とある使用人の日記

かーにゅ

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19日目

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ゴンッ。
「だぁぁぁぁぁ!!」
いってぇ!!
レンガ足に落とした!!
「ぐぉぉぉぉぉ!!」
「だいじょーぶ?いたいのいたいのとんでけーする?」
いつの間にか戻ってきた柚琉様が俺の足を撫でた。
あ…痛みが引いて…じゃない!!
割れたレンガその辺に散らばってるから!!
危ないから!!
俺は慌てて柚琉様を抱き上げて近くの木にあったハンモックに入れた。
それなりの高さあるなこれ。
…誰が用意したんだよ。
「だいじょーぶ?」
「はい。柚琉様はそこで見ててくださいね」
「はぁい」
素直な良い子。
…ほんと俺の弟達に見習わせたい。
「さて…」
レンガは赤色と薄い茶色しかないからな…。
交互に並べるしかないか。
あとでペットボトルの鳥よけ作って…。
「ねぇぼくここからおりたい」
「ダメですよ。お仕事の邪魔になってしまいます」
ん?
樹さんの声?
そっとそちらを振り返ってみると樹さんが柚琉様のいるハンモックのすぐ隣に立っていた。
待って?
何あの樹さんの持ってるお盆。
トロピカルジュース風のオレンジジュースが乗ってるんだけど。
…いや、なんで風か分かるかって?
うちの屋敷にトロピカルジュースなんてものはないからだよ。
以前柚琉様がパイナップル食べてたら舌がピリピリするって言い出して置かなくなったんだよ。
少量なら大丈夫だからって柚琉様はねだってるけどな。
「…むぅ」
頬を膨らませる柚琉様、可愛い。
俺も仕事するかな。
レンガを交互に並べ、時々上にも積み重ねてみた。
センス?
そんなものねぇよ。
作ったことねぇし。
うちの畑はネットで覆うだけだしな。
どうせこれは鳥よけのネット張るけど大人が立っても当たらない程度にしないといけないんだからこれぐらいさせろ。
「ぼくっ!!ぼくもおてつだいする!!」
「え、いや…もう終わったんですけど」
「え…」
すみません、あとネットだけっす。
種や苗はまだ用意できてないし。
「…ぼくおへやもどる」
「お手伝いしますよ」
柚琉様が手を伸ばすと樹さんは柚琉様を抱き上げてハンモックからおろし…え?
なんで抱いたまま?
下ろさないの?
あ、そのまま行くんですね。
柚琉様めっちゃ暴れてますけど?
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