魔女はいかがですか

ツヨシ

文字の大きさ
上 下
22 / 27

22

しおりを挟む
それからしばらく経ったある日、学校から帰って玄関の戸を開けると、中にいたミミが叫んだ。

「入ってこないでください!」

途端にまわりの景色が歪んだみ、そして一変した。

そこは大きな洞窟のようなところだった。

上も下も右も左も前も後ろも、全部岩だ。

本来なら光源がないために真っ暗なはずだが、天井がところどころほんのり赤く光っているために、全体が見渡せる。

「ここは?」

「うーん、またお父さんとお母さんに会いに行ってまして……」

「また道を消し忘れたってか!」

「そうなんです。ごめんなさい。まさとさんが帰って来る前に消そうとしたんですが、間に合わなくて……」

「あちゃあ。それじゃあ消し忘れた道を通って帰らないと」

「今、探しています」

「探してる?」

「前にも言いましたが、道は消し忘れるとあちこちに移動します。今どこにあるのか、わからないんです。近くにあるとは思うんですが」

「じゃあ早く見つけてくれ」

「はい、今やっています」
しおりを挟む

処理中です...