物語！

決意

別れは突然だった。

とても長い時間、一緒に時を過ごしていた人。

けれども、ある日、気持ちのすれ違いか離れ離れにならなくてはいけなくなった。

そのときはもう良いと思った。

しかし、長い間、そうして過ごしてると寂しさや、虚無感が襲ってくる。

あの人と過ごしていたときは少なからずはそんなことはなかった。

安心感が少なからずあった。

思い通りにしよう‥。

あのときはそう思っていたし、今もその部分はあった。

しかし、もう一度‥と考えていたが、結局は関係がさらに離れていっただけ‥。

その都度思った。

すぐに元通りになりたいと‥。はやくはやくと思いが強かった。

けれども、繰り返していくうちにどんどんと遠くへ離れていくばかり‥。

僕はなぜ、その人と一緒に居たいのか

それを考えていなかった。

ある日、改めて、そのことについて考えてみることにした。

その人のことを考えると、嫌なことがたくさんある。

意地悪なことをされたこともあるし、思い通りのなさを何度も感じた。

その結果、関係も悪くなった。

けれども、短い時間ではあったが、嬉しいこともある。

話にのってくれたし、それで、落ち着いた部分が少なからずあった。

本当に一緒に居たい。そんな人物であるかは今でもわからない。

ただ、長くともに居た時間が、その人を求めるのだ。
　
ある日、僕は自分の姿を変えて、その人に近付いていった。

全くあの頃とは違う、自分の姿。

僕は少しずつ、その人の近くに、邪魔にならないよう行くことにした。

時々、視線が向けられる。

あの人は気付いてるのかどうか‥。

そんなことを考えながら、僕は、普通にしていた。

時に、急接近したこともあった。

しかし、その人は、特に嫌な気持ちをぶつけることなく、みんなと同様に接する。

勝手に思っていただけだが、もしかしたら‥僕は心の中でそう思っていた。

これから少しずつ、またいつも通りの日々を‥。

それは僕の願いだった‥。

もう叶えられないかもしれない‥

だけど、願ってしまうんだ‥。

懐かしいあの日々を‥