99 / 355
ゲームの始まり
9
しおりを挟む
「これは……?」
突然、目の前に放り投げられた大きな麻袋に、ルークが顔を上げた。
「それと、これを…」
ベルナールは、ルークの問いに答えるより前に、オルジェスに白いハンカチを手渡した。
中に何かが包まれているようだ。
「ベルナール、これは何の真似なんだ?」
「ルーク…おまえの一番下の兄弟は何と言ったかな?」
「…ローリーのこと?」
「そうか…ローリーか…
今夜、そのローリーを誘拐して来い。」
「えっ!!ローリーを?
ローリーに一体何をするつもりなんだ?
ローリーは…ローリーはまだ5つなんだ…」
そう言って俯いたルークの胸倉を、ベルナールが乱暴に掴み上げた。
「ルーク…それがどうしたというんだ?
おまえは、母親の仇を討つために何でもするんじゃなかったのか?!」
それは、傍らにいたオルジェスさえもが声を出せなくなるほどの気迫のこもった声だった。
「動揺するのもいいかげんにしろ!
……おまえはすでに罪を犯した。
思い出せ!
少し前におまえとオルジェスがサマンサにやった仕打ちを…
……おまえはもう後戻りは出来んのだ…!
あの家族には戻れないのだということをしっかりと自覚するのだ!」
ベルナールの剣幕はますます激しさを増し、ルークの顔が青ざめ引きつった。
「……ルーク…おまえには失望したよ。
所詮、おまえには母親の本当の苦しみはわかってはいないということか…
いや…それをおまえに求めるのが無理なことだったのだな。
おまえは、私やオルジェスとは違い、幸せな家庭に育ったのだからな…
……感情的になってすまなかった…」
ベルナールは、ルークから手を離した。
「オルジェス…私達はルークの問題に関わるべきじゃなかった…
私達は、イアンとトレルの事だけ考えていれば良かったのだ…」
「ベルナール!ご…ごめん…
僕が悪かった…
君達のことは感謝してるんだ。
ただ…僕が甘かったんだ…
頭ではわかってるんだけど…いろんなことがいっぺんにありすぎて混乱してて、それで…」
「良いんだ、ルーク…」
ベルナールは、ルークの身体を強く抱き締めた。
突然、目の前に放り投げられた大きな麻袋に、ルークが顔を上げた。
「それと、これを…」
ベルナールは、ルークの問いに答えるより前に、オルジェスに白いハンカチを手渡した。
中に何かが包まれているようだ。
「ベルナール、これは何の真似なんだ?」
「ルーク…おまえの一番下の兄弟は何と言ったかな?」
「…ローリーのこと?」
「そうか…ローリーか…
今夜、そのローリーを誘拐して来い。」
「えっ!!ローリーを?
ローリーに一体何をするつもりなんだ?
ローリーは…ローリーはまだ5つなんだ…」
そう言って俯いたルークの胸倉を、ベルナールが乱暴に掴み上げた。
「ルーク…それがどうしたというんだ?
おまえは、母親の仇を討つために何でもするんじゃなかったのか?!」
それは、傍らにいたオルジェスさえもが声を出せなくなるほどの気迫のこもった声だった。
「動揺するのもいいかげんにしろ!
……おまえはすでに罪を犯した。
思い出せ!
少し前におまえとオルジェスがサマンサにやった仕打ちを…
……おまえはもう後戻りは出来んのだ…!
あの家族には戻れないのだということをしっかりと自覚するのだ!」
ベルナールの剣幕はますます激しさを増し、ルークの顔が青ざめ引きつった。
「……ルーク…おまえには失望したよ。
所詮、おまえには母親の本当の苦しみはわかってはいないということか…
いや…それをおまえに求めるのが無理なことだったのだな。
おまえは、私やオルジェスとは違い、幸せな家庭に育ったのだからな…
……感情的になってすまなかった…」
ベルナールは、ルークから手を離した。
「オルジェス…私達はルークの問題に関わるべきじゃなかった…
私達は、イアンとトレルの事だけ考えていれば良かったのだ…」
「ベルナール!ご…ごめん…
僕が悪かった…
君達のことは感謝してるんだ。
ただ…僕が甘かったんだ…
頭ではわかってるんだけど…いろんなことがいっぺんにありすぎて混乱してて、それで…」
「良いんだ、ルーク…」
ベルナールは、ルークの身体を強く抱き締めた。
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
崖からポイ捨てされた不運令嬢ですが、銀髪イケメン竜王に『最愛の伴侶』としてスカウトされました!
有賀冬馬
恋愛
不作も天災も、全部わたしのせい!?
「不運な女」と虐げられ、生贄として崖から捨てられたわたし、ミラ。
でも、落ちた先で待っていたのは、まぶしいほど綺麗な銀髪の竜王・アルベルト様でした!
「君がいたから、この国は守られていたんだよ」
えっ、わたしって実はすごい聖女だったの!?
竜宮城で贅沢三昧&溺愛生活スタート!
そんな中、わたしを捨てて大ピンチになった元婚約者が「ミラ、戻ってきて!」と泣きついてきて……。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに
千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】
魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。
ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。
グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、
「・・・知ったからには黙っていられないよな」
と何とかしようと行動を開始する。
そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。
他の投稿サイトでも掲載してます。
※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。
余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした
ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。
しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義!
そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。
「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
三年目の離婚から始まる二度目の人生
あい
恋愛
三年子ができなければ、無条件で離婚できる――王国の制度。
三年目の夜、オーレリアは自らその条文を使い、公爵ルートヴィッヒに離婚を告げた。
理由はただ一つ。
“飾り”として生きるのをやめ、自分の手で商いをしたいから。
女性が公の場で立てる服を作るため、彼女は屋敷を去り、仕立て屋〈オーレリア・テイラーズ〉を開く。
店は順調に軌道に乗り、ついに王女の式典衣装を任されることに。
だが、その夜――激しい雨の中、彼女は馬車事故に遭い命を落とす。
(あと少し早く始めていたら、もっと夢を叶えられたのに……)
そう思った瞬間、目を覚ますと――三年前、ルートヴィッヒと結婚する前の世界に戻っていた。
これは、“三年目の離婚”から始まる、二度目の人生。
今度こそ、自分の人生を選び取るために。
ーーー
不定期更新になります。
全45話前後で完結予定です、よろしくお願いします🙇
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる