Angel's Ring

ルカ(聖夜月ルカ)

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Angel's Ring

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「キャリーさん…今、なんと?」

「聞こえませんでしたか?
私が出ると言ったのです。」

自信に満ち溢れた眼差しでした。
その瞳を見た時、私はなぜだか懐かしいような気がしました。
よくはわからないのですが、どこかで同じような瞳を見たような…そんな気がしたのです。
地上に来てからはそれほど多くの人と関わってはいないはずなので、多分、気のせいだと思うのですが…



「キャリーさんは、魔術師なんですか?」

「ええ、まぁ…」

「では、お願いしましょう!頑張って下さいね!」

「頑張るほどのこともないがな…」

「え…?」

「……いえ…何も…
それで…あの…明日に備えて食事と睡眠をしっかり摂っておきたいんですが…」

「あ、わかりました!
では、とにかく宿へ行きましょう!」

私達は、とにかく先のことは考えず、その日は宿に泊まることにしました。
キャリーさんが魔法大会で優勝されなかったら本当に大変なことになりますが、そうなったらそうなったでなんとかするしかありません。
なんとかといっても、まるで策はないのですが、とにかく今はキャリーさんの優勝に賭けることにしました。







「なぁ…本当にあの人、優勝出来ると思うか?」

食事を済ませた後、キャリーさんは明日に備えて寝るとおっしゃって、まだ子供でさえも目を覚ましている早い時間から部屋に閉じこもられました。
私とファビアンさんは、眠るにはまだ早いので、隣の部屋でお酒を飲みながらまったりした時間を過ごしていました。




「どうでしょうねぇ…
私はキャリーさんの魔法はみたことがありませんからなんとも言えませんが、すごく自信がおありのようですから、すごいのかもしれませんよ。」

「ただの自信過剰ってこともあるぜ。」

「それはそうですが…それならそれで仕方ないじゃないですか。
それよりも、駄目だった時の事が心配ですね。」

「そうだな…そうなったらいよいよあの石を手放すしかないだろうなぁ…」

「あれはだめですよ。
私がなんとかしますから、絶対に手放さないで下さいね!」

そうは言ったものの、私に一体何が出来るというのでしょうか…
不安な気持ちを抱えながら、私達は眠りに就きました。

 
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