お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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057 : 少女たちへ

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 「み~つけた!」

 「なんだ、ディヴィッド!
もうみつかったのか?
じゃ、今度はそっちが鬼だ!
ジョアン、シュリー、うまく隠れるんだぞ!」

 「私達は大丈夫よ!
サイモンおじちゃんこそ、みつからないでよ!」



 私達は、その夜、リータの家に泊めてもらうことになった。
 夕食はサイモンも一緒に食べることになり、それまでの間、サイモンが村を案内がてらディヴィッドを遊ばせてやろうと言い出し、私達もそれに着いて行くことにした。
 本当にのどかで気持ちの良い村だ。
しかし、好奇心の旺盛な若いエヴァには、ここが退屈で仕方のない所だと思えたのも理解は出来る。
 自然の恩恵など、若い頃には少しも魅力的には思えないものだ。
ここしか知らなかったエヴァが、賑やかな都会に憧れたのも無理からぬことだ。

 村の中で誰かに出会う度、村人達は私達の傍に近寄って来ては、ちょっとした世間話をする。
ここには、余所者がやって来ることも滅多にないのだろう。
 田舎の割には、閉鎖的なところがなく、暮らしやすそうな村だ。
 私達はそのうち木登りをする元気な少女達に出会った。
ジョアンとシュリーという可愛らしいその子達は、サイモンの姪達だった。
サイモンは二人にディヴィッドのことを紹介し、それから私達は皆で連れだって、他愛ない子供の遊びに興じた。
リュックと似たタイプの無邪気なサイモンに、ディヴィッドも心を許した様子だったが、ディヴィッドのことをもの珍しそうにする二人の少女には、まだどこか戸惑っているようだった。



 「なぁ、マルタン…
こんな所で暮らせたら、ディヴィッドにとって幸せなことだと思わないか?」

 「そうだな。
 自然はいっぱいだし、村の人達も気さくだ。
 子供にはとても良い環境だな。」

 「ただ…問題は、エヴァだよな。
ここをそんなに嫌ってたんじゃ、ここに戻るとは言わないだろう。」

 「なら、リータさんがあの町へ移れば良いんじゃないか?」

 「でも、リータさんはここが気に入ってるみたいだしなぁ…」

 「そんなことを今から悩むなんて君らしくないな。
まずは二人を会わせてからだろ?」

 「……その通りだな。」



 私達に背を向けて、ディヴィッドは花畑に座りこんでいた。
そして、おもむろに立ち上がると、ディヴィッドは少女達に近付き、黙って何かを差し出した。



 「わぁ、綺麗!」

 「すっごく上手!」



ディヴィッドの差し出したものは色鮮やかな花冠だった。
 少女達の笑顔に、ディヴィッドも安心したように笑みをのぞかせた。
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