魔狼王(着ぐるみ)が往く!~勇者パーティーから暑苦しいと追放された着ぐるみ士の俺、世界最強のステータスに目覚めたので神獣と一緒に見返します~

八百十三

文字の大きさ
47 / 72
第3章 邂逅と恐怖

第44話 着ぐるみ士、考える

しおりを挟む
 酒場の喧騒が、閉じられたドアと俺の背中の向こうから聞こえてくる。
 いつものようにフェンリルの着ぐるみを身にまといながら、俺は酒場の外に出ていた。峡谷から吹いてきたであろう夜風が、俺の着ぐるみの毛を渡っていく。
 リーアはアニータと仲良くなってずっと話をしているし、ティルザはテーブルの上で寝てしまっていた。連れ出すのは少々忍びない。

「はぁ……」

 小さくため息を零しながら一人夜空を見上げ、酒場の入り口に用意された石段に腰を下ろしていると、左手側、獣舎の方から足音が聞こえてきた。

「どうした、ジュリオ」
「アンブロース……獣舎にいたんじゃなかったのか」

 そこには俺を見下ろすアンブロースがいた。ぶるると身体を震わせながら声をかけてくる彼女に問いかけると、眉間にしわを寄せながら彼女は小さく首を振った。

「あんな狭苦しい、ワラすらまともに敷いていない小屋になど居られるか。ピスコの村ですらもっとまともな寝床があったぞ」
「ははは……そりゃまあ」

 どうやらポデスタ村の酒場に用意された獣舎は、あまり環境が良くないらしい。とはいえ仕方がない、峡谷のそばにあるだけの小さな村だ。礼拝堂すらこの村にはないのだ。
 クッションのない狭い獣舎にイライラしている彼女の姿を想像して笑っていると、アンブロースがぐいと俺に顔を近づけてくる。

「で、どうしたのだ。貴様はあの戦士たちと知り合いだったのだろう。宴会はまだ続いているのではないか」
「ん、まだやってる。ちょっと疲れたんで、休憩も兼ねて出てきただけだ」

 彼女に返事をしながら、俺は左手をくいと後方に向けた。親指を立てて向けようにも、きぐるみの手ではそれが出来ない。やったところで相手はアンブロースだから、意味もないが。
 夜の静まり返った村の中で、俺はアンブロースと一緒に夜空を見上げた。よく晴れた空、月と一緒に星がいくつも瞬いている。
 その星々を見上げながら、俺はぽつりと隣のアンブロースに言葉をかけた。

「アンブロース、少し、聞きたいことがあるんだが」
「なんだ」

 俺の言葉に、彼女は短く返してくる。それを確認して、夜空を見つめたまま俺は口を開いた。

「ドロテーアは、魔物の間ではどういう風に言われていたんだ?」

 その問いかけに、アンブロースが俺の方に顔を向ける。
 彼女の視線を顔の横に感じながら、俺は話を続けた。

「獄王イデオンの側近、稀代の死霊術士ネクロマンサー、死を操るもの。いろいろ異名はあるけれど、魔物から見てあれがどういう存在だったのか、気になってさ」

 後虎院の一人、『闇の奏者』ドロテーア。魔物としての強力さもさることながら、とにかく死なない・・・・ことで彼女は有名だ。だからグラツィアーノ帝国のムゼッティ洞穴どうけつでドロテーアが「殺された」ことが冒険者ギルドに伝えられた時、瞬く間に世界中でニュースになったのだ。
 そんなことをなし得た人物の一人であるマリサを忘れていた、というのもなかなか間抜けな話だが、今言っても仕方がない。
 俺の素朴な、そして率直な問いかけに、アンブロースが細く息を吐きだす。ため息交じりに口を開けば、彼女の口から飛び出すのはありきたりな言葉だ。

「……そうだな。私もあれについて、そこまで詳しく知っているわけではない。ただ、ムゼッティ洞穴にてあれが冒険者に殺された、という報せは、私の耳にも入ってきた。驚いたとも、後虎院の中でも特に不死性を謳われる、殺しても死なないような女だと言われていたのが、後虎院で真っ先に死んだのだ」

 そう話しながら、アンブロースは目を細めて夜空を見る。森に住み、人間と積極的に触れ合うことなく暮らしていた彼女も、そうした大きなニュースは耳にしていたらしい。そしてそれは、驚きを以て受け止められた。そのへんは人間と一緒だ。
 と、彼女がぐっと首を伸ばしてきた。俺のフェンリルの頭を下からつつくようにしながら、間近で俺の顔を見る。

「その、あれを殺した冒険者の一人が、あの勇者と行動を共にしていた付与術士エンチャンターだと、そういうことなのだな?」
「……ああ」

 彼女の問いかけに、俺は頷いた。
 マリサ・ダミアーノ。A級の付与術士エンチャンター。しかしきっと、試験を受けたらすぐにS級に上がるのだろう。何しろ後虎院の一人を殺して生き延びたのだから。
 冒険者のランクは基本的に、ギルドで昇給試験を受けて合格することで上がる。ナタリアがあれでS級なのも、その試験に合格したからだ。「白き天剣ビアンカスパーダ」では、他にイバンとレティシアがS級である。
 そして、マリサは「白き天剣ビアンカスパーダ」に所属するようになる前、「夜明けの星ステラデラルバ」に所属していた。もしかしたら他にも所属していたパーティーがあったり、単独で活動していたりしたかもしれないけれど。問題は、その「夜明けの星ステラデラルバ」が有名どころだということだ。

