7 / 20
∞8《インフィニティエイト》
7話 天体観測。
しおりを挟む
夜になり、三人は家から徒歩二十分くらいのところにある丘の上にいた。
日が落ちても気温は高くて、半袖ショートパンツでも汗が出る。用水路からはカエルの大合唱がひっきりなしに聞こえてくる。
「ここ、意外と眺めいいよな。昔と変わらないや」
シートと荷物を抱えたリクが夜空を見上げる。
祭りの賑わいが遠くに聞こえる中、ここは別世界みたいに静かだった。
街灯もない丘の上は暗闇に包まれ、見上げれば星空が広がっていた。
「じゃあ、準備するね」
ソラが持ってきた天体望遠鏡を組み立て始める。
「ほら、覗いてみて」
夏美は言われるまま、レンズを覗いた。
視界の中に広がるのは、淡く輝く天の川だった。肉眼では見ることのできない細かい星も見ることができる。
「……すごい、きれいだね」
「いま望遠鏡を合わせているこの位置で、天の川の上の方に見えるのがこと座のベガ。いわゆる織姫星。反対側の明るい星が、わし座のアルタイル。彦星だよ」
ソラは【よくわかる、こどもの星座図鑑】を片手に説明してくれる。
ソラが星を好きになったルーツだという本だ。
「懐かしいな。その本、まだ大事にしていてくれたんだ」
「…………うん」
やはりソラの笑顔は不自然で、答えもぎこちない。
リクはシートを広げて座り、ポテトスナックをバリバリ食べている。
自分で天体観測しようと提案しておきながら、花より団子、星よりポテチ。なんともリクらしい。
ソラは星を見上げながら、話し始める。
「ちょうどいい。七夕の話でもしようか」
「七夕伝説? 織姫と彦星が恋に落ちて働かなくなったから、怒った神様に引き離されちゃったっていうあれ?」
「そう。七夕の日しか会えなくなった、夫婦の話だね」
夏美はソラの横顔を見上げる。
「その伝承になっている、中国の七夕の日付について。日本の七夕は七月七日だけど、織姫と彦星の伝説が生まれた中国の七夕はちょうど今くらいの時期だ」
「日本と違うの?」
「旧暦を基準にしてるからね。今とは暦が違うんだ」
夏美はゆっくりと夜空を見上げる。
「……そっか」
「一年に一度しか会えないのが、織姫と彦星。……でも、僕たちも似たようなものかもしれないね」
ソラは視線を夏美に移して、静かに言った。
「僕は、東京大学の天文学科を目指しているんだ」
温かい夜風が頬をなでていく。
「天文部で観測しているうちに、もっと星のこと学びたくなった。それで、東大なら天文学を専門的に学べるって知った。……父さんと母さんには、去年のうちに相談して、許可をもらっている。夏美が福岡に引っ越さなくても、どのみち僕たちは離れ離れになってたよ」
「はぁ!? 何だそれ!? 兄貴が家を出るなんて、俺そんな話聞いてねーぞ!!」
弟であるリクすら初耳の情報なようで、顔色を変えた。
「リクには言ってないから。父さんと母さんにも口止めしてた。リクは口が軽いから、教えるなって念押しても、絶対夏美にも話が行くじゃない」
「ひっでー! 兄貴、俺のこと信用しなさすぎじゃね」
普段のソラならここに軽口を返すのに、ソラは淡々と話を続ける。
「だから、たとえ夏美がここに残っても、ずっと一緒にはいられなかったよ。卒業したらバラバラになる」
「……そっか」
夏美はぽつりと呟く。
ソラの様子がずっとおかしかったのは、このことを伝えたかったからなのだろうか。
夏美が両親にお願いして新潟に残っていたとしても、高校卒業を機に、ソラはここからいなくなっていた。
ソラが夏美に会いに来るか、夏美から会いに行かない限りどんどんと疎遠になっていく。
例えばソラが東京の学校で大恋愛をしてその人と結婚したら、東京で家庭を持ったら、ここに帰ってくる頻度は更に減る。
