上 下
26 / 839
番外編

ポーカー

しおりを挟む
「はい。また父さんの勝ちだね」
「ほんっと…昔から勝負事やるとどれでも勝った事ねぇよな」
「チェスに将棋にすごろくでさえ勝てなかったからね」
「裏取りと先読みの力だよ。直人は裏を読みすぎ。翔はもう少し慎重に」
…そういえばスピードでも勝ったことないな。
「なにしてるのー!!」
柚はてとてと走ってくると僕の前で止まった。
「ポーカー…カードゲームだよ。3人で勝負してたの」
「ぼくもやるー!!」
「柚にはまだ難しいからババ抜きとかにしようか」
「ぼくもぱーかーやるの!!」
「…柚、ポーカーな。それじゃただの服だ」
「ぽーかー!!」
「いいよ。じゃあ僕と柚でチームってことにする」
柚を膝に乗せてカードを握らせた。
「柚はどれを捨てるか選んでいってね」
「はぁい」



数分後…
「なおにいさん!!」
「ん?」
「これつぎどーするの?」
「つぎはね……え?」
柚のカードをじーっと見る。
「あー…父さん、兄さん…」
「ん?どうかした?」
「このゲーム…柚の圧勝だ」
「…何が?」
柚に手に持っていたカードを机の上に広げさせた。
「…ロイヤルストレートフラッシュ…インチキ抜きで完成させたの初めて見た」
「…運強くない?」
「ふにゅ?どーしたのー?おわり?」
「終わりだよ。柚の勝ち」
「ぼくかった?」
「そう」
「わぁい!!」
手足をパタパタさせて喜ぶ柚、可愛い。
「でもるーるよくわかんない」
「じゃあ柚はどんなの知ってる?」
「えっとね…ばばぬきと…じじぬきと…すぴーどとしちならべとしんけいすいじゃくできる!!」
「柚、スピードで俺と勝負してみるか?」
「うん!!」
…あ、柚にはこのカード大きくないかな。
「せーのっ!!」
柚は赤のカードを選んだ。
「…掛け声は色々あるけどどうする?」
「せーのでしかやったことない…」
「じゃあそれでやるか。手札並べたな?」
「うん!!」
「「せーの!!」」
柚は次々にカードを出していく。
…あれ?
兄さんより…強くない?
「普段のあのマイペースさはどこへいったのやら…」
「物凄く早いね…」
「…柚は体を使わないゲームなら得意なのかもね。お正月恒例の家族ですごろくする時も1番にあがるし。…罰ゲーム付きだと何度も1回休みになってたけど」
「運がいいのか悪いのか…」
まぁ柚が楽しいのならなんでもいいけど。












この数十分で判明したことがある。
柚はカードゲームなら負けない。
いや正確には父さんには何度か負けてた。
僕達は全く勝てなかった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

アリスと女王

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:390pt お気に入り:903

異世界で合法ロリ娼婦始めました。聖女スカウトはお断りします。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:340pt お気に入り:122

お兄ちゃんにオス堕ちしてほしい

BL / 連載中 24h.ポイント:269pt お気に入り:131

異世界日帰りごはん【料理で王国の胃袋を掴みます!】

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:6,909pt お気に入り:2,218

百合JKの異世界転移〜女の子だけのパーティで最強目指します!〜

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:134pt お気に入り:707

セヴンス・ヘヴン

BL / 連載中 24h.ポイント:604pt お気に入り:6

処理中です...