物語！

ガラスの天井

最強を決める。

この世界では、一番になったものがすべての権利を得る。

実力の世界だ。

頑張れば頑張る程いい。

そんな世界のはずだった。

しかし‥。

人々が思い描いた世界はそこにはなかった。

誰か一人が一番を目指せば、また誰か一人も一番を‥。

激戦のそれとなる。

決め方、それは‥。

一人一人や、数人が集まって戦いをする。

そして、強いほうが勝ち、弱い方は負ける。

最初は強いものが勝っていたが、途中から、長くしているものが勝つようになった。

その決め方は武力ではなく、知力面が大きく、被害の少ないものであった。

しかし、そのためか、時間が長いものの方が有利だったのである。

そして、もう一つ。この戦いには指標のようなものがあった。

勝つのが多ければ多いほど、下がりやすく、取り返すのが大変になる。

いわゆるレーティングのようなものだ。

しかし、その中には理不尽さもある。

ある程度強くなれば、同じくらいのレベルの人にもマイナスになる。

トップを牛耳っていた者たちは、ある時から、手を組むようになった。

お互いを邪魔せず、強者となるために‥。

戦いにならないため‥

しかし、それによって、新しい問題が出てきた。　　
　
それは‥

最強にならなければ、負け続けるだけとなることだった。

本当に強いもの以外は同じ分類とされて、上位とのあつい壁がある。

本当は実力が離れていても、その領域内では変わらない。

見えない壁によって、実力を反映できなくなっている。

そして、勝ち続けられるもの。それは運か、並外れた実力の持ち主。

強いものだったとしても、同盟外であったり、運が悪ければ自分より実力が離れてるものと同じとされる。

嫌われれば、わざと狙われて落とされることもあるかもしれない。

システム自体が実力のない者たちをサンドバッグとするもの。

実力の優れたものは、ない者たちをどうしてもいい。

そんな実力主義的なそれが、この世界だった。

数人かは、この機能により、場所を離れていった。

トップを走っていたものすらも、いつ落とされるか分からない。

消えていくものも多かった。

その不安の中で走っていく。

しかし、また、強いもの達も頑張るからこそ、見えないガラスの壁があり、新しく時代を作るものも少なかった。

ただ、もし、いるとすれば、道を大きく外れたものなのかもしれない