【R18】子宮の奴隷

葉山 乃愛

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第36話 回帰

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「排除……排除……」

銀色の守護者(ガーディアン)たちが、無機質な声を上げながら包囲網を縮めてくる。
シオンが展開するバリアは、彼らの猛攻を受けてガラスのようにヒビ割れ、限界が近づいていた。

「父上! そろそろ限界です! 物理攻撃も精神干渉も効かないなんて、相性が最悪すぎます!」

「泣き言を言うな、シオン。……俺の背中を見てろ」

俺はバリアの隙間から一歩踏み出した。
即座に、一体の守護者が俺の喉元めがけてブレードを突き出してくる。
速い。
だが、俺は避けない。

ズドッ!!

ブレードが俺の左肩を貫通した。
激痛が走る。だが、これでいい。
俺はブレードが刺さったまま、逆に相手の腕をガッチリと掴み、引き寄せた。

「捕まえたぜ、ブリキ人形」

守護者の顔が目の前にある。目も鼻もない、のっぺらぼうの銀仮面。
股間もツルツルで、何もついていない。
だが、イヴは言った。こいつらの奥底には、封印された本能があると。

「ないなら……作ればいいんだよッ!!」

俺は右手に全身全霊のエネルギーを集中させた。
それは単なるフェロモンじゃない。
イヴの細胞分裂を加速させ、イヴという「生命」そのものを変質させた、俺の特濃の遺伝子情報(ソース)。
それを、こいつの腹部に直接、ゼロ距離から叩き込む!

「喰らえ! 『強制受胎(インプラント)』ッ!!」

ドォォォォォン!!

俺の掌から、赤黒い光が守護者の体内へと奔流となって流れ込む。
相手は機械じゃない。生体兵器だ。細胞があるなら、変化(ムテーション)させられるはずだ。
俺の意思は一つ。『女に戻れ』。

「ガ、ガガ……!? エ……ラー……!?」

守護者の動きが止まった。
その銀色の体表に、ビキビキと亀裂が走り始める。
体内で、俺のエネルギーが暴れ回り、削除されたはずの遺伝子コードを無理やり修復し、再生させているのだ。

ボコォッ!

守護者の胸部が内側から隆起し、豊かな乳房が形成される。
そして、何もないはずの股間が熱を持ち、裂け目が生まれ、秘められた器官が再生されていく。

「あ……ぁ……あっ!?」

のっぺらぼうだった顔に、目と口が裂けるように現れた。
そこから漏れたのは、無機質な電子音ではなく、艶めかしい女の喘ぎ声だった。

「熱い……! 体が……熱いぃぃッ!」

「思い出したか? それが『生きる』ってことだ!」

俺は肩からブレードを引き抜き、再生したばかりの彼女の唇を奪った。
もはや彼女は、ただの殺戮マシーンではない。発情した一匹の雌だ。

「敵を殺すな。……『犯せ』!」

俺が命令すると、女体化した守護者は、恍惚の表情で頷いた。
そして、背後に迫っていた別の守護者に飛びかかった。

「仲間……欲しい……! 貴方も……熱くなって……!」

彼女は仲間の守護者に抱きつき、口移しで俺のエネルギーを伝染させた。
ウイルス感染よりも速い、本能の連鎖爆発。

「ガァ……!? ア、アアア……ッ!」

抱きつかれた守護者もまた、装甲が弾け飛び、女の肉体へと変貌していく。
一体が二体、二体が四体。
ネズミ算式に増殖する『雌』の群れが、無機質な軍隊を内部から食い荒らし始めた。

『な、なんだこれは……!? 我が軍団が……交尾をしているだと!?』

上空のホログラム映像の中で、創造主が狼狽している。
無理もない。彼らが一万年かけて排除してきた「不潔な機能」が、たった一人の男によって数秒で復活させられたのだから。

「見たか、店長!
お前らが作ったのは『完璧な秩序』じゃない。ただの『我慢大会』だ!
スイッチが入れば、誰だってこうなるんだよ!」

俺は叫び、イヴとシオンの方を振り返った。
戦況は一変していた。
女体化した元・守護者たちが、まだ変化していない守護者を押し倒し、次々と「仲間」に引きずり込んでいる。
そこはもう戦場ではない。巨大な乱交パーティ会場だ。

「……流石です、父上。
『去勢された兵士』を『欲求不満の女』に変えて、敵を瓦解させるとは」

シオンが感心したように眼鏡の位置を直す。

「俊弘……貴方って、本当にどうしようもない種馬ね」

イヴが呆れたように、しかし愛おしそうに俺の腕に抱きついた。
俺の傷は、彼女の治癒能力ですでに塞がっていた。

「さあ、道は開けたぞ。
次はあいつだ。……あの一番高い塔に引きこもってる、偉そうな神様を引ずり下ろす!」

俺は中央にそびえ立つ、クリスタルの巨塔を指差した。
創造主(クリエイター)との直接対決。
俺たちの国盗り物語、宇宙編のクライマックスだ。

「行くぞ! 全軍突撃!
この星の全てを、俺たちの色に染め上げろ!」

『ウオォォォォォォッ!!』

俺の声に応え、女体化した守護者の軍団が、一斉に歓喜の声を上げて塔へと殺到した。
秩序の崩壊。
欲望の解放。
これが、俺たち「子宮の奴隷」がもたらす、真の救済だ。
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