物語！

王と王の戦い

この世界に二人の王が居た。

一人はミスや、追い詰められながらも独創性を持ち、人格に優れたもの。

そして、もう一人は大局観に優れ全てを見通す程の力を持つものだった。

後者は彼を引き継ぎ、これからを担おうとする。

人格もまた優れ、ひたむきな姿勢を示す。

前王は悩んでいた。

もう一度、自分は王として返り咲くのか、それとも、このまま隠居するのか？

切磋琢磨し、ともに進んでいくのもまたいい、しかし、今の自分にそれほどの実力があるのだろう？

現王のことを思うと、勇猛果敢に挑んでゆく姿が浮かんできた。

彼が来る前に支配していた有力な3人を抑え、単独トップに躍り出る。

彼に敵うものは一人も居ない。

近い頃、前王は彼に挑んだ。

数回はよく戦えたものの、彼の大局観や、抜け目のない強さに一方的に負けてしまった。

このまま、時代は変わっていくのだろうか‥？

前王は思った。

それもまたいい。

何故なら、彼自身がとても人格に優れるものだったから。

もし、彼が非道な人間であったのなら、負けたことがとても悔しかっただろう。

何度でも、挑んでいけたろうし、王であり続けようと思っただろう。

けれど、彼のひたむきな姿勢は、多くを魅了したし、自分自身も先を感じた。

これからより良い時代を作るだろうと。

これもまたいいのかもしれない。

前王は心の中で、彼を望んでいた。

戦いのときは真剣に相対したし、彼を褒め称えた。

彼自身もまた、前王ということを尊重し、過去の人への態度も素晴らしいものである。

遠くから見る、一人の観察者としてこれから行こうか‥。

彼はひっそりと続けていった。

その少しあと、現王はすべての部族を抑えた。

有力者3人も、彼に負けても、彼自身を尊重し褒め称える。

そこから長きに渡り、その王の時代がやってきた。

彼はとても偉大な王となった。

負けたとしても、落ち着きがあり、自分のプレイを乱さない。

一直線に目の前を見つめ進んでいく。

彼の姿に多くの人は惹かれたし、愛された。

前王もまた、そんな彼を祝福した───────