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番外編

おまつり

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柚夏 8歳

「お祭りに行きたいです」
「れす」
「「え…?」」
僕と夏は手を繋いでお願いしてみた。
夏が近所のおばさんから近くで屋台が出るって聞いてきてくれたから行きたいの!!
「…お祭り…?」
「柚起きて大丈夫なの?熱は?今朝まで微熱だったよね?」
「もう下がったもん。お祭り行きたいの。ダメ?」
「夏たちね、お小遣いもいっぱいあるからお金は大丈夫だよ。でも場所がわからないから、兄さん達連れてって?」
「…夏はまだしも…柚はダメだろ」
「ふぇっ…いかしぇてくれないとないちゃうじょ…っく…」
「もう既に泣いてる!!あぁ泣かないで。意地悪したいんじゃないんだよ…柚…」
直人兄さんは僕を抱っこした。
「柚は今無理しちゃうとまた明日も学校行けなくなっちゃうんだよ?今日はもうねんねして、明日元気になってから行こうね」
「あちたはもうやってないもん…」
「……」
だから今日行きたいのー!!
夏は夏で翔兄さんに必死に交渉していた。
「うぅ…ぐしゅ…」
「…仕方ない…連れてくか」
「兄さん!?」
「柚はシート貼って自分で歩いちゃダメだぞ?人酔いしそうだったらすぐ言うんだからな」
「翔兄さんありがと!!」
「無理はしないって約束するんだよな?」
「うん!!」
やったー!!





僕達はちょっとだけお着替えしてからお祭りに向かった。
「「わぁぁ…!!」」
「それで?どこ行くんだ?」
「夏ご飯食べる!!」
「僕も!!」
焼きそばとかフランクフルトとか…あとは…チョコバナナ!!
「柚は兄さんと半分こしようね」
「ん!!」
兄さんに抱っこされたまま屋台へと向かった。
「チョコバナナくださいっ!!」
「1本600円です」
「にゅ…」
600円…。
「柚?お金の数え方は分かるよね?」
「それぐらいわかるもん!!」
ちょっと探してただけだもん!!
「あいっ!!」
「はいちょうど。じゃあそこから好きなの持っていってね」
「しゅきなの…」
…ピンクのか…普通のか…どっちにしよう。
「柚は普通のにしておいた方がいいと思うな」
「どちて?」
「1度も食べたことないんだから冒険はしないの。何が起こるか分からないんだから」
「あぅ…」
そうだった…。
だってみんなが作ってくれないんだもん!!
チョコレートフォンデュだってやったことない!!



あむあむ。
「そのくらいにしておきなよ。他のもの食べられなくなっちゃうからね」
「あい」
僕はチョコバナナを話して兄さんに渡した。
えっとね…あとはね…りんご飴も食べたいし…射的もやりたいし…くじもやってみたい!!
「なおとにいしゃん!!」
「ん?」
「くじ引きやりたい!!」
「…それはやめておこうか。おうちで用意してあげるから。それまで我慢しててくれる?」
「えぇ…」
「(あれ絶対1等とか入ってないし…柚の悲しむ顔見たくないからなぁ…)」
「…がまんしゅる」
くじ引き楽しそうだったのに…。
「あ、輪投げだってさ。柚やる?」
「やる!!」

























そのあとめいっぱいお祭りを楽しんだ僕達は疲れきって帰り道、兄さん達に抱っこされて眠ってしまった。
そして僕は翌日熱を出してみんなに怒られました。
めでたしめでたし。
「いやめでたくない!!僕フランクフルト食べてないことに気づいた!!」
「それはまた今度」
「今はちゃんと寝ろ」
「ふぁい…」
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