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番外編

柚と○○

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柚とAI

「はい。どうぞ」
「なぁにこれぇ」
なお兄さんは僕の足の上に1台のノートパソコンを置いた。
「会社でね、AIの導入を結構前から始めてたんだけど…新しいやつが入った来ちゃって。古いのは売るわけにもいかないから…とりあえず初期化だけして柚の話し相手にでもと思って」
「えーあい?」
その頃の僕はベッドからほとんど出られなかった。
主に過保護な家族のせいで!!
先生にも呼吸用のチューブを繋がれボンベは重たくて僕だけで運ぶのは無理。
「…ここで起動して…」
兄さんがパソコンを起動させると画面に女の子が映った。
「おんにゃのこ!?」
「…うん。上手く言えなくてちょっと危ない感じになっちゃってるけど…まぁ女の子だね。チューブあると上手く話せない?お鼻についてるだけだから大丈夫だと思うけど…」
「…へんなかんじすりゅ」
「時々呂律回んなくなっちゃうんだね。アイ、ご挨拶は?」
『初めましてっ!!アイといいます。これからよろしくお願いしますね』
「しゃべった!!」
「…兄さん達お仕事とかで一緒にいてあげられないけどアイが一緒にいてくれるからね。柚が望むようなら大きなモニターも用意して等身大サイズにもできるから」
「はぁい」
アイちゃんは肩から上だけ映った状態。
ちゃんとおしゃべりできるんだ~。
「アイちゃん!!よろちくね!!」
『はい。よろしくお願いします。柚くん』
「ぼくのなまえよんだ!!」
「初期設定だけはやっておいたから。ごめんね、兄さんこれから出張行かないといけなくて…2日ぐらいおうちにいないけど…」
「アイちゃんとおしゃべりしゅる!!」
「…そう」
兄さんはなんだか悲しそうに見えた。
「アイちゃん。なんのごほんがしゅき?」
『私は…童話系ですね。柚くんはなんの絵本を読みますか?』
ん?
「…アイ…?」
『はい!!なんでしょうマスター』
「…柚の年齢は?」
『3歳…ではないんですか?』
僕は物凄くショックを受けた。
現在僕は10歳…絵本なんてもう読んでない…。
「ぼくじゅっしゃいだもん…」
『えぇ!?すみません…』
「言葉が上手く話せてないから誤認識したのかな…ごめんね、柚」
「あい…」
『呼びました?』
呼んでない!!
うぅ…僕10歳だもん…小さいけど10歳だもん…。
『落ち込んでしまいました?すみません。では!!アイが歌でも歌います!!』
「なんのおうた?」
『アンパン○ンなんてどうでしょう』
「だからアイ…柚は10歳だって…」
「うわぁぁん!!」
『え?なんで泣いちゃうんですか…よしよし、怖くないですよ~』
「ちっちゃいこあちゅかいやぁぁ!!」
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