって、全身の細胞をさらに活性化させている。
「な、なんだ!? テロか!?」
屋敷の中から、警備員たちが飛び出してきた。だが、俺の姿を見た瞬間、彼らは足を止めた。
血と泥、そして俺の体から放たれる圧倒的な「雄」の圧。改造された肉体が発する濃厚なフェロモンを浴び、彼らは本能的な恐怖で身をすくませた。
「どけ。雑魚に構ってる暇はねえ」
俺が一歩踏み出すと、警備員たちは腰を抜かしたように後ずさり、道を開けた。俺は悠々と玄関を蹴破り、大理石のホールへと足を踏み入れた。
「ひっ、き、貴様は……!」
階段の上に、一人の初老の男が立っていた。高田義男。スーパーのオーナーであり、俺の人生を裏で操っていた黒幕の一人だ。その横には、若く美しい愛人のエリカが震えながら寄り添っている。
「よお、高田センセイ。……『商品』が自ら納品されに来てやったぞ」
「バ、バカな……! 施設は鉄壁のはずだ! なぜここが……!」
高田は顔面蒼白で手すりにしがみついている。俺はニヤリと笑い、階段をゆっくりと登り始めた。一段、また一段と近づくたびに、俺から放たれる熱気が彼らを包み込んでいく。
「ひっ……! 来ないで!」
エリカが、俺の前に立ちはだかった。だが、俺の胸元から漂う匂いを嗅いだ瞬間、彼女の瞳はとろんと濁り、膝の力が抜けたようにその場にへたり込んだ。俺から放たれる「特級」のフェロモンは、抗いようのない催淫効果を周囲に撒き散らしていた。
「見ての通りだ。あんたが金を積んで囲った女も、俺の前じゃただの雌(メス)に成り下がる」
「や、やめろ……! 汚らわしい!」
「汚らわしいのはどっちだ。俺の種を欲しがって、借金漬けにしてまで牧場に送り込んだのはあんただろ」
俺は高田の胸ぐらを掴み、手すりに押し付けた。逃げ場を失った高田の顔に、俺の荒い吐息がかかる。それだけで、彼は失禁せんばかりの恐怖に震え上がった。
「さあ、答えろ。……『ユダ』ってのは誰だ? 俺をハメて、小鳩を殺したのはどいつだ?」
「い、言えない……! 言ったら私が消される……!」
「言わなきゃ、今ここでお前の大事な屋敷を、俺の欲望でめちゃくちゃにしてやるぞ。……お前の娘も、同じ目に遭わせてやろうか?」
「なっ……!? 娘には手を出すな!」
高田は涙目で叫んだ。俺の冷徹な眼光に、彼はついに折れた。
「……『評議会』だ。この国の頂点に立つ数人の支援者が、小鳩主任の研究を独占しようとした。彼女が君を逃がそうとしていることに気づき、始末したんだ」
高田の口から語られる真実は、俺の予想を遥かに超えるものだった。
小鳩は、俺を守ろうとして死んだ。
その事実に、俺の胸の奥でどす黒い感情が弾けた。
「評議会の居場所は?」
「……港の倉庫街だ。今夜、そこで会合がある」
俺は高田をゴミのように放り捨てると、彼の懐から車のキーと札束を奪い取った。
「決着をつけに行ってくる。……高田、あんたの罪は後でゆっくり清算してやるよ」
俺は混乱する屋敷を後にし、夜の闇へと車を走らせた。
小鳩を殺した真犯人、そしてこの「奴隷システム」の頂点。
全員、俺の種に溺れさせて、絶望の中で果てさせてやる。
確変(カクヘン)は、まだ終わっちゃいねえ。
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