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Angel's Ring
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「……ん?
なんだ、ありゃ?」
ファビアンさんが道の前方を指差されました。
見てみると、なにやら、大きな荷物が落ちているようです。
「何でしょうね?
とにかく行ってみましょう!」
私達は、荷物の所まで走って行きました。
「おおっ?!この荷物、足があるぞ!」
「違いますよ!ファビアンさん!
荷物の下に誰かが倒れてるんですよ!大変です!早く助けないと…!」
私が荷物をどけると、その下には女性が倒れていらっしゃいました。
「うっ…」
ファビアンさんは、突然、短い声を出されました。
「大丈夫ですか!?しっかりして下さい!」
私は女性に声をかけましたが、何の反応もありません。
女性はすっかり意識を失ってらっしゃるようです。
「困りましたね…
そうだ!ファビアンさん、水を…!」
「え……?」
「水ですよ、水っ!」
「あ、あぁ、わかった!!」
いつになくファビアンさんはぼんやりされているようです。
私は、女性に水を飲ませようとしましたが、うまくいきません。
意識がないせいか、口からこぼれてしまうのです。
私は、自分の口に水を含み、口移しで飲ませることにしました。
「……ん」
どうやら、気が付かれたようです。
女性の瞳がゆっくりと開いていきました。
そして次の瞬間……
「な、な、な、何をする~~~!!」
女性の平手が私の頬を叩きました。
華奢な女性でしたが、その力は信じられない程激しいもので、私は後ろにふっ飛び、一瞬、意識が飛んだ程です。
女性は、上体を起こし、肩で息をしながら、私を睨み付けています。
何か誤解されているようです。
「あ、あの…私は…ですね。
あの…その…」
ファビアンさんは、相変わらず何もおっしゃらず、ただ呆然と私達をみつめてらっしゃいました。
*
私は女性に事の成り行きを話し、しばらくして、やっと女性は落ち着かれました。
「言い遅れましたが、私はディディエ、こちらはファビアンさんです。
あなた、お名前は?」
「……キャリーだ。」
綺麗な顔に似合わず、男性的な言葉遣いをされる方です。
まだ、さっきのことを怒ってらっしゃるのでしょうか?
「荷物が重過ぎたのですね。
どちらまで行かれるのですか?
私が目的地まで荷物を運んで差し上げましょう。」
私がそう言うと、まるで返事をするかのようにキャリーさんのおなかの虫が鳴りました。
キャリーさんは、赤い顔をして俯かれました。
「あの…よろしければこれを…」
私がパンとりんごを差し出すと、キャリーさんはそれらを私の手からひったくるように奪い取り、向こうを向いて黙々と食べられていました。
なんだ、ありゃ?」
ファビアンさんが道の前方を指差されました。
見てみると、なにやら、大きな荷物が落ちているようです。
「何でしょうね?
とにかく行ってみましょう!」
私達は、荷物の所まで走って行きました。
「おおっ?!この荷物、足があるぞ!」
「違いますよ!ファビアンさん!
荷物の下に誰かが倒れてるんですよ!大変です!早く助けないと…!」
私が荷物をどけると、その下には女性が倒れていらっしゃいました。
「うっ…」
ファビアンさんは、突然、短い声を出されました。
「大丈夫ですか!?しっかりして下さい!」
私は女性に声をかけましたが、何の反応もありません。
女性はすっかり意識を失ってらっしゃるようです。
「困りましたね…
そうだ!ファビアンさん、水を…!」
「え……?」
「水ですよ、水っ!」
「あ、あぁ、わかった!!」
いつになくファビアンさんはぼんやりされているようです。
私は、女性に水を飲ませようとしましたが、うまくいきません。
意識がないせいか、口からこぼれてしまうのです。
私は、自分の口に水を含み、口移しで飲ませることにしました。
「……ん」
どうやら、気が付かれたようです。
女性の瞳がゆっくりと開いていきました。
そして次の瞬間……
「な、な、な、何をする~~~!!」
女性の平手が私の頬を叩きました。
華奢な女性でしたが、その力は信じられない程激しいもので、私は後ろにふっ飛び、一瞬、意識が飛んだ程です。
女性は、上体を起こし、肩で息をしながら、私を睨み付けています。
何か誤解されているようです。
「あ、あの…私は…ですね。
あの…その…」
ファビアンさんは、相変わらず何もおっしゃらず、ただ呆然と私達をみつめてらっしゃいました。
*
私は女性に事の成り行きを話し、しばらくして、やっと女性は落ち着かれました。
「言い遅れましたが、私はディディエ、こちらはファビアンさんです。
あなた、お名前は?」
「……キャリーだ。」
綺麗な顔に似合わず、男性的な言葉遣いをされる方です。
まだ、さっきのことを怒ってらっしゃるのでしょうか?
「荷物が重過ぎたのですね。
どちらまで行かれるのですか?
私が目的地まで荷物を運んで差し上げましょう。」
私がそう言うと、まるで返事をするかのようにキャリーさんのおなかの虫が鳴りました。
キャリーさんは、赤い顔をして俯かれました。
「あの…よろしければこれを…」
私がパンとりんごを差し出すと、キャリーさんはそれらを私の手からひったくるように奪い取り、向こうを向いて黙々と食べられていました。
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