近所に住んでいた小学生時代のお姉さんも、夏美が知らない大人になっていた。
街ですれ違ってもわからないくらいだ。
毎日一緒にいたのに、赤の他人と変わらないくらい遠くなる。
木の葉がひらりと舞い落ちる。
夏美はそっと拳を握る。
「兄貴、ちょっとそっちで話そうぜ。言っておくことがある」
ソラとリクは夏美から離れ、二人でなにか話し込んでいた。
言い争っているようにも見える。
話が終わったのか、しばらくしてリクが戻ってきて、夏美に言った。
「俺、用事あるから先に帰るわ。夏美は兄貴と二人で帰ってきな」
「え、う、うん。大丈夫? 喧嘩、したの?」
「心配すんな。喧嘩じゃねーよ。とにかく、そういうわけだから。兄貴、夏美をちゃんと家まで送れよ?」
リクはシートを担ぐと、軽い足取りで丘を駆け下りていった。
夏美とソラは二人きりになる。
いつもなら、気まずさなど感じることのないはずの時間が、今日はひどく重たく感じられる。
今日一日、ソラの様子はどこかおかしかった。
いつも通り星の話をしてくれたけれど、どこか上の空だったし、夏美が話しかけても、短く返事をするばかりだった。
夏美は何度も考えた。
ループのことでリクと話す時間はあった。
けれど、夏美とリクは幼なじみだし、普段から会話しているから特別変わったこともない。
それなのに、ソラの態度は明らかに変わっていて。
まるで、何かを我慢しているみたいに、ぎこちなかった。
「ソラ?」
「……なに?」
少し間を置いて、ソラは短く返事をした。
暗がりのせいで表情ははっきりと見えないけれど、何かを飲み込むように唇を引き結んでいるのが分かった。
しばらく沈黙が続いた後、夏美は意を決して口を開いた。
「ソラ。私、今日はずっとソラに話したかったことがあるの」
「……なに?」
「私たち……何度も八月八日を繰り返してる」
ソラの瞳が、わずかに揺れる。
「どういう意味?」
「何度も、この日をやり直してるの。何回眠っても、目が覚めると八月八日が始まってる」
ソラは黙ったまま、じっと夏美を見つめた。
その視線が、どこか冷めているように感じて、夏美は不安になる。
「リクも気づいて、今朝私に連絡をくれたの。私たちは今、七回目の八月八日を過ごしてるって」
「……リクも?」
「うん」
夏美は真剣に訴えたけれど、ソラはすぐに目を伏せ、ふっと苦笑する。
「ごめん。正直、信じられない」
「……え?」
「だって、そんな非現実的な話、急に言われても」
夏美は、思わず息をのむ。
「……前のソラは、ループのこと知ってたよ」
「僕が?」
「うん。最初の頃は、ソラだけがループの記憶を持ってた。だから、ソラはループのことを分かってたはずなんだよ」
ソラはじっと夏美を見つめる。その目はどこか疑わしげだった。
「……でも、ここにいる僕にとって、昨日は八月七日だよ。時間がループしているってどうやって証明できる? もしかして、そのループっていうのもリクと夏美の二人で考えたイタズラだったりしない? 僕をからかっているの?」
言葉が、夏美の胸を刺す。
信じてもらおうにも、証拠がない。ループすると一日の中であったことがすべてリセットされてしまう。
三回目のとき手のひらに負った擦り傷は、四回目の朝消えてしまった。
五回目のループで手帳に書いたメモも、真っ白になっている。
本人が覚えていることでしか、ループを証明できない。
「イタズラじゃない。本当だよ!」
夏美は訴える。ソラなら信じてくれると願って。でも、ソラの表情は変わらなかった。
「夏美が言う『ループを知る僕』の記憶は、僕にはない。昨日は八月七日だった」
夏美にとっては繰り返された日々でも、ループの記憶を忘れたソラにとっては「唯一無二の八月八日」だ。
それでも、夏美は分かってほしかった。
一緒に、ループを抜け出す方法を探してほしかった。