「『夜明けの星ステラデラルバ』。グラツィアーノ帝国の擁する勇者、『炎槍えんそう』のアレッシオをリーダーとするSランクパーティー。パーティーの総合力は世界でも五指に入ると言われ、獄王の首に刃を届かせるに足る存在……俺もそう聞いている」
「む?」

 俺の解説に、アンブロースが明確に首を傾げた。それはそうだろう、今のを聞いて疑問に思わないはずがない。

「おかしいではないか。そこまで実力のあるパーティーだったのなら、何故あの女はそこを離れたのだ?」

 彼女のその問いかけを聞いて、俺は胸の奥がチクリと傷んだ。
 そのことを聞かれると思った。俺だって事情を知るまでは同様に疑問を持ったものだ。うつむきながら、ポツリとこぼす。

「……死んだからだよ」
「死んだ?」

 俺の発した言葉に、アンブロースが目を見開いた。彼女のあごを撫でながら、俺は語りかける。

「勇者アレッシオは、ドロテーア討伐の際に相討ちとなって死んだんだ。彼だけじゃない、討伐に参加した5パーティー22人、そのうち18人がドロテーアの命と引換えに死んだ。『夜明けの星ステラデラルバ』で生き残ったのはマリサだけだ。だからパーティーを存続させることも出来ず、そのまま解散になったんだ」

 そう、後虎院のドロテーアは殺された。しかし冒険者側にも少なくない損害をもたらしたのだ。
 今の世代の冒険者で最強の呼び声も高かったアレッシオ・バルディーニは死んだ。他にも偉大な研究で勲章を受賞した魔導師ウィザードのアルトゥーロ・レッリ、全国冒険者闘技大会優勝者である拳闘士グラップラーのビアンカ・フローリオ、たくさんの有名な冒険者がそこで死んだ。
 聞くところによると、洞窟の最奥部で行われた戦闘中、誰かが大規模な魔法を行使して大爆発を引き起こし、その爆風で大きく吹き飛ばされた四人だけが助かったのだとか。
 その話をすると、アンブロースが沈鬱な表情で俺の膝に頭を乗せて口を開いた。

「そうか……それならば、あの女がこれみよがしに『闇の奏者』討伐の実績をひけらかさなかったのも合点がいく。多数の犠牲の上に成った成果なら、余計にな」
「ん、俺もそうだと思っているんだけど……何か、引っかかるところがあるんだ。違和感と言うか、なんというか」

 彼女の言葉を聞きながら、俺は小さく首をかしげた。
 何か、微妙に引っかかるのだ。ピスコボ森林で出会って二言三言言葉をかわしたマリサ・ダミアーノ。あの時彼女が見せていた笑顔に、何か含みがあるような気がしてならなくて。
 なんだろう、あの心がざわつくような違和感は。
 眉間にしわを寄せる俺に、アンブロースが顔を寄せてくる。

「ふむ……だがまぁ、それについては貴様が気にすることでもないだろう。それで、私に他に聞きたいことがあるのではないのか?」
「まあな……ドロテーアの、さっき言ってた不死性についてだ」

 彼女の頭を撫でながら、俺はもう一度話を始めた。つまり、ドロテーアの不死性、死んでも死なないと言われるくらいの、彼女の能力の実態だ。

「ドロテーアは不死身だって、冒険者の間でも有名だった。殺しても蘇るとか、肉体をバラバラにしても平気でしゃべるとか」
「ああ、なるほど。あれはただ死なない、死んでも蘇るというわけではない。死霊を操って戦うが、それがあれの真骨頂ではない」

 俺の話した言葉に頭を上下させながら、アンブロースがうっすら笑う。そして彼女は、俺の顔を上目遣いに見上げながら、突拍子もない事を言いだしたのだ。

「あれはな、ジュリオ。他者に自らを・・・・・・取り憑かせて・・・・・・その身体を乗っ取るのだ・・・・・・・・・・・
「自分を……取り憑かせる?」
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました

空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。 平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。 どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。

辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
 ブラック企業で働く社畜の辻風ハヤテは、ある日超人気ダンジョン配信者のひかるんがイレギュラーモンスターに襲われているところに遭遇する。  ひかるんに辻ヒールをして助けたハヤテは、偶然にもひかるんの配信に顔が映り込んでしまう。  ひかるんを助けた英雄であるハヤテは、辻ヒールのおじさんとして有名になってしまう。  ダンジョンから帰宅したハヤテは、後ろから謎のもふもふがついてきていることに気づく。  なんと、謎のもふもふの正体はダンジョンから出てきたモンスターだった。  もふもふは怪我をしていて、ハヤテに助けを求めてきた。  もふもふの怪我を治すと、懐いてきたので飼うことに。  モンスターをペットにしている動画を配信するハヤテ。  なんとペット動画に自分の顔が映り込んでしまう。  顔バレしたことで、世間に辻ヒールのおじさんだとバレてしまい……。  辻ヒールのおじさんがペット動画を出しているということで、またたくまに動画はバズっていくのだった。 他のサイトにも掲載 なろう日間1位 カクヨムブクマ7000  

【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立

黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」 「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」 ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。 しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。 「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。 だが、彼らは知らなかった。 ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを! 伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。 これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜

双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」 授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。 途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。 ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。 駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。 しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。 毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。 翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。 使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった! 一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。 その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。 この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。 次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。 悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。 ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった! <第一部:疫病編> 一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24 二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29 三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31 四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4 五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8 六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11 七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

処理中です...