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Angel's Ring
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「では、参りましょうか?
もうしばらく歩くと町に着くはずですよ。」
私達は町に向かって歩き始めました。
ところが、どうしたことか、いつもはけっこうおしゃべりなファビアンさんは固く口を閉ざしたまま黙々と前を向いて歩いて行かれ、キャリーさんもまた同じように黙って歩かれているのです。
なんとも気詰まりな雰囲気です。
一体、どうされたというのでしょうか?
私も仕方なく二人と同じように押し黙って歩いているうち、やがて、私達は町に着きました。
「おい、ちょっと!」
「はい、なんでしょう?」
私は、ファビアンさんに小声で呼ばれました。
「困ったことに路銀はあとこれだけしかないぜ。
どうしようか?」
ファビアンさんが差し出されたお金は、本当にわずかでした。
キャリーさんも加わったことを考えると、三人で宿に泊まったら、明日からは食べるものすら買えなくなってしまいそうな金額です。
「まずいな…
こうなると、やっぱり、こいつを売るしかないのかな。」
ファビアンさんはそう言って、アーネスト君からもらった石を名残惜しそうにみつめてらっしゃいます。
「ダメですよ!
それは大切なものなんですから!」
「だが、そうは言っても…
すぐに仕事でもみつかれば別だが、そんなうまい具合にはいかないだろうし…」
「そうですね……ん?」
私はふと見た壁の貼り紙に目が停まりました。
「ファビアンさん!あれを見て下さい。
明日、この町では魔法大会があるようですよ!
優勝者には賞金も出るようですよ!
これに優勝出来たら…」
「残念だが、俺は魔法剣士とはいっても、魔法の腕前はそんなにたいしたことないんだ。
魔法使いに例えたら、せいぜい初級程度だな。」
「初級…ですか…
で、でも、他の出場者が皆、同じようなレベルだったとしたら…!」
「そううまくいくかな…」
「私が出ます。」
突然背後から発せられた声に振り向くと、それはキャリーさんでした。
もうしばらく歩くと町に着くはずですよ。」
私達は町に向かって歩き始めました。
ところが、どうしたことか、いつもはけっこうおしゃべりなファビアンさんは固く口を閉ざしたまま黙々と前を向いて歩いて行かれ、キャリーさんもまた同じように黙って歩かれているのです。
なんとも気詰まりな雰囲気です。
一体、どうされたというのでしょうか?
私も仕方なく二人と同じように押し黙って歩いているうち、やがて、私達は町に着きました。
「おい、ちょっと!」
「はい、なんでしょう?」
私は、ファビアンさんに小声で呼ばれました。
「困ったことに路銀はあとこれだけしかないぜ。
どうしようか?」
ファビアンさんが差し出されたお金は、本当にわずかでした。
キャリーさんも加わったことを考えると、三人で宿に泊まったら、明日からは食べるものすら買えなくなってしまいそうな金額です。
「まずいな…
こうなると、やっぱり、こいつを売るしかないのかな。」
ファビアンさんはそう言って、アーネスト君からもらった石を名残惜しそうにみつめてらっしゃいます。
「ダメですよ!
それは大切なものなんですから!」
「だが、そうは言っても…
すぐに仕事でもみつかれば別だが、そんなうまい具合にはいかないだろうし…」
「そうですね……ん?」
私はふと見た壁の貼り紙に目が停まりました。
「ファビアンさん!あれを見て下さい。
明日、この町では魔法大会があるようですよ!
優勝者には賞金も出るようですよ!
これに優勝出来たら…」
「残念だが、俺は魔法剣士とはいっても、魔法の腕前はそんなにたいしたことないんだ。
魔法使いに例えたら、せいぜい初級程度だな。」
「初級…ですか…
で、でも、他の出場者が皆、同じようなレベルだったとしたら…!」
「そううまくいくかな…」
「私が出ます。」
突然背後から発せられた声に振り向くと、それはキャリーさんでした。
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