(ソラに忘れられてしまうことは、こんなに悲しい)
夜空を見上げると、雲に隠されて、星はほとんど見えなくなっていた。
それから二人とも無言で家に帰った。
しばらくして、リクから夏美のスマホに電話が来た。
「悪い、夏美。俺が後押ししようとしたこと、全部逆効果になっちまったんだな。変な嘘つくなって、さっき兄貴にめちゃくちゃキレられた」
「……ううん。リクは悪くない。信じるの、難しいに決まってる。今のソラにとって、昨日は八月七日なんだもん」
五回目までループの記憶を持ったソラが夏美の味方でいてくれたことは、奇跡のようなものだった。
ソラならいつでも夏美を信じてくれると、思い上がっていた。
「……兄貴、めちゃくちゃ嫉妬深いからな。次の八月八日、兄貴にループの記憶がなかったら、俺は夏美と必要以上に接触しないように気をつける」
「うん」
「きっと、いつかループが終わるから。だから、諦めんなよ、夏美。お前が沈んでるの、見てらんてぇから」
「ありがとう、リク」
こうして協力してくれるリクが、次の八月八日も記憶を維持しているとは限らない。
三人とも今日を忘れて、ループに飲まれていくかもしれない。
通話を終えて、夏美は泣きたい気持ちで布団に横になった。
日が落ちても気温は高くて、半袖ショートパンツでも汗が出る。用水路からはカエルの大合唱がひっきりなしに聞こえてくる。
「ここ、意外と眺めいいよな。昔と変わらないや」
シートと荷物を抱えたリクが夜空を見上げる。
祭りの賑わいが遠くに聞こえる中、ここは別世界みたいに静かだった。
街灯もない丘の上は暗闇に包まれ、見上げれば星空が広がっていた。
「じゃあ、準備するね」
ソラが持ってきた天体望遠鏡を組み立て始める。
「ほら、覗いてみて」
夏美は言われるまま、レンズを覗いた。
視界の中に広がるのは、淡く輝く天の川だった。肉眼では見ることのできない細かい星も見ることができる。
「……すごい、きれいだね」
「いま望遠鏡を合わせているこの位置で、天の川の上の方に見えるのがこと座のベガ。いわゆる織姫星。反対側の明るい星が、わし座のアルタイル。彦星だよ」
ソラは【よくわかる、こどもの星座図鑑】を片手に説明してくれる。
ソラが星を好きになったルーツだという本だ。
「懐かしいな。その本、まだ大事にしていてくれたんだ」
「…………うん」
やはりソラの笑顔は不自然で、答えもぎこちない。
リクはシートを広げて座り、ポテトスナックをバリバリ食べている。
自分で天体観測しようと提案しておきながら、花より団子、星よりポテチ。なんともリクらしい。
ソラは星を見上げながら、話し始める。
「ちょうどいい。七夕の話でもしようか」
「七夕伝説? 織姫と彦星が恋に落ちて働かなくなったから、怒った神様に引き離されちゃったっていうあれ?」
「そう。七夕の日しか会えなくなった、夫婦の話だね」
夏美はソラの横顔を見上げる。
「その伝承になっている、中国の七夕の日付について。日本の七夕は七月七日だけど、織姫と彦星の伝説が生まれた中国の七夕はちょうど今くらいの時期だ」
「日本と違うの?」
「旧暦を基準にしてるからね。今とは暦が違うんだ」
夏美はゆっくりと夜空を見上げる。
「……そっか」
「一年に一度しか会えないのが、織姫と彦星。……でも、僕たちも似たようなものかもしれないね」
ソラは視線を夏美に移して、静かに言った。
「僕は、東京大学の天文学科を目指しているんだ」
温かい夜風が頬をなでていく。
「天文部で観測しているうちに、もっと星のこと学びたくなった。それで、東大なら天文学を専門的に学べるって知った。……父さんと母さんには、去年のうちに相談して、許可をもらっている。夏美が福岡に引っ越さなくても、どのみち僕たちは離れ離れになってたよ」
