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第2章 俺 覚醒!?

38:動き出していた闇

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崩れ落ちたミリルの前に立つロジィエ……

ミリル 
 「殺せ……私はどうやってもお前を超えられない…ドワーフの世界も変わらない…私の生きる世界はココにはない……」 

ロジィエ
 「ミリル…あなたのやり方は正しくはなかった…でも ドワーフの世界に新たな可能性を与えたことは事実よ」 

ミリル 
「…お前にはわかるまい!私の怒りが!できない奴の苦しみが」
 
ロジィエ
「ええ まったくわからない…だって私はあなたじゃないもの、あなたもわからないでしょ私の怒りや悲しみを」
 
ミリル
「……」
 
ロジィエ
「私は伝説のクリエイトなんかなりたくなかった!みんなと…あなたと一緒に楽しくすごしていければそれでよかったのに……」
 
ミリル
「今さら…」
 
ロジィエ
「私も伝えることができなかった…そしてあなたも……」

ミリル
 「もう遅いのよ…!」

ミリルが急に立ち上がりロジィエさんへと走り出した!

まさか……

アクアさんが叫ぶ

アクア
「ロジィエさん!」   

グッサ! 

どこから伴なく投げられたナイフが刺さった……ミリルに…


ロジィエ
「ミリル!」 
  
ロジィエさんを狙ったと思われるナイフがミリルを貫く! 

ミリル 
「なんで!ミリルどうして!」 

俺達は投げた敵を探し追いつめる! 
ナイフを刺したのは敵の残党シャドーシザー……

シャドーシザー 
「っち!計画とは違うがまあ良い、これも予定通りだ」 

「どういうことだ!」
  
俺が叫ぶと…… 

シャドーシザー
「時期にわかる…」
 
そういうと残党達は闇へと消えてしまった……
するとプレイヤー達が急に騒ぎ出す!

プレイヤー   
 「おい!トルシテンの町がスヴァルト国に襲われてるってフレから」
 「どういうことだ?」
 「町の人も、冒険者もみんな火山に行ってて敵にやられたい放題みたいだぞ」
 「武器もこちらと同じ状態で使い物にならないらしい」   

やられた…
この討伐自体が囮…本当は町の制圧が目的なのか!  

ミリル
「ハアハア、そん……な…バカな…こんな話聞いてない」 
  
瀕死のミリルが事態を聞き無理やり立ち上がろうとしている…… 
 
ロジィエ
「ミリル無理をしてはダメよ」

ロジィエさんがそれを止める。 

ミリル
「私は…ドワーフの国を発展、変革をするためにと…スヴァルト国もその為に力を貸すと…騙したのか」 

実際その通りだろう、
ミリルは踊らされていたに過ぎない… 
ほんとの根端はドワーフ国の侵略。

アクア
「スヴァルト国…私の国だけでなくドワーフの国まで!」  

プレイヤー達、ドワーフのNPC達も急いで戻ろうとしているがここから戻っても間に合わないだろう…… 

サポートNPC達
「俺の町が!あんた冒険者だろう町まで一瞬で行ける方法はないのか」
「なんでこんなことに」
「俺の町が!家族が!」

 混乱と怒りが辺りを支配する……  
その時俺の感覚がまたスレインさんと入れ変わった。 

スレイン
「静まれ!」

スレインさんの声が響く……

スレイン
「怒りの矛先が違うのではないか?これはお主達が招いたことだろう!ドワーフ族として誇りを忘れたか!」

NPC達は黙る…… 

スレイン
「お前たちにチャンスをやる!これから儂の力で町へ送ってやる」

おおおお!

プレイヤー、NPCからまさかの一言に喜びの声があがる! 

スレイン
「だが!儂ができることはそこまでじゃ、あとはお主達の手で未来を勝ち取るのじゃ!」 

 「おう!」
 「当たり前だ!」
 という勝気なプレイヤー、NPCとは対照的に 

「スレインはきてくれないのか」
「俺達だけじゃ…」
「武器も無いし…」
スレインがこないことに不安視するプレイヤー、NPCも少なからずいるようだ……

ドン!
  
スレインはハンマーで地面を叩きつける!

スレイン 
 「臆するな!菓子だろうが武器であろうが己が積み上げたものに無駄はない!あとはそれを使い困難にいかに立ち向かうか!今までのことを悔やむ時間など無い!今できる全てをぶつけるのじゃ!ドワーフの誇り、絆を忘れるな!」 

すると一人のドワーフが……

ドワーフNPC
「俺の攻撃力UPのケーキをみんな使ってくれ!!素手だってこれなら攻撃力がかなり上がるはずだ」 
  
他のNPCも続く!


「俺の防御UPタルトを」
「回避UPプリンを!」 

それぞれの自分のステータスUPの菓子を配り出した! 

スレインは一振りの剣を発現させる! 

スレイン
 「次元刀 一閃」 

 スレインは目の前の何も無いところを薙ぎ払うとそこに空間の裂け目が広がり、
目の前に敵襲を受ける町が見えた…… 

スレイン
 「さあ 行け!己が未来の為に」 

その言葉にプレイヤー、NPCが一斉に走り出す!     

 その中にはミリルも体を引きずりながら町へ向かおうとしている……

ロジィエ
 「ミリルなにをしてるの!」
  
ロジィエさんがミリルを止めよとしている。

ミリア 
 「ハアハア、ケジメをつけに行く」

ロジィエ
 「……ごめん」

 !

 ロジィエさんがミリルさんの首の辺りを叩き気絶させる、
そして1本の回復薬を振り掛け、もう一本を胸元においた。

ロジィエ
「ごめんなさい…また恨まれるからもしれないけど、あなたには生きて欲しいの…」

 そして、俺達を見て……

ロジィエ
「行きましょう!」

 俺達は頷き町へと走り出た。
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