「はぁ!? 何だそれ!? 兄貴が家を出るなんて、俺そんな話聞いてねーぞ!!」
弟であるリクすら初耳の情報なようで、顔色を変えた。
「リクには言ってないから。父さんと母さんにも口止めしてた。リクは口が軽いから、教えるなって念押しても、絶対夏美にも話が行くじゃない」
「ひっでー! 兄貴、俺のこと信用しなさすぎじゃね」
普段のソラならここに軽口を返すのに、ソラは淡々と話を続ける。
「だから、たとえ夏美がここに残っても、ずっと一緒にはいられなかったよ。卒業したらバラバラになる」
「……そっか」
夏美はぽつりと呟く。
ソラの様子がずっとおかしかったのは、このことを伝えたかったからなのだろうか。
夏美が両親にお願いして新潟に残っていたとしても、高校卒業を機に、ソラはここからいなくなっていた。
ソラが夏美に会いに来るか、夏美から会いに行かない限りどんどんと疎遠になっていく。
例えばソラが東京の学校で大恋愛をしてその人と結婚したら、東京で家庭を持ったら、ここに帰ってくる頻度は更に減る。
近所に住んでいた小学生時代のお姉さんも、夏美が知らない大人になっていた。
街ですれ違ってもわからないくらいだ。
毎日一緒にいたのに、赤の他人と変わらないくらい遠くなる。
木の葉がひらりと舞い落ちる。
夏美はそっと拳を握る。
「兄貴、ちょっとそっちで話そうぜ。言っておくことがある」
ソラとリクは夏美から離れ、二人でなにか話し込んでいた。
言い争っているようにも見える。
話が終わったのか、しばらくしてリクが戻ってきて、夏美に言った。
「俺、用事あるから先に帰るわ。夏美は兄貴と二人で帰ってきな」
「え、う、うん。大丈夫? 喧嘩、したの?」
「心配すんな。喧嘩じゃねーよ。とにかく、そういうわけだから。兄貴、夏美をちゃんと家まで送れよ?」
リクはシートを担ぐと、軽い足取りで丘を駆け下りていった。
夏美とソラは二人きりになる。
いつもなら、気まずさなど感じることのないはずの時間が、今日はひどく重たく感じられる。
今日一日、ソラの様子はどこかおかしかった。
いつも通り星の話をしてくれたけれど、どこか上の空だったし、夏美が話しかけても、短く返事をするばかりだった。
夏美は何度も考えた。
ループのことでリクと話す時間はあった。
けれど、夏美とリクは幼なじみだし、普段から会話しているから特別変わったこともない。
それなのに、ソラの態度は明らかに変わっていて。
まるで、何かを我慢しているみたいに、ぎこちなかった。
「ソラ?」
「……なに?」
少し間を置いて、ソラは短く返事をした。
暗がりのせいで表情ははっきりと見えないけれど、何かを飲み込むように唇を引き結んでいるのが分かった。
しばらく沈黙が続いた後、夏美は意を決して口を開いた。
「ソラ。私、今日はずっとソラに話したかったことがあるの」
「……なに?」
「私たち……何度も八月八日を繰り返してる」
ソラの瞳が、わずかに揺れる。
「どういう意味?」
「何度も、この日をやり直してるの。何回眠っても、目が覚めると八月八日が始まってる」
ソラは黙ったまま、じっと夏美を見つめた。
その視線が、どこか冷めているように感じて、夏美は不安になる。
「リクも気づいて、今朝私に連絡をくれたの。私たちは今、七回目の八月八日を過ごしてるって」
「……リクも?」
「うん」
夏美は真剣に訴えたけれど、ソラはすぐに目を伏せ、ふっと苦笑する。
「ごめん。正直、信じられない」
「……え?」
「だって、そんな非現実的な話、急に言われても」
夏美は、思わず息をのむ。
「……前のソラは、ループのこと知ってたよ」
「僕が?」
「うん。最初の頃は、ソラだけがループの記憶を持ってた。だから、ソラはループのことを分かってたはずなんだよ」
ソラはじっと夏美を見つめる。その目はどこか疑わしげだった。
「……でも、ここにいる僕にとって、昨日は八月七日だよ。時間がループしているってどうやって証明できる? もしかして、そのループっていうのもリクと夏美の二人で考えたイタズラだったりしない? 僕をからかっているの?」
言葉が、夏美の胸を刺す。
信じてもらおうにも、証拠がない。ループすると一日の中であったことがすべてリセットされてしまう。
三回目のとき手のひらに負った擦り傷は、四回目の朝消えてしまった。
五回目のループで手帳に書いたメモも、真っ白になっている。
本人が覚えていることでしか、ループを証明できない。
「イタズラじゃない。本当だよ!」
夏美は訴える。ソラなら信じてくれると願って。でも、ソラの表情は変わらなかった。
「夏美が言う『ループを知る僕』の記憶は、僕にはない。昨日は八月七日だった」
夏美にとっては繰り返された日々でも、ループの記憶を忘れたソラにとっては「唯一無二の八月八日」だ。
それでも、夏美は分かってほしかった。
一緒に、ループを抜け出す方法を探してほしかった。
(ソラに忘れられてしまうことは、こんなに悲しい)
夜空を見上げると、雲に隠されて、星はほとんど見えなくなっていた。
それから二人とも無言で家に帰った。
しばらくして、リクから夏美のスマホに電話が来た。
「悪い、夏美。俺が後押ししようとしたこと、全部逆効果になっちまったんだな。変な嘘つくなって、さっき兄貴にめちゃくちゃキレられた」
「……ううん。リクは悪くない。信じるの、難しいに決まってる。今のソラにとって、昨日は八月七日なんだもん」
五回目までループの記憶を持ったソラが夏美の味方でいてくれたことは、奇跡のようなものだった。
ソラならいつでも夏美を信じてくれると、思い上がっていた。
「……兄貴、めちゃくちゃ嫉妬深いからな。次の八月八日、兄貴にループの記憶がなかったら、俺は夏美と必要以上に接触しないように気をつける」
「うん」
「きっと、いつかループが終わるから。だから、諦めんなよ、夏美。お前が沈んでるの、見てらんてぇから」
「ありがとう、リク」
こうして協力してくれるリクが、次の八月八日も記憶を維持しているとは限らない。
三人とも今日を忘れて、ループに飲まれていくかもしれない。
通話を終えて、夏美は泣きたい気持ちで布団に横になった。
1
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
罪悪と愛情
暦海
恋愛
地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。
だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
紙の上の空
中谷ととこ
ライト文芸
小学六年生の夏、父が突然、兄を連れてきた。
容姿に恵まれて才色兼備、誰もが憧れてしまう女性でありながら、裏表のない竹を割ったような性格の八重嶋碧(31)は、幼い頃からどこにいても注目され、男女問わず人気がある。
欲しいものは何でも手に入りそうな彼女だが、本当に欲しいものは自分のものにはならない。欲しいすら言えない。長い長い片想いは成就する見込みはなく半分腐りかけているのだが、なかなか捨てることができずにいた。
血の繋がりはない、兄の八重嶋公亮(33)は、未婚だがとっくに独立し家を出ている。
公亮の親友で、碧とは幼い頃からの顔見知りでもある、斎木丈太郎(33)は、碧の会社の近くのフレンチ店で料理人をしている。お互いに好き勝手言える気心の知れた仲だが、こちらはこちらで本心は隠したまま碧の動向を見守っていた